第14回 兵庫サマークイーン賞(勝ち馬:シーアフェアリー)
今年のナイター競馬での最初の重賞、第14回『兵庫サマークイーン賞』が行われ、名古屋からの遠征馬シーアフェアリーが早め先頭から押し切る堂々としたレースぶりで優勝。同馬にとって初の重賞制覇となった。騎乗した岡部誠騎手は兵庫重賞6勝目。管理する安部幸夫調教師は、兵庫での初重賞制覇となった。
ステラモナークがダッシュを利かせてハナへ。ラインカリーナは好位3番手に。出遅れたジェネラルエリアが先頭に並びかけ、ステラモナークは苦しい展開に。ユウキラフェールが4番手、シーアフェアリーがは5番手を追走。サルサレイア後方グループ。ロカマドールは最後方からレースを進めた。3コーナー手前で、シーアフェアリーが外に持ち出し先頭に接近。2週目の3コーナーでは先頭を奪い、シーアフェアリーは4コーナーを迎える。馬場の内で行き場を失った1番人気のラインカリーナは、追い出しで後手に回ってしまう。シーアフェアリーが直線もしっかりと脚色でゴールを目指す。ようやく追い上げて来たラインカリーナが一完歩ずつ差を詰める。しかし、最後は半馬身差でシーアフェアリーが振り切り優勝。ラインカリーナは2着。サルサレイアが直線でなんとか3着を確保。最後方からのロカマドールが4着。地元馬は5着のカリブメーカーが最先着だった。
9番人気の低評価を覆して、鮮やかな勝利だった。岡部誠騎手は同レース10年ぶり2度目の制覇。兵庫の重賞は6勝目となった。安部幸夫調教師は、兵庫の重賞初制覇となった。6歳にして重賞初制覇。しかも南関東の強豪を破っての見事な勝利。グランダムジャパンでの今後の活躍も楽しみだ。
第13回 兵庫サマークイーン賞(勝ち馬:エイシンセラード)
『兵庫サマークイーン賞』が行われ、4番人気の地元馬エイシンセラードが逃げ切って優勝!重賞初制覇を成し遂げた。管理する橋本忠明調教師にとって、今年の4勝目となる重賞勝ち。通算では23勝目。そして、この日は師の誕生日で、嬉しいバースデーWinとなった。騎乗した田中学騎手は、1年ぶりの重賞勝ち。通算では54勝目の重賞タイトルとなった。
注目されたスタートは断然人気のクレイジーアクセルがまさかの出遅れ…。逃げると思われていた有力馬が後方となり反乱の幕開け。逆に好スタートを決めたエイシンセラードがハナを奪う。笠松のヴィクトアリーが2番手、ガレットショコラが3番手。六甲盃勝ち馬のアッキーが4番手。ジェッシージェニーは中団。クレイジーアクセルはポツンと置かれて最後方から。良いペースに持ち込んだエイシンセラードが悠々と先頭。雨の影響で馬場が軽くなり、前の各馬が有利な状態に。後続各馬がなかなか追い上げられない展開。直線に向いて突き放すエイシンセラード。ヴィクトアリーとガレットショコラが熾烈な2番手争いを演じる。クレイジーアクセルがようやく追い込むがまだ中団。最後は3馬身の差をつけてエイシンセラードが優勝。
エイシンセラードは重賞初制覇を飾った。2着はヴィクトアリーがしぶとく粘り、ガレットショコラは重賞初挑戦で3着と健闘。アッキーが4着、クレイジーアクセルは5着まで追い上げるのが精一杯だった。田中学騎手は重賞54勝目。意外にも1年ぶりの重賞勝ち。橋本忠明調教師はこの日が44歳の誕生日。嬉しいバースデーWinとなった。次走は8月18日の『読売レディス杯』(金沢競馬場・1500m)を目標に仕上げられていく予定。
第12回 兵庫サマークイーン賞(勝ち馬:エイシンエール)
今年もナイター競馬で行われた『第12回兵庫サマークイーン賞』は、3番人気のエイシンエールが、スタートで大きく立ち遅れながら、ゴール寸前で差し切 り、劇的な勝利を手にした。同馬は園田生え抜き馬で、14戦10勝。重賞は初制覇となった。管理する渡瀬寛彰調教師は、これが重賞2勝目で、園田での重賞 は初めて。騎乗した田中学騎手は同レース10年ぶり2度目の制覇で、通算52勝目のタイトルとなった。
エイシンエールが出遅れ…、ポツンと最後方からとなったエイシンエール。ヴェルジェーズが逃げ、船橋のオルキスリアンが2番手を追走。4連覇を目指す高知のディアマルコが3番手につけた。昨年2着で、今年は1番人気に支持された大井のステップオブダンスは後方2、3番手となった。勝負どころの3コーナーでステップオブダンスが動く。それにディアマルコらも呼応する。一旦後れを取ったオルキスリアンが盛り返し、外からは中団にいたエイシンミノアカが追い上げる!その間、道中ロスなく追走し、忍び寄ってきたのがエイシンエール!早め先頭に立ったステップオブダンスは脚が上がってしまう。残り100mでオルキスリアンが先頭に立つが、内からするするとエイシンエールが詰め寄る!内から鮮やかに差し切るエイシンエール。あの致命的な不利を乗り越えての重賞初制覇となった。
「馬に助けられました」と謙遜するベテラン田中学騎手だが、出遅れてからのリカバーが絶妙で完璧だった。兵庫生え抜きでデビューから6連勝した素質馬エイシンエール。重賞制覇からその第2章が始まる。
第11回 兵庫サマークイーン賞(勝ち馬:ディアマルコ)
真夏の女王決定戦『兵庫サマークイーン賞』は、高知のディアマルコによる3連覇の偉業で幕を閉じた。同馬は通算8勝目の重賞タイトル。そのうち4勝を、園田で挙げている(同レース3連覇の他に16年のじぎく賞)。
管理する那俄性哲也調教師は、園田FCスプリントに続く重賞制覇。兵庫重賞は5勝目。騎乗した佐原秀泰騎手は兵庫の重賞4勝目となった。
抜群のスタートを決めたのはディアマルコ、しかし、トーコーヴィーナスが二の脚をきかせてハナを叩く。ステップオブダンスが3番につけ、アクアレジーナは好位。ナナヨンハーバーは後方で脚を溜める展開に。トーコーヴィーナスの後ろは遠征勢が固めた。実績最上位のトーコーヴィーナスがここまでは先頭を保つものの、向正面半ばでディアマルコが前を捉えてあっさり抜け出す。「きょうは自分から勝ち行く強い競馬でした」と佐原騎手が振り返ったように鋭い反応を見せて先頭に躍り出た。直線に向いても脚色が鈍らないディアマルコ、2番手にステップオブダンスが上がるが、この時点で大勢が決していた。突き放して5馬身差で勝利をアピールし、ゴール。兵庫競馬にサラブレッド導入後、初の同一重賞3連覇達成!(アラブ時代のフェイトスター[95~97年摂津盃]以来)。「前回(園田FCS)は同着だったのでできませんでしたから」と3連覇をアピールしながらウイニングランをする佐原騎手。インタビューでは、「できれば4連覇を狙いたいです」と力強くアピール。
第10回 兵庫サマークイーン賞(勝ち馬:ディアマルコ)
第10回目となった今年の『兵庫サマークイーン賞』は、昨年の勝ち馬ディアマルコ(高知)が今年も優勝。見事に同レース連覇達成です。同馬にとっての重賞6勝目。管理する那俄性哲也調教師は兵庫で3度目の重賞勝ち(いずれもディアマルコ)。初コンビを組んだ永森大智騎手は、高知で初重賞制覇となりました。遠征馬が強力だ!というのが今年のメンバーの印象。昨年の覇者、高知のディアマルコが連覇を懸けて再来。元兵庫所属で、現在は南関東でオープンを張るプリンセスバリュー。去年は重賞6勝を挙げ、佐賀のダービー馬に輝いたドンプリムローズ。今年の『のじぎく賞』を豪快に差し切ったアペリラルビー。南関東で中堅クラスでスピードを磨くマテリアメディカというラインナップ。迎え撃つ兵庫勢は旗頭になるはずだったトーコーヴィーナスが、前走の疲れなどがあり回避が決定。昨年3着だったタガノトリオンフが地元の筆頭候補。しかし、それ以外は格下からの挑戦が多くあり、力量的に厳しいと言わざるを得なかった。当然、最初の印象通り遠征馬が上位を独占しそうだ…。
スタートは全馬遅れることなくきれいに揃った。その中から抜け出して行ったのがディアマルコだった。「最低でも2番手と思っていましたけど、自分のペースでハナに行けそうだったので行きました」と永森騎手。プリンセスバリューが2番手に取り付き、タガノトリオンフは3番手のインコースを進む。ドンプリムローズ、マテリアメディカと好位を形成。アペリラルビーは例によって後方待機策をとった。ディアマルコの逃げで、淀みなくレースは流れて行く。当面の相手とされる各馬が好位でマークスするなか、マイペースで運んで行く。残り800を切ったあたりから、ドンプリムローズがフェイントをかけるように前に並びかける。それに応じてペースが速まり、タガノトリオンフが若干遅れをとってしまう。3コーナーではディアマルコがさらにペースアップ、ここでフェイントを仕掛けたドンプリムローズが後退。プリンセスバリューが2番手のまま食い下がる。マテリアメディカが3番手に上がり、タガノトリオンフは4番手に下がってしまった。直線に向いて、完全に他地区の各馬の上位独占態勢。逃げるディアマルコがさらに突き放して、連覇へ向かってひた走る。マテリアメディカが内から迫って来たが、プリンセスバリューもしぶとさを発揮して2番手を死守。それを尻目に、3馬身の差をつけ、昨年以上の強さでディアマルコの逃げ切り勝ち。見事に連覇を達成してみせた。なお、4着には後方から追い上げたアペリラルビーが食い込み、遠征馬の4着まで独占となってしまった。地元最先着はタガノトリオンフの5着に終わった。
ディアマルコと永森大智騎手は今回が初コンビだった。当初、佐原騎手負傷のため、田中学騎手このレースで騎乗する予定だった。そのために前走は高知遠征してまで手綱を取っていた。ところが田中騎手にトーコーヴィーナスへの騎乗が舞い込み、泣く泣く騎乗を断ることになり、永森騎手が騎乗することになったという経緯。しかし、そのトーコーヴィーナスの直前の回避で、田中騎手は船橋のマテリアメディカに騎乗するという妙な展開になった。ただ、この展開は万事円満に進んだととのこと。「佐原さんにアドバイスをしてもらっていましたが、思った以上にしんどい馬でした(笑)。こちらが指示するまで、馬がリラックスをしすぎるというか…」と反応は決して良くないのだという。「(リラックスしている分)無駄な力みのないところがこの馬のセールスポイントになるんですね。これだけ強い馬に騎乗させていただいて関係者の皆さまに感謝しています」さすが、いまや押しも押されもせぬ高知のトップジョッキー、受け答えも如才がない。意外にも園田の重賞では初勝利で、その金ナイターでも初勝利となった。「思ったより乗りやすいですね」と印象を語った。同馬はこれで、園田で4戦3勝2着1回。もちろん高知でも強いが、園田での強さは格別だ。地方他地区の馬が3着まで独占だった5月の『のじぎく賞』は、兵庫のサラブレッド史上初の出来事だった。今回はそれを上回る4着まで独占…。しかし、他地区から強い馬が来るとワクワクさせられる。遠征馬が弱いと面白みに欠ける。近年は兵庫の馬も他地区で大活躍し、ワン・ツーフィニッシュを何度も決めている。交流が盛んな時代になったのだから、当然とも言えることかも知れない。園田巧者が、他地区の馬であって不思議ではない。兵庫勢の中にも高知巧者、大井巧者、左回り巧者、芝巧者が眠っていると思えばいい。
第9回 兵庫サマークイーン賞(勝ち馬:ディアマルコ)
『GRANDAME-JAPAN2016』古馬シーズン第3戦目となる『第9回兵庫サマークイーン賞(以下兵庫SQ賞)』が行われ、高知からの遠征馬ディアマルコが快勝。5月の『のじぎく賞』に続いて園田で重賞2勝目。間に『高知優駿』の優勝を挟んでおり、重賞3連勝となった。管理する那俄性調教師、鞍上の佐原秀泰騎手ともに『のじぎく賞』以来の兵庫で重賞2勝目。 昨年連覇を果たしたエーシンサルサが引退。新女王の座を懸けて争われた『兵庫SQ賞』。その称号に一番近いとされたのはトーコーヴィーナス。これまで重賞を6勝しており、他地区でも重賞2勝。南関東でも好走経験があり、全国クラスの実績。当然1番人気に支持された。
JRAから移籍後、10連勝で初のオープン挑戦が重賞レースとなったタガノトリオンフ。これまでのケースからは、連勝が途絶えるのは初のオープン馬相手の一戦。それでも勝ちっぷり良さから、ファンは2番人気に支持した。3番人気は船橋のケンブリッジナイス。半年の休み明けも、昨年のこのレースの2着馬で、十分すぎる実績をこれまで挙げている。5月に『のじぎく賞』を勝った高知のディアマルコが4番人気。地元で世代王者に輝いて、再び園田に矛先を向けてきた。
この4頭が単勝10倍を切るオッズを示していて、他の各馬は20倍以上となった。 逃げ宣言をしていた大山騎手のトーコーヴィーナスが、スタートを決めて注文通りハナに立った。ディアマルコも好スタートを切り2番手に取り付く。タガノトリオンフがその後ろの3番手。ケンブリッジナイスは中団からの競馬となった。
淀みのない流れでレースは進み、隊列も変わらずトーコーヴィーナスが各コーナーを先頭で廻って行く。
4コーナーを迎えても先頭を保って、押し切らんとする直線、ディアマルコとタガノトリオンフが迫って来た。
そのあとは離れてしまい、完全に前の3頭の争い。2頭の間を割って伸びようとするタガノトリオンフ、外からしぶとく食い下がるディアマルコ。それでも粘るトーコーヴィーナスが押し切ったかと思ったゴール寸前、グイッとひと伸びを見せて、ディアマルコが前を捉えきった。
「とにかく必死で、勝ったことすら分からないくらい。夢を見ているみたいです」と鞍上の佐原秀泰騎手は実感が湧かない様子。 それでも最後のひと伸びは凄味を感じさせた。
トーコーヴィーナスは正攻法の逃げで敗れたのだから仕方がない。タガノトリオンフも初のオープンでしかも重賞。距離も得意ではない1700mで、崩れず3着なのだから立派と言える。 一方で、ケンブリッジナイスは全くいいところなくしんがりに敗れた。いくら休み明けでもこれでは心配になる。 B1からの格上挑戦だったヒメカイドウ(9番人気)が4着と健闘を見せた。
ディアマルコは高知デビューの3歳馬。「道中も追っ付けないと動かないくらいで、勝てると思えるような感じはなかったです。それでも、この馬にはまだ先がありそうで、それを少し見ることができた気がします」とまだ全ての力を発揮していないと佐原騎手は言う。となると、底知れぬ強さを感じてしまう。
9月1日名古屋の『秋桜賞』が次の目標。そこへ兵庫勢ももちろん参戦するだろう。当然、巻き返しを期待したいところだが、ディアマルコの更なる成長を見てみたい気もする…。
第8回 兵庫サマークイーン賞(勝ち馬:エーシンサルサ)
鬼のような強さだった昨年のエーシンサルサ(牝5・橋本忠男厩舎)。その頃の強さには及ばなくとも、地力が違うとばかりに他馬をねじ伏せ『兵庫サマークイーン賞』を連覇して見せました。同馬はこれで重賞 4勝目。騎乗した木村健騎手は63勝目(中央1勝含む)。管理する橋本忠男調教師は47勝目。地元での重賞は、昨年の同馬で挙げた『摂津盃』以来の久々の勝利となった。スタートから波乱の幕開け。1番人気のピッチシフター(名古屋)が躓いて最後方からの競馬。場内からは悲鳴混じりのどよめきが起こる。逆に抜群のスタートを切ったのが船橋からの遠征馬、3番人気のケンブリッジナイス。1番枠を活かしてダッシュ良くハナを奪います。昨年の覇者エーシンサルサ(2番人気)も好スタートながら、内のケンブリッジにハナを譲って2番手からの競馬。ピッチシフターは後ろから2、3頭目のポジションでレースを進めなければならなくなった。
今年はこの他にも、好メンバーが揃った。前年の年代表馬トーコーニーケ、南関東のクラシックホース、重賞6勝のカイカヨソウ。園田でも重賞勝ちがあり、昨年の3着馬タッチデュール。 準オープンながら、オープン馬と五分に渡り合うリノワール、オープンで上位常連のアランロド、オーケストラピットなど。それでも、上位人気3頭で決まってしまうのだから、ファンの皆さんの狙いは鋭い! 向正面で追い上げを開始するピッチシフター。その時点でまだ先頭までは8馬身ぐらいの距離。この辺りで木村騎手は前だけを相手に絞って捕まえに行く。 「向正面から追い通しでしんどかったんですけど…」と木村騎手が振り返るように相手のしぶとさもあって、なかなか捕まえきれない。 直線ではようやくピッチシフターも差を詰めるが、さすがに前半に使わされたスタミナが切れたか、脚があがる。残り150m付近、力強く抜け出したのはエーシンサルサ。 キッチリとケンブリッジナイスを捉えきり、2馬身半差を付けて快勝。ケンブリッジがそのまま2着を粘り、そこへクビ差に迫ったがピッチシフターは3着となった。
それから4馬身離れて4着に入線したのが、まだ準オープンの身であるリノワール。今後に期待が持てる良い内容のレースだった。勝利を確信した瞬間、後ろとの距離を確認するような姿勢で左手を挙げて 大きくガッツポーズした木村騎手。「また左手を挙げてしまいました、(ファンの方を見ず)間違えました、すみません」と謝るほど、必死だったし、嬉しい勝利だったのだろう。 「(昨年のような強さには)まだまだですね」という状態での勝利。夏が大好きな同馬と鞍上。ますます強さが蘇ってくるとなると、これからがさらに楽しみになってくる。
昨年取り逃した『GRANDAME-JAPAN』古馬シーズンの総合優勝を、今年は何としても決めたいという強い信念が陣営にはある。わたしも実況していて、昨年のような強さをまだ感じられなかった。 まだ状態が良くなってくるだろうし、まだ奥があるのだろうと思う。他地区の皆さまは、そろそろ鬼の襲来に備えておいてください♪
第7回 兵庫サマークイーン賞(勝ち馬:エーシンサルサ)
3年前に幕を開けたその金ナイター。始まって以来、初めての他地区との交流戦となる『兵庫サマークイーン賞』が行われました。 他地区から4頭の遠征馬が、初のその金ナイターに臨む中、1番人気に支持された地元馬エーシンサルサ(牝4・橋本忠厩舎)が木村騎手の騎乗で7馬身差の大楽勝。 5連勝で重賞2連勝。走る度に強さを増す内容で、目下敵なしを全国にアピールしました。 「(注意するのは)スタートだけです」とレース前に力強く語った木村騎手。集中力の高さでバッチリスタートを決め、ハナを奪いに行きます。 ところが、内からスマイルヴィジット(8番人気)も好スタートから抵抗。「行く気で行ったんですけど、内からかなり来たので、この馬は2番手でも大丈夫と思って控えました」。 一方、『GRANDAME-JAPAN(以下G-J)』3歳馬シーズンで総合優勝したトーコーニーケ(2番人気)は、「スタートですべってしまって…」と鞍上の川原騎手が 振り返るように後手に回ってしまい、最後方からのレースに。スタートで明暗を分けた人気馬2頭は、結果も真逆に。昨年2着の船橋・アスカリーブル(3番人気)、同じく船橋から遠征の 実力馬エミーズパラダイス(4番人気)が5、6番手を追走する形。笠松のタッチデュールも中団で追走。流れは決して遅くはなく、淀みなく流れて行く。2週目の向正面からさらにピッチ が上がって行く。最後方からになったトーコーニーケが追い上げて前との差を詰める。それでも2番手で十分に折り合ったエーシンサルサが楽な感じで先頭に立つ3コーナー。 2番手グループが固まってアスカ、エミーズ、タッチの遠征各馬にラッキーフラワー、ラヴフェアリーなどひしめき合う。しかし、トーコーニーケはその馬群に加わることができず、 後方へとズルズル下がってしまう。直線で力強く抜けたエーシンサルサは、結局2着馬に7馬身差を付けての大楽勝。アスカリーブルが混戦の2着争いをなんとか制し、 2年連続の同レース2着。タッチデュールが渋太い伸び脚で追い上げて3着。ラブフェアリー、ラッキーフラワーが4着、5着に続いた。 トーコーニーケは結局11着と大敗してしまった。勝った木村騎手は余裕の勝利で、早々と左手を高く突き上げてファンに向かって勝利をアピール。 「兵庫ダービーのときは右手を挙げてしまって、ファンの皆さんの方に向けてできなかったので、きょうはちゃんとファンの皆さんに向かって(アピールを)やろうと決めていました(笑)」 それほど余裕があったのだろうし、それほど自信を持っての出走であったということでしょう。これで同馬は5連勝。重賞2連勝。近隣地区では全く敵なしというのを全国に知らしめる結果 となりました。『G-J』古馬シーズンでもトップに立った同馬。今後は名古屋競馬場の『秋桜賞』(9月15日)を目指し、勝って総合優勝を狙うことになります。