【全国交流】夕刊フジ賞

第7回兵庫ウインターカップ(重賞Ⅱ)

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レース結果

第5回 兵庫ウインターカップ(勝ち馬:ナリタミニスター )

第5回 兵庫ウインターカップ写真

レース概要

今回から全国交流となった同レース。名称も『兵庫ウインターカップ(旧・園田ウインターカップ)』と改まった。優勝したのは1番人気に支持された地元のナリタミニスター。同馬にとって、これが通算4勝目の重賞タイトルとなった。騎乗した吉村智洋騎手は29勝目の重賞勝ち。管理する坂本和也調教師は重賞5勝目の栄冠を手に入れた。

さすがにスピード馬が揃ったスプリント戦。3連覇を狙うナチュラリーが行く。そこへ昨年の短距離王エイシンエンジョイが競りかける。速い流れでレースが流れ、3番手にメイプルグレイト、4番手にナリタミニスターがつけた。トーセンレビューは中団。その後方にサンキューが続いた。さすがに飛ばした2頭は苦しくなり、そこへナリタミニスターとトーセンレヴューが迫る。直線に向いて抜け出したのはナリタミニスター。大外から追い上げる浦和のトーセンレビュー。川崎の実力馬サンキューが3番手まで押し上げてきた。最後はナリタミニスターが半馬身差で勝利。トーセンレビューが2着に。サンキューが3着、高知のジョイフルが4着と、遠征馬を従えてナリタミニスターが力を示した。

「現役最強」と称していた同馬の力を改めて確信する吉村智洋騎手。前走後に休ませて「不安はありました」と振り返った坂本和也調教師。それでも勝ったことに自信を深めた。昨年は最優秀短距離馬の称号を逃したナリタミニスターだが、今年の初戦を仕上がり途上で快勝したことで、今後の期待が大きく膨らむ。『黒船賞』(高知)や『かきつばた記念』(名古屋)などのダートグレード戦線への参戦も視野に入ってくるので注目だ。

レース結果

第4回 園田ウインターカップ(勝ち馬:ナチュラリー)

第4回 園田ウインターカップ写真

レース概要

第4回『園田ウインターカップ』は、連覇を目指したナチュラリー(2番人気)が逃げ切って快勝。見事に連覇を成し遂げた。同馬はこれが重賞5勝目。騎乗した笹田知宏騎手は5度目の重賞制覇。管理する新子雅司調教師はこれが34勝目のタイトルで、今年の兵庫で重賞4連勝という快挙を成し遂げた。

連覇を狙うナチュラリーが絶好のスタート。エイシンエンジョイ2番手につけ、タガノカピートが3番手。1番人気のイルティモーネは中団からレースを進めた。ペースを握ったナチュラリーが優位にレースを進める。各馬が仕掛けだす3コーナー手前。突き放しにかかるナチュラリー。イルティモーネが伸び脚が見られず、中団でもがいている。2番手のエイシンエンジョイそのまま2着を粘る。3着には後方からブラゾンドゥリスが伸びて来る。最後は3馬身差の余裕の勝利。ナチュラリーが見事に連覇を達成した。

「馬のリズムを崩さず、それだけを意識して乗りました」と笹田騎手。このコンビでは4度目の重賞制覇となった。新子厩舎は連日の重賞勝ち、兵庫で重賞4連勝と快挙づくしの制覇だった。

レース結果

第3回 園田ウインターカップ(勝ち馬:ナチュラリー)

第3回 園田ウインターカップ写真

レース概要

第3回『園田ウインターカップ』が行われ、5番人気のナチュラリーが逃げ切って優勝。これが2歳時の『兵庫若駒賞』と昨年の『兵庫ゴールドカップ』に続く、通算3勝目のタイトル獲得となった。騎乗した笹田知宏騎手も通算3勝目。管理する新子雅司調教師は、重賞23勝目となった。

スタートを決めたナチュラリーがハナを奪い、2番手に同厩舎のタガノカピートがつけて新子厩舎の2頭がいいペースに持ち込む。人気の一角、リッパーザウィンとアールプロセスは中団から。1番人気のキクノステラは最後方からとなった。3コーナー手前から、昨年の2着馬ハタノキセキが仕掛けて前を捕まえに行く。4コーナー手前、キクノステラが5番手まで追い上げる。直線に向いてまだ余裕のあったナチュラリーが後続を突き放す。2番手にハタノキセキ粘るが、そこへキクノステラが迫る。それを尻目に、4馬身の差を付けてナチュラリーが逃げ切った。2着はキクノステラ、3着にハタノキセキとなった。

ナチュラリーとのコンビネーションは抜群の笹田騎手。レースぶりが自信にあふれている。

新子師は名古屋遠征で不在だったが、今年も重賞勝ちを決め、リーディング奪還へ好調の序盤となっている。

レース結果

第2回 園田ウインターカップ(勝ち馬:ドリームコンサート)

第2回 園田ウインターカップ写真

レース概要

昨年創設された重賞『園田ウインターカップ』が今年も行われ、昨年の2着馬だったドリームコンサートが2番手から抜け出して優勝!9歳にして遂に念願の重賞初制覇を成し遂げた!管理する柏原誠路(まさみち)調教師にとっても、これが初めての重賞勝ち。鞍上の川原正一騎手は、同レースは前年に続いての連覇達成。通算111勝目の重賞勝ちとなった。

短距離の巧者は揃ったものの、エイシンヴァラーやトウケイタイガーなどの横綱不在で大混戦メンバー。加えて、格上挑戦ながら15戦12勝3着3回のパーフェクト連対中のダイリンエンドが当日のパドックで放馬して除外になるアクシデントがあり、いよいよ混迷を極めた。1番人気に支持されたのは紅一点のエイシンアトロポス。スピード上位で先手を奪っての逃げ切りをファンは支持した。また古馬の重賞勝ちというのも同馬とバズーカだけという実績も買われた。4歳世代の代表格ナチュラリーが2番人気に。短距離路線で安定して活躍。時折見せる直線で遊ぶクセを前走は見せずに快勝。成長ぶりは目を見張る。昨年の秋の新設重賞『兵庫ゴールドカップ(GT)』(1230m)で1番人気に支持されながら6着に敗れていたハタノキセキ。汚名返上をかける闘いだ。その『兵庫GT』を勝ったバズーカが4番人気。前走が不完全燃焼だったチーフアセスメントが5番人気、オープン初挑戦のドリームポリーニが6番人気に続いた。大方の予想通り、ダッシュを利かせたエイシンアトロポスがハナを奪い行く。すると他の各馬も抵抗を見せずすんなりと1番人気ハナを譲った。ドリームコンサートは良いスタートから労せず2番手の絶好位に取り付く。内側でナチュラリーが控えて3番手。チーフアセスメント、ベルサリエーレらが続き、バズーカ、ドリームポリーニは中団に。その後ろをハタノキセキが追走する形になった。重賞としては決して速くないペースで、勝った川原騎手も「速くもなく遅くもなく絶好のペース」だと言った。中団の後ろにいたハタノキセキが意を決して追い出しにかかった。そうなると差し脚を活かす各馬も黙って見てるわけにはいかなくなる。軽快に逃げるエイシンアトロポスに、ぴったりマークしながら、良い手応えで並びかけるドリームコンサート。そこへハタノキセキが迫り、ナチュラリーは4番手に下がってしまう。4コーナーではベルサリエーレやチーフアセスメント、ドリームポリーニが迫る。そこで迎えた直線、堂々と抜け出したのがドリームコンサート。エイシンアトロポスは敢え無く後退してしまう。ハタノキセキが迫って、ベルサリエーレ、チーフアセスメントも追い上げる直線の攻防となった。それでも、これが9番人気馬かと思えるほどの貫録で突き放し、最後は1馬身3/4差を付けてドリームコンサートが快勝した。2着にハタノキセキで、3着にはベルサリエーレが食い込んだ。追い込みのビッグリバティが4着。ナチュラリーが直線失速して7着。良いペースで逃げていると思われていたエイシンアトロポスは8着に敗れた。バズーカはいいところなく10着と大敗した。

2着のハタノキセキはやや遅いペースと思って大山騎手が早めの仕掛けに打って出たが、これは当然の策。それでも2着に食い下がったのだから立派!ベルサリエーレは敢えて先行争いを避けて、控える形でレースを進めたが、内容としては悪くない3着だと言える。脚質に幅が出たなら、これからはハナにこだわらなくていいだろう。先行した人気のエイシンアトロポス、ナチュラリーは上がり勝負よりも、追走各馬へなし崩しに脚を使わせる速めのペースが合うのだろう。2頭ともに、あれほど直線で失速するような馬ではないだけに、次の一戦での巻き返しを期待しよう。

勝ったドリームコンサートは太目解消が叫ばれ、この日も-1kgだった馬体重は、一気の良化を求めづらかった。管理する柏原師も「5、6着ぐらいかなと思っていた」と振り返ったように自信はなかったようだ。

そんな中、鞍上の川原騎手だけは、前日に「去年(2着)のリベンジをします」と決意を語っていた。勝ったあとも前日に宣言したことを合う人、合う人に確認を求めていた。

いや去年は、あなたがトウケイタイガーで勝ったから負けたんですけど…。

とにかく川原騎手のテンションはいつになく高かった。

KKコンビと言われた柏原師と川原騎手。しかし近ごろ、このコンビでの活躍が薄れていただけに喜びを爆発させたのだろう。「いつもの勝利と変わらないのですが、いろんな人におめでとうと言われ、いつもと違うなと感じています」と実感を持てず、たどたどしく話すかつてのリーディングトレーナー柏原師。余りにも対照的な表情の川原騎手とのギャップを微笑ましく感じた。

レース結果

第1回 園田ウインターカップ(勝ち馬:トウケイタイガー)

第1回 園田ウインターカップ写真

レース概要

新設された重賞『園田ウインターカップ』は、断然の人気を集めたトウケイタイガー(牡6・住吉朝男厩舎)が逃げ切り5馬身差の圧勝で幕を閉じた。同馬にとっての初重賞制覇で、管理する住吉調教師にとっては10年ぶりの重賞勝ちとなった(通算3勝目)。騎乗した川原騎手は通算106勝目の重賞勝ち。新設重賞で盛り上がるはずが、フルゲートにならず、さらに直前にマルトクスパートの除外があり、9頭と寂しい出走馬となった。これは4日前の2月5日に高知競馬場で行われた『黒潮スプリンターズカップ』があり、兵庫から4頭も参戦していた。この4頭が出ていればもっと盛り上がっていたことだろう。ただ、少頭数になった原因は、強すぎるトウケイタイガーとの対戦を避けるためのものだったというところもある。実際、フルゲートになっていても、結果は変わらなかっただろう。

トウケイタイガーの前走は出遅れ、外を追い上げてかかってしまい折り合いを欠く。相手のペースに合わせて直線を迎えたところ、思ったほどの伸びが見られず、一度負かしたエルウェーオージャにあしもとを掬われた。その反省から、「スタートが良ければハナに行こうと思ってました」の言葉通り、ハナを奪って主導権を握った。もうこの時点でレースはほぼ決していた。

2番手にドリームコンサート、タガノトリオンフが3番手。アクロマティックは先団から離れた7番手を進んだ。折り合いが難しいところがあるトウケイタイガーにとって、自分のペースでレースができる分、逃げていればリラックスな走りができる。2番手でピッタリマークするドリームコンサートだったが、次第に手応えに差が出て来る。他の各馬を懸命に追うが差がなかなか詰まらない。直線に向いて川原騎手が軽く追い出すと、あっという間に差が広がった。川原騎手はビジョンで後ろを確認しながら、まるで条件戦を楽勝するかのように、5馬身差で重賞を制覇してしまった。2着にそのままドリームコンサートが粘り、さらに9馬身差をつけてアクロマティックが3着。タガノトリオンフは4着。勝ち馬の強さだけが際立ったレースだった。

間違いなく現時点で兵庫No.1の、ダートグレードも狙える存在のトウケイタイガー。全兄は昨年の地方競馬年度代表馬のソルテ。血統面からも活躍が大いに期待される。兄との対決も実現すると盛り上がるだろう。そのためには、前走で敗れたように相手に合わせるレースだけは避けて欲しい。つまり強いところを選んでレースを使って欲しい。3月の『黒船賞』(高知)、5月の『かきつばた記念』(名古屋)を視野に入れ、兵庫を代表する、地方を代表する活躍ぶりを期待する。