デビューして5年目―――昨年騎手リーディングで初めて上位に名を連ねた杉浦健太(12位)と
田野豊三(14位)は、いまもっとも注目を集める伸び盛りのジョッキーである。
今年は9月時点で昨年の勝ち鞍を早々とクリア。一歩一歩着実に高みをめざし、
成績上位の先輩ジョッキーをおびやかす存在になる日も近いのではないか。
虎視眈々、野望に燃える園田の若きジョッキーにスポットを当てた。
―――5年目の今年はこれまでとは違う手応え感じているんじゃないですか?
杉浦:いいえ、そんなことはないんですけど…。
まあ、以前に比べて多少は落ち着いて乗れるようになったかなと思います。
田野:調教師の先生方から声をかけてもらっていい馬に乗せてもらってると感じてます。
自分はこれまで結果を残してきたという実感はないんですけど。
―――勝ち鞍がもう、去年1年間の数字を上回っているしいい感じで二人は切磋琢磨できていますよね。
現在の数字に関しては満足していますか?
田野:いや、まだ満足はしてないです。前年を上回ることを目標にやってきたので、
とりあえずそれだけはクリアできたかなと。
杉浦:ぼくも前の年よりかは上にいくよう、昨年が39勝だったのでそれ以上を残せたらと思って。
一応、50勝という目標を置いてやってきました。いまのペースだとなんとか達成できそうかな(笑)
―――毎年拮抗した成績で競っていると、お互いライバル意識が出るんじゃないですか?
杉浦:ほくら同期で競馬学校時代からずっと一緒なんで、あいつも頑張ってるからこっちも頑張ろうとは思います。
田野:まわりから言われ出して…あぁ、そう見られてるんだなって。
杉浦:そう、言われるときはだいたい二人セットですもん。成績も似通ってるし。
これが勝ち鞍が離れてしまっていたらセットで言ってもらえなくなりますもんね(笑)
―――じゃあ、お互いが刺激し合っているわけですね
田野:はい、それはありますね。杉浦がいるから自分の励みになる。
杉浦:身近に同い年のライバルがいることで励みになっているんだと、ぼくも思います。
―――お互いの競馬で相手のいいところ、ここは見習いたいなと思うところはどこですか?
杉浦:田野は全然焦ってなくて、落ち着いて乗っている点は見習いたいなと、いつもそう思って見てます。
田野:いや、ぼくメンタルが弱いんで…全然落ち着いてないよ(笑)杉浦の走りを見てると積極的ですし、
まったく緊張してないのかなと思って羨ましいですね。
杉浦:確かに緊張はしてないかも(笑)