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重賞レースデータ 竹之上編集長によるデータ戦略

第16回兵庫チャンピオンシップ:出馬表

編集長の見解

 過去10年、JRA勢が全勝。2着9回。つまりワン・ツーフィニッシュが9回。3着までの独占が6回もあり、ここ3年に至っては5着まですべてJRA馬が占めている。今年も優秀なメンバーが揃い、また掲示板独占かと諦めていたら、なんと地元の雄、7戦7勝のインディウムがまさかの緊急参戦!!無敗で『兵庫ダービー』を制することにこだわり、100%回避だろうと思われていました。これで当日の園田競馬場は俄然活気づきます!!

 それでもJRA勢優勢は変わりないところ。中でもダート3勝のクロスクリーガーが最有力。出ればすべて馬券に絡んでいる『ヒヤシンスS』組。その後にこれまた信頼度の高い『伏竜ステークス』を使っているというテッパンローテ。スタートセンスも良く、小回りも難なくこなしそう。鞍上が園田を知り尽す岩田騎手であるのも心強い。恐らく1番人気になると思われ、データ面からマイナス材料を見いだせない。中心視が妥当。

 『伏竜ステークス』で2、3着だった2頭も当然有力視。リアファルはただ一頭クロスクリーガーに迫って最後はクビ差だった。枠の内外の差があって、道中のポジション取りが勝ち馬と比べると悪かった。今回枠は逆の形となり、小回りだけに逆転の目も見えてくる。馬体重が重い方が結果を残しているデータも後押しする。タンジブルは3馬身半もリアファルに突き放されたが、スタートで後手に回ってしまい、向正面から長く脚を使ったのが響いた。元来スタートは良く、差を詰めるシーンは十分に考えられる。

 ノーブルヴィーナスは芝からの参戦。そう悪くない成績だが、年内未勝利というデータで弾かれてしまいそう…。ダートは2戦2勝だが、いずれも1200m。初距離は有利には働かないだろう。繰り上がりのポムフィリアは、前走勝って臨戦というのは強調できる。ただこの馬も勝ったレースがいずれも1200m。終始後方からレースを進めるタイプで、小回りの園田で1番枠を捌くのに苦労しそう。

 地方他地区に成績的に優秀な馬の参戦はなく、期待は自ずと地元馬に。その中でも、やはりインディウムに注目が集まる。過去10年で3着以内に入線した兵庫県馬は4頭。それらの成績は5勝以上(3頭)、もしくは重賞勝ち(3頭)。7戦7勝で重賞2勝、その条件にいずれも当てはまるインディウム。久々に期待が高まる馬の参戦。ここも勝って、予定通りに無敗のダービー馬へ王手をかけるか!?

第16回兵庫チャンピオンシップ:過去10年の成績

宮垣優トラックマン(専門紙・競馬キンキ)のJRA馬診断!!

【出走予定馬】

クロスクリーガー
ダート成績は4戦して3勝3着1回。2走前のヒヤシンスSは3着だったが、現状の3歳ダート戦線のトッ
プクラスが集まった高レベルの一戦だったことを考えると悲観する内容ではない。前走の伏竜Sでは好スタ
ートから番手に取り付き、4角過ぎで先頭に立ってそのまま押し切り勝ち。最後は2着馬に迫られたが、最
後まで抜かせない勝負根性を見せていた。今回登録のJRA所属馬の中で唯一の3勝馬。実績的にも能力的
にも最上位。
タンジブル
デビューからずっとダートの1800m戦を使われており、戦績は6戦2勝2着2回3着2回と複勝率は100%
と安定感は抜群。デビュー当初は先行する競馬をしていたが、2走前は3コーナー手前から一気捲り、前走
も3コーナーから進出して長くいい脚を使うなど脚質に幅がある。地方の小回りコースも器用に立ち回れそ
う。
ノーブルヴィーナス
近走は芝のレースを使われているが、ダートは2戦2勝とパーフェクト。兄にエーシンビートロンがいる血
統なのでやはりダートの方が適正が高い感じがする。しかし、勝ち鞍はどちらも1200m戦。前走のフィリ
ーズレビュー(阪神芝1400m)から一気に距離が延長されるので距離適正が最大のポイントになってくるだ
ろう。
リアファル
デビューから4戦2勝2着1回と安定した成績。唯一崩れた3走前もスタートで後手を踏み後方からのレー
スになってしまったことが最後まで響いた感じ。それでも最後は伸びてきていた。前走の伏竜Sは勝ったク
ロスクリーガーに最後まで詰め寄っていた。兄に昨年のジャパンダートダービーや先日のダイオライト記念
など重賞3勝しているクリソライトがいる血統で将来的にも楽しみな一頭。
ポムフィリア
牝馬らしく切れ味鋭い末脚で追い込んでくる馬。どんな展開でも確実にいい脚で追い込んでくるが勝利して
いる距離がすべて1200m戦。差し届きにくい地方の小回りコースと距離延長がカギになる。
傾向と対策









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