杉浦:そうですね。これまで騎乗依頼のなかった厩舎からも声がかかるようになりました。
田野:調教の営業も積極的にやってますしね。
杉浦:それは努めてやるようにしてます。
田野:そうですね。まあ、彼の環境が自厩舎以外にも多く乗れるフリーのような立場である
ということもあるでしょうけど。
※地方競馬の騎手は、必ず厩舎に所属しなくてはならない
杉浦:確かに動きやすい環境に先生がしてくれていますね。
田野:期待どおりの結果を出したら率直に褒めてもらえます。これまで厳しい指導があったから、
褒められるとなおさらうれしいですね。こういうレースをしたら勝てるというポイントをレースを
終えた直後に細かく指導してくれます。すごく勉強になります。
―――二人とも今年2月に通算100勝を超えたわけですが、これまでで印象深いレースと言えばどのレースですか?
杉浦:やっぱり初騎乗初勝利ですね。一生に一度しかできないことですし、いつまでも忘れられないレースです。
ホッカイパルニという馬で、逃げ切ったんです。すごく緊張してゲートに入ったのを覚えています。
先生から逃げたらいいと言われていたので、それだけを考えて…。
ゴールの瞬間は「ああ、勝った…」ぐらいの感じで、なんか訳がわからないままゴールしてました(笑)
田野:第1レースに乗って5着でした。
田野:最終の11レースに乗る馬が本命馬だったんで、厩務員さんや関係者の人たちから「これはたぶん勝てるで」と
言われていたんです。だから最終レースまでに経験を積んでレース慣れをしておこうという気持ちで乗ってました。
1レースで逃げたときは、後ろで脚をためていた馬に直線で内をすくわれて勝たれました。
それがあったので8レースでは、逆に自分がすくってやろうと思い、なぜだかうまくいって勝てたんです。
それで最終レースを迎えるときにはだいぶ気分が落ち着いていましたね。
杉浦:いや、まだまだ自信なんてとんでもないです。1年目に21勝を挙げられて、
ちょっと出来すぎかなという思いがありました。それで減量がとれて一度ガタンと成績が落ちてしまって…。
あのときは悩みました。それでいろんな先輩ジョッキーのビデオを見たり、話を聞いたりして、
なんとか気持ちを立て直そうとしました。ぼくは木村さんにいろいろアドバイスしてもらいました。
一緒にビデオをみるときは、細かいところをあれこれ教えてもらっています。
※兵庫県競馬では、通算20勝で減量の恩恵がなくなる。