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クローズアップ ホースマン達の勝負に懸ける熱き想い
03 対談杉浦健太×田野豊三

5年目の誓い

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田野:ぼくは(田中)学さんや下原さんからビデオを観ながらいろいろ教えていただきました。
 
杉浦:一度ガタンと下まで落ちて、そのあと一年一年徐々に成績が上がっていきました。
   その後は順調に毎年上がっていけてたんで、そのプロセスの中で徐々になんとか
   やっていけるかなと思うようになりました。去年39勝できて、もし今年成績が落ちたら
   「たまたまか…」と言われるでしょうから絶対に昨年以上の成績を挙げないといけないと
   いう気持ちがありましたね。
 
田野:ぼくも同じで、つねに自信と不安が背中合わせという感じでやってます。
   毎年少しずつ成績が上がっていって、自信のほうも徐々についてきたかなって
   最近思えるようになりました。その意味では去年の34勝という数字は大きかったです。
 
杉浦:だけど勝てそうなレースで勝てないときとか、極端に乗り数が減ったりしたときなんかは
   すぐに不安になります。それで思いどおりのレースができたとき、
   また少し自信を取り戻せたりするんですけど…。

 

ひとつひとつ課題に取り組み次のステージへ

―――ジョッキーを志すきっかけになった憧れの騎手はいますか?

 
杉浦:ぼくは武豊騎手です。小学校の卒業アルバムに「好きな芸能人、武豊」って書いたんです(笑)
 
田野:武豊騎手はぼくも好きでよくテレビで見てました。通っていた乗馬クラブの中に
   何人か騎手をめざしている人がいたこともあって、ぼくもジョッキーを志すようになったんです。
 
杉浦:騎手学校時代に、園田へ実習に来ていたときは木村さんを目標にしていました。
 

―――レースを読む能力にしても、馬の力量比較にしても、二人は年を追うごとに
   力をつけていると思います。今後もっと成長するために課題としていることは?

 

田野:これまで道中の姿勢が悪かったんですけど、今年に入って徐々に改善されたかなと思っています。
   とくに1~2コーナーですね。折り合いのつけ方がうまくいかないのは姿勢から来てるのかなと思って、
   そこを課題に取り組んでいます。
   先輩騎手からは「お前、ラク乗りしてるな」(騎手自身が楽をしているという意味)と指摘されたのが
   きっかけなんです。もっと自分のヒザとヒジに負担をかけて、
   馬に無理させず楽をさせてやるような乗り方を心がけています。
 

杉浦:自分では勝負どころの馬群での進路取りが課題だと思っています。
   馬群の内にもまれて馬込みで詰まらずに、どこを通って抜け出せるか、そのさばき方をしっかり
   身につけたい。勝負どころで馬にブレーキをかけたくないし、いかにスピードを落とさず
   スムースにさばけるか。それが決まったときはめっちゃ気持ちいいんですけど、なかなか難しい…。
   上位の人はそういうの上手にできるので見習いたいですね。
 

―――二人が取り組んでいる課題を聞いていると、これまでとは違うレベル、次のステージに向かって
   いこうという意欲が伝わってきます。

 

杉浦:どんなレースでも積極性をなくしたらダメなんだと思うんです。ぼくもそれを大事にしているし、
   ずっとこのスタイルだけは続けていきたい。
 

田野:いくつもの課題に取り組んで、それをクリアして、変わってゆく自分を見てもらいたいですね。
   馬が動いているかどうかは分からないんですけど、馬の上で自分が動けている、
   馬を動かせている、そういう大胆さもアピールしていきたいです。
 

―――今後めざしたいジョッキー像、目標とする騎手は?

 
田野:ぼくは(田中)学さんです。1~2コーナーの折り合いを重視して馬に負担をかけず、
   さばいていけるジョッキーになりたいです。
 
杉浦:園田でいえば木村さんですね。木村さんは自分から動いて自分でレースをつくれるジョッキー。
   木村さんって、見ている人を楽しませる騎手じゃないですか。すごく存在感がある。
   そういうところが凄いと思う。
 

―――今から5年後、10年目を迎えた自分がどういう騎手になっていたいと思いますか?

 

杉浦:リーディング争いに加わっていたいし、つねに馬券の対象になるようなジョッキーでありたいと
   思います。
 
田野:乗り鞍も増えてくると思うので、いろんな馬のクセを経験して、勝利数を増やしていたいですね。
   年々、上積みが多くなれば自然と上に近づくと思うので、頑張っていきたいと思います。
 

―――二人にはぜひ園田競馬を引っ張るような、自分の名前で人が集まるようなジョッキーに
   なってもらいたいと思います。これからの活躍を期待しています。

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