【西日本交流重賞】

第20回兵庫クイーンカップ(重賞Ⅰ)

レース結果

第18回 兵庫クイーンカップ(勝ち馬:シーアフェアリー)

第18回 兵庫クイーンカップ写真

レース概要

昨年から西日本交流となった『兵庫クイーンカップ』が行われ、1番人気に支持された名古屋競馬のシーアフェアリー(牝6・安部幸夫厩舎)がその人気に応えて優勝。夏の『兵庫サマークイーン賞』に続いて、兵庫での重賞連勝を果たした。騎乗した岡部誠騎手は通算7度目の兵庫重賞制覇。管理する安部幸夫調教師は2勝目の重賞制覇となった。

モハーやゴールドメファが若干遅れたが、ほぼ揃ったスタート。絶好のスタートを切ったのはナナカマドカだったが、ダッシュを利かせてエスケイエンジェルがハナに立った。1番人気のシーアフェアリーが2番手まで押し上げた。トゥルスウィー、ナナカマドカなどが続いた。昨年2着のカリブメーカーはいつもよりも前のポジション。昨年3着のユウキラフェールは中団に取り付いた。2週目の3コーナー付近では逃げていたエスケイエンジェルが失速。シーアフェアリーが早々と先頭に躍り出た。向正面から一気に動いたユウキラフェールが急接近。好位の内で脚を溜めていたカリブメーカーも満を持して直線で追い上げる。それでも地力に勝るシーアフェアリーが最後は一杯になりなりながらもしぶとく粘って優勝。昨年同様、カリブメーカーが2着、ユウキラフェールが3着という結果となった。

シーアフェアリーにとって、2度目の重賞勝利となった。名古屋の名手、岡部誠騎手のは兵庫での7勝目のタイトル獲得。騎手としても園田遠征で活躍した安部幸夫調教師は、シーアフェアリーとともに園田で重賞2勝目。来年に向けても参戦の意欲を示した。

レース結果

第17回 兵庫クイーンカップ(勝ち馬:マコトパパヴェロ)

第17回 兵庫クイーンカップ写真

レース概要

今年のナイター競馬のフィナーレを飾る重賞『第17回 兵庫クイーンカップ』が行われ、3番人気のマコトパパヴェロが好スタートからハナを奪いそのまま逃げ切り勝ち。同馬にとっては初の重賞制覇となった。管理する木村健調教師は、開業3年目で初めて重賞タイトルを手にした。騎乗した田中学騎手は通算56勝目のタイトルとなった。

大外枠を引いた逃げ馬エーシンテースティがスタートが決まらず後方からとなる波乱のスタート。好スタートを決めたマコトパパヴェロがすかさずハナを奪う。2番手にはウェーブビクトリー、3番手にナラ、4番手にアンシンカブルと遠征勢が固める。1番人気のユウキラフェールは5、6番手の内側で、若干折り合いに苦労する形となった。佐賀の三冠馬スーパージンガは中団からの競馬に。距離不安がささやかれていたマコトパパヴェロは、ハナを切る形で逆に落ち着き、快調にペースを作る。直線に向いて突き放すマコトパパヴェロ。2番手争いは横一線。ようやく追い上げるユウキラフェール。さらに外からカリブメーカー。最後は2馬身半差でマコトパパヴェロが勝利!2着争いはカリブメーカーが制し、ユウキラフェールが3着に。

してやったりの逃げ切り勝ちを収めた田中学騎手。ウイニングランでファンの声援に応える。かつてリーディングを争った木村調教師と田中学騎手の最強タッグでタイトル奪取!開業3年目、木村健調教師にとって、嬉しい重賞初制覇となった。距離も克服し、進化を示すマコトパパヴェロに今後も注目だ!

レース結果

第16回 兵庫クイーンカップ(勝ち馬:ヤマミダンス)

第16回 兵庫クイーンカップ写真

レース概要

11月8日、今年のナイター競馬の掉尾を飾る重賞『兵庫クイーンカップ』が行われ、金沢からの遠征馬ヤマミダンスが2番手から抜け出し快勝。通算8勝目の重賞タイトルを手にした。管理する中川雅之調教師、騎乗した中島龍也ともに兵庫での初重賞制覇。同レースでは6年ぶりに他地区馬の勝利となった。

各馬揃った飛び出し!スターレーンが抜け出し、ヤマミダンスが2番手につける。2番人気のスターリングブルスが3番手、1番人気のエイシンミノアカは中団からレースを進める。前の2頭が後続を突き放す3コーナー、中団から懸命に差を詰めるエイシンミノアカ。直線で抜け出したのはヤマミダンス!それを追ってスターリングブルスが2番手に上がる。ようやく3番手争いに加わってきたエイシンミノアカ。しかし3馬身差でヤマミダンスが余裕の勝利でゴールを迎えた。

2、3歳時の輝きを取り戻したヤマミダンス。早い段階で勝利を確信できたと語る金沢のホープ中島龍也騎手。最後はSKNフラッシュ8揃い踏みで記念撮影♪

レース結果

第15回 兵庫クイーンカップ(勝ち馬:ナナヨンハーバー)

第15回 兵庫クイーンカップ写真

レース概要

第15回『兵庫クイーンカップ』は、3番人気のナナヨンハーバーが豪快に差し切って優勝。同馬にとって嬉しい重賞初制覇となった。騎乗した吉村騎手は今年の4勝目で通算14勝目の重賞タイトル。管理する飯田調教師は、2度目の重賞制覇となった。

スタートで大本命サムライドライブがまさかの出遅れ!ハナは地元のシーズアレインボー、2番人気のスターレーンが2番手に付ける。3番人気のナナヨンハーバーは中団よりも後ろの位置取りで脚を溜める。2周目に入ってもサムライドライブは追い上げられず後方のまま。3コーナーで仕掛けたナナヨンハーバーがポジションを上げて行く。4コーナーで先頭に立ったナナヨンハーバー、サムライドライブはまだ後方でもがいている。スターレーンとラミアカーサが2番手争いに。最後は5馬身差で圧勝となったナナヨンハーバー、悲願の初タイトルを獲得した!

吉村騎手は今年4勝目の重賞勝ち、「3コーナーで勝てると思いました」と早い段階で勝利を確信していた。

オーナーは同馬を繁殖に上げるための引退レースとして出走させたが、圧勝劇に現役続行の可能性も膨らんできた。

レース結果

第14回 兵庫クイーンカップ(勝ち馬:タガノトリオンフ)

第14回 兵庫クイーンカップ写真

レース概要

牝馬重賞『兵庫クイーンカップ』が11月9日に行われ、前年の覇者タガノトリオンフが断然の人気に応えて5馬身差で圧勝。同レース連覇を達成した。騎乗した下原理騎手は、重賞は通算46勝目。同レースは3連覇。管理する新子雅司調教師は15勝目のタイトル獲得。同レースは2年連続制覇。また下原騎手、新子師ともにリーディングを独走しながら、今年は重賞初制覇となった。

そもそもオープン格付けなのが、前年の覇者タガノトリオンフのみで、遠征馬も条件馬が多く、俄然連覇濃厚で一強ムードが高まる。最終的には単勝1.1倍となったタガノトリオンフが断然の支持を得た。2番人気は3歳馬のスターレーン。春は遠征の疲れから馬体減りが目立ち、その後は十分休養に充てた。休み明けは古馬のB1で3着だったが、馬体を戻して立て直しに成功。将来性も買われて期待を寄せられた。3番人気はオープン経験もあるユウキエナージー。笠松のベルボームは条件馬ながら、スピードを期待され4番人気に続いた。スタートダッシュを決めたのはタガノトリオンフ。「(逃げると思われたベルボームが)となりで躓いたのが見えたので、思い切って(ハナに)行こうと思いました」と鞍上の下原騎手。最初のコーナーを先頭で迎えた時点で、ほぼ勝負は決まっていた。2番手にピッタリマークするのがスターレーン。3番手に名古屋のラモントルドール。モズキンボシが4番手でモンドリュミエールが5番手。逃げられなかったベルボームは中団から。ユウキエナージーや、重賞でも実績のあるアルカナは後方待機策をとった。スローの上がり勝負に強いタガノトリオンフは、他馬を十分引き付けて自分のペースに持ち込む。実力のあるオープン馬なら、このペースを嫌って早めに仕掛けられるだろうが、格上挑戦の各馬には動いて行く脚がない。向正面から後ろで動きが見られるが、タガノトリオンフは素知らぬ顔で3コーナーを迎える。このときに「もう大丈夫かな」と下原騎手は勝利を確信していた。4コーナー手前で追い出すと、2番手以下をあっさり突き放してしまう。マークしていたスターレーンは懸命に追って行くが置き去りにされてしまった。代わって2番手に押し上げたのがモンドリュミエール。そして後方待機策のユウキエナージーとアルカナが追い込んで来るが、2着争いの中に加わるのが精一杯。それを尻目に悠々と独走するタガノトリオンフが、最後は5馬身の差を付けて圧勝。見事連覇を達成した。2着にユウキエナージー。道中は馬群に包まれ、得意のマクリ脚を使えなかったが、地力でなんとか勝ち馬以外を捌いた。3着のアルカナはお終い勝負に懸けるいつものスタイル。不安視された1700mでも好走したが、やはり速い流れの短距離戦の方が持ち味が活きる。2番人気のスターレーンは6着に沈んだ。ただ、強豪にピッタリ寄り添うような正攻法のレースぶりは立派で、今後に必ず繋がるだろう。巻き返しを期待したい。タガノトリオンフは入線後、力を抜いたところで自ら躓き歩様を乱した。異常を感じ、下原騎手はすぐさま下馬をした。診断では骨に異常はなく、軽い捻挫だということが伝えられ、関係者やファンもホッと胸を撫で下ろした。ゆっくり休養をとり、来春に復帰の予定ということだ。

「唯一の不安材料は、ぼくが今年重賞に勝っていないことだけ」とおどけて言った下原騎手。ただ、断然人気馬を力通り勝たせるには相当なプレッシャーがあったという。「竹之上さんが(兵庫ゴールドカップの)実況で重賞を勝っていない下原って言ってたのが一番のプレッシャーでした」とインタビュアーにチクリとひと刺ししたが、しっかり期待に応えて重賞を勝ち、わたしの言葉をただの悪口にさせなかった辺りがさすがのトップジョッキーだ。

レース結果

第13回 兵庫クイーンカップ(勝ち馬:タガノトリオンフ)

第13回 兵庫クイーンカップ写真

レース概要

11月10日、牝馬限定『兵庫クイーンカップ』は2番人気のタガノトリオンフが優勝して、自身初の重賞制覇を成し遂げた。騎乗した下原騎手は今年はなんと7勝目の重賞勝ちで通算45勝目。管理する新子調教師も今年の7勝目で、通算14勝目のタイトル獲得となった。実績面、状態面からもトーコーヴィーナスで仕方がないと思われていた『兵庫クイーンカップ』は、まさかの結果となった。

好スタートを切ったトーコーヴィーナスが注文通りハナに立つ。そこへ並びかけたのは12番人気のサンジョ(笠松)だった。これを見てタガノトリオンフの下原騎手は「(力を認める相手でも)さすがに楽逃げにはさせたくなかったので、2番手でマークしに行きました」とピッタリ寄り添います。ペースも決して速いわけではなく、逃げ馬にとってそれほど苦しい展開とは思えませんでした。それでも勝負どころの3コーナー付近の手応えは、完全にタガノトリオンフがまさっていました。「それでも(トーコーは)手応えないところからまた来るので気を抜かずに行きました」と自身の手応えには自信を持ちながらも、相手への警戒も怠りません。迎えた直線ではタガノトリオンフが堂々と抜け出して行きます。食い下がるトーコーヴィーナスでしたが、完全に突き放されてしまう。最後は2馬身半差をつけてタガノトリオンフが快勝!下原騎手は渾身のガッツポーズでゴールの瞬間を迎えました。「もう大丈夫だろうと思って出てしまいました(笑)。今回は気楽な立場で乗れたのも良かったんだと思います。それと新子先生が強気なコメントをしていたので信じて乗りました」終わってみればリーディングコンビだったか――。というのは、もう当たり前になりすぎて、レース前に口に出してしまうほどになっている。それほどまでにこのコンビで勝ちまくっているのだ。

さて、誰もが勝利を疑わなかったトーコーヴィーナスだったが、まさかの敗戦を喫してしまった。ところが、陣営は想定内だったようだ。管理する吉行調教師は「この馬は園田でレースをするときは気を抜いてしまうところがある。相手のペースに合わせてしまうところがあって、力を発揮しない。だから他地区で強いメンバーとやったら気を抜かずにいいレースができる」とのこと。実際に前走の『レディプレリュード(JpnⅡ)』では、ジーワン馬のホワイトフーガと同着の2着だった。吉行師の言葉通りなら、次走の『クイーン賞(JpnⅢ)』(船橋・1800m)で実力発揮なるのであろう。うん、その言葉を信じよう!

レース結果

第12回 兵庫クイーンカップ(勝ち馬:エーシンサルサ)

第12回 兵庫クイーンカップ写真

レース概要

秋の女王決定戦『兵庫クイーンカップ』は、夏の『兵庫サマークイーン賞』でも女王に輝いたエーシンサルサが、秋も快勝!両レースの同年制覇は、2012年のロッソトウショウ(金沢)以来2頭目。重賞は通算5勝目となった。管理する橋本忠男調教師は同レースは4年ぶり2度目の制覇で、重賞48勝目。騎乗した下原騎手は重賞ハンターの異名を取るが、意外にも今年の初重賞勝ち。同レースも初制覇で、通算では37勝目。交流重賞が盛り上がる条件は、他地区の馬が強いこと。地元馬との対決姿勢が高まり、応援にも熱が入る。金沢から3頭、名古屋から2頭が参戦。中でも金沢の先行馬2頭がなかなかの実力。セイカフォルトゥナ(3番人気)はJRA在籍時に1000万クラスを勝利。準オープンでもハナを切るほどのスピードが武器。金沢に移籍初戦となった前走は惨敗。ただ、スタートで後手に回ってしまったことが敗因で、度外視できる。エトワールドロゼ(5番人気)は、8月の『読売レディス杯』(金沢)で今回2番人気に支持されたリノワール以下を封じ込めている。生粋の金沢っ子で、過去23戦して掲示板をハズしたのはたった4回という堅実派。迎え撃つ地元勢は、エーシンサルサが1番人気。夏の『兵庫サマークイーン賞』を連覇して、秋の女王も狙う。2番人気リノワールは積極的な遠征で力を付け、地元でタイトル奪取に期待がかかる。4番人気はトーコーニーケ。昨年の代表馬がようやく上昇ムード。復権を懸け、陣営は万全の仕上げで臨む。昨年1番人気で5着に敗れたオーケストラピットが、一年経って立派なオープン馬に成長を遂げた。

抜群のスタートはエーシンサルサだ。しかし、先行馬が揃った今回のメンバーではハナに立てず、結局6番手まで下げる。気がかりだったスタートを無難に決めたセイカフォルトゥナがダッシュを利かせて先頭に立つ。外からエトワールドロゼが2番手に上がって、金沢勢がペースを握ろうとする。そこへ地元馬で唯一割って入ったのがスマイルヴィジット。3頭ひしめき合ったが、エトワールが控えて3番手に。トーコーニーケは絶好位の4番手のインコース。末脚にかけるリノワールは中団の後ろ。昨年3着だったアランロド(7番人気)はもっと前での競馬を試みたが、他馬が思った以上に速く、結局いつものように後方待機。オーケストラピットは最後方のからの競馬となった。この日の馬場は完全に前が有利。逃げた馬はここまで9レース消化して、全て連対していた。ハナは奪ったセイカフォルトゥナには有利な馬場だが、やや速い流れ。それをつつく格好で並びかけて来たのがトーコーニーケ。相手を潰して、自らは抜け出そうとする積極的に勝ちに行くレースぶり。この間に徐々に差を詰めるエーシンサルサ。リノワールも一緒になって上がって行く。しぶとく粘るセイカフォルトゥナに、迫って行くトーコーニーケだったが、直線に入ってその末脚が鈍る。リノワールも追い上げる脚の勢いが失せる。ここで、エーシンサルサが溜めていた末脚を爆発させる!さらに外からは、一旦最後方に下がったアランロドが伸び脚を発揮する。粘るセイカを最後の最後、クビ差捉えてエーシンサルサが差し切り優勝。逃げたセイカが2着を確保し、鋭い差し脚を見せたアランロドが昨年に続いて3着となった。4着は格下からの挑戦、アグネスチャンスが食い込んだ。これは馬場の内を終始ロスなく立ち回ったのが功を奏した。ニシノイーグルが5着だったが、復活と言えるほどの内容ではなかった。オーケストラピットは、良いところなく6着。逃げ馬をつついたトーコーニーケは7着に沈んだ。

エーシンサルサは、これで重賞5勝目。牝馬限定戦は4勝目。牡馬相手に勝ったのは一度だけだが、その昨年の『摂津盃』が57kgのトップハンデを背負いながら、6馬身差をつけるほど、べらぼうに強かった。そのころと比べると、まだ物足りない気がするが、それでも最後の末脚は際立っていた。次は12月3日の『園田金盃』(ファン投票&記者選抜)になるが、暮れの大一番で牡馬をも蹴散らし、真の王者となることができるかどうかに注目が集まりそうだ。このレースの2日前に亡くなったタガノジンガロとの対戦が楽しみだったが、残念だが夢と消えた。ジンガロの分まで、これからの園田を盛り上げてもらおう。

昨年の結果

第11回 兵庫クイーンカップ(勝ち馬:ラヴフェアリー)

第11回 兵庫クイーンカップ

レース概要

北陸・東海・近畿地区の秋の女王決定戦『兵庫クイーンカップ』は、地元馬ラヴフェアリーが堅実駆けからの脱却で見事に勝利。同馬にとっての初重賞制覇を成し遂げました。
管理する野田忍調教師は9年ぶり2度目のタイトルゲット。騎乗した松浦政宏騎手は14勝目の重賞勝ちとなりました。春から夏にかけて圧倒的な強さを発揮したエーシンサルサが休養に入り、 ダートグレード戦線で活躍する名古屋のピッチシフターは『JBCレディスクラシック』へ向かった。出てくれば本命候補だった各馬の参戦がなくなり、混戦模様の女王決定戦。そんな中、 1番人気に支持されたのはオーケストラピット。オープンへの格上挑戦でも、強烈なマクリで4連勝した内容は圧巻で、好レースを期待させるものがある。2番人気はエーシンスパイシー。 8連勝で臨んだA2クラス(準オープン)で一度壁にぶち当たる。しかし、休みを挟んでA2、A1(オープン)と連勝。スケールアップしてこの秋を迎えていました。

昨年の覇者、笠松のタッチデュールが3番人気。その勝利から更に4勝を積み重ねるも、消化したレースは26戦。加えて大井、盛岡を経ての遠征にはさすがに上がり目を感じづらい状況でした。 結果を言えばこの3頭は4、5、6着となって、伏兵視されていた3頭が上位を固めることに。勝ったラヴフェアリー(6番人気)は後ろから4番手のポジションでレースを進め、向正面で早めの 進出に出る。「スローペースだったので早めに動いて行こうと思いました」と松浦政宏騎手。このときその後ろにいたオーケストラピットも動いて行くが付いて行けない。

ここがオープンとの違いか!マクリ切ることができず5、6番手まで押し上げるのがやっとの状況。逃げていたエーシンスパイシーを3番手でマークしていたデンコウチャレンジ(4番人気)は、 ラヴフェアリーが動いたことで待つか行くかの判断を迫られる。鞍上の田野騎手は外からの追い上げにタイミングを合わせて行きながら、一旦呼吸を置いて少し待ったような動き。 レース後「行き切った方が良かったかなぁ…」と呟きながら何度も何度もリプレイを観ていた若者に、明るい未来を感じられた。

直線で抜けたデンコウに、「コーナーでは置かれるんよ」と野田忍調教師が言うように、一度突き放されていたラヴフェアリー。再びエンジンに火が灯ったかのように、もうひと伸びを見せる。 ゴールでは4分の3馬身だけ抜け出して、嬉しい初タイトルとなったのです。中団からソツなく内をすくって差を詰めたアランロド(7番人気)が3着に。大健闘の内容にも「いやぁ、悔しい…。 直線は外に出したらもっと伸びるのは分かってたんですけど、最後は内しかなくて…」と振り返る40歳で再デビューした宮下騎手の表情は、勝負師そのもの。
本当に11年ものブランクがあったのか!?記念撮影では同厩舎のアランロドも加わる異例の2頭の口取り。関係者には堪えらない喜びとなったことでしょう。

4着のエーシンスパイシーはスタート前に、ゲートをこじ開けて飛び出してしまった。馬体には影響なかったものの精神的に何かを狂わせたかも知れない。5着のオーケストラピットは オープンの壁を痛感しただろうけど、最後の末脚は見事で次は躍進が期待できるでしょう。6着のタッチデュールは、やっぱり使いすぎだよなぁと思わせる。力はあるのに…。