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新年、あけましておめでとうございます。

1月号更新しました。(1日1:00)
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本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
新年第一弾のクローズアップは、園田のジョッキーたちによる
今年の抱負を聞いてまいりました。
戦士たちの意気込みを是非ご覧ください。
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コラム 乗峯栄一
タイトル:時は経つ
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終わってみれば今年もJRA~兵庫GT~

今年で17回目を迎えた『兵庫ゴールドトロフィー(JpnⅢ)』(ハンデ・1400m)は、JRAのグレイスフルリープが勝ち、またしても地方馬は厚い壁に阻まれてしまった。

 

同馬はこれが重賞3勝目で、地方ダートグレードは2勝目。管理する橋口慎介調教師は、園田初参戦初勝利がダートグレード制覇となった。鞍上の武豊騎手は園田のダートグレードレースは2009年のゴールデンチケット(兵庫CS)以来の久々の勝利。園田重賞通算10度目の節目の勝利となった。

 

レース結果はコチラ>>>

 

 

◆出走馬


①レーザーバレット(JRA) 58kg 岩田康誠騎手 3番人気
 

②オヤコダカ(北海道) 53kg 吉村智洋騎手 出走取消
 


③バズーカ 52kg 赤岡修次騎手 8番人気


④ラブバレット(岩手) 54kg 山本聡哉騎手 2番人気

 


⑤ドリームバレンチノ(JRA) 59.5kg 松山弘平騎手 6番人気

 


⑥エイシンヴァラー 53kg 下原理騎手 7番人気
 

⑦ストーンリバー(北海道) 51kg 五十冬樹騎手 出走取消
 

⑧ドリームコンサート 51kg 大山真吾騎手 9番人気

 


⑨トウケイタイガー 54kg 川原正一騎手 5番人気

 

⑩サイタスリーレッド(JRA) 57kg 戸崎圭太騎手 1番人気
 

⑪タイセイバンデット(北海道) 52kg 岩橋勇二騎手 出走取消

 


⑫グレイスフルリープ(JRA) 58kg 武豊騎手 4番人気

 

爆弾低気圧の影響で、北海道が強烈な寒気に襲われた。そのため輸送手段が寸断され、北海道勢がまさかの全頭(タイセイバンデットは故障)出走取消となった。

 

9頭の少頭数となってしまった今年のゴールドトーローフィー。メンバーレベルからすると、地方勢にもチャンス十分で、特に『笠松グランプリ』3連覇を果たして臨む岩手のラブバレットに大いに期待が寄せられ、2番人気に支持された。

 

1番人気はJRAのサイタスリーレッド。今年ダートに転身して素質開花。浦和の『オーバルスプリント』を制していてる勢いを買われた。

 

一昨年の覇者レーザーバレットが3番人気に。韓国GⅠを勝ったグレイスフルリープが4番人気、地元のトウケイタイガーが5番人気に続いた。

 

 

ハナを奪ったのはスピード上位のサイタスリーレッド。2番手にグレイスフルリープが続き、トウケイタイガーは敢えて激化しそうなハナ争いを避けて3番手に控えた。

 

 

ラブバレットは中団につけ、レーザーバレットは後ろから2頭目のポジションとなった。

 

 

逃げているサイタスリーレッドの外に付けたグレイスフルリープが、非常にいい手応えで並びかける。その後ろに控える格好となったトウケイタイガーだったが、早々と川原騎手の手が動き、みるみる後退して行く。

 

3コーナーでは遂に最後方まで下がってしまった。

 

 

 

その間にラブバレットが進出を開始し、前の2頭に接近。エイシンヴァラーも脚を伸ばし、上位へとポジションを上げて行く!

 

4コーナーで逃げていたサイタスリーレッドが後退して、グレイスフルリープが楽々と抜け出して行く。それに唯一食い下がったのが地方の期待を背負ったラブバレット。

 

 

 

しかしグレイスフルリープには十分に余裕があった。

 

「何が来たのか分かりませんでしたけど、手応えはありましたから」と武豊騎手も振り返ったように追撃への焦りはなかった。

 

ゴール前では1馬身半の差を付けてグレイスフルリープが快勝した。

 

 

2着にラブバレット。地方代表として恥じぬ立派なレース内容だった。これで今年参戦した地方のダートグレード4戦すべてで掲示板を確保したことになり、地方生え抜き馬として充実した1年を終えた。

 

3着にはサイタスリーレッド。一旦5、6番手までポジションを下げたが、そのあとよく盛り返して3着に踏みとどまった。

 

トビが大きく、地方の深いダートは合わないようだ。とくにこの日の園田は時計のかかる馬場だった。中央の軽いダートに戻れば即巻き返してくるだろう。

 

レーザーバレットは展開的に苦しい後方からよく追い上げて4着に。エイシンヴァラーもよく食い下がって5着と健闘した。

 

今年の5月に『かきつばた記念』を勝っていたトウケイタイガーは当時のデキになく、まったくいいところなくしんがり負けを食らった。

 

一年を通して活躍する難しさを改めて痛感させられた。

 

グレイスフルリープは中央でも地方でも韓国でも強い競馬をするオールラウンダー。

 

「外枠でしたし理想的なレースができました」と有馬で全国を沸かせた立役者は、園田のウイナーズサークルに集まったファンの歓声に応えた。

 

 

今年もJRAの勝利で終わり、第1回から続く連敗は17まで伸びてしまった。それでも今年ほど地方馬の活躍が目立ったダートグレード戦線はなかったと思う。

 

もちろん、JRAから移籍してきた実力馬が地方所属で奮起している場合もあるが、ラブバレットやヒガシウィルウィン(北海道→船橋)のように地方生え抜き馬もしっかり結果を残している。

 

連敗はいつかは止まるはずだ。そのときには「地方馬をなめるなよ!」と勝利の瞬間に咆哮してみたい。

 

 

写真:斎藤寿一

 

文:竹之上次男

第17回 兵庫ゴールドトロフィー:情報ページ公開中!

『第17回 兵庫ゴールドトロフィー』
出走馬枠順確定!

(25日15:00更新)

出走馬枠順、過去10年間のレース結果など
盛りだくさんの内容です。是非ご覧ください。
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レースはいよいよ27日(水)開催!!

サウスウインド、3度目で悲願達成!~園田金盃~

師走の大一番、ファン投票&記者選抜レース『園田金盃』が行われ、2番人気のサウスウインドが好位から抜け出して優勝。2年続けて2着に敗れていたレースに勝ち、悲願のビッグタイトルを手にした。管理する山口浩幸調教師は同レース初制覇で重賞は通算6勝目。鞍上は高知の赤岡修次騎手で、兵庫の重賞は4勝目となった。

 

レース結果はコチラ>>>

 

 

◆出走馬
※( )内の順位はファン投票順位
 


①ルミナス(13位) 板野央騎手 11番人気
 


 ②マイタイザン(6位) 杉浦健太騎手 3番人気

 


③トーコーヴィーナス(8位) 川原正一騎手 6番人気

 


④レイズオブザサン(21位・記者選抜) 吉原寛人騎手(金沢) 8番人気

 


⑤モズキンボシ(17位) 宮下康一騎手 12番人気

 


⑥エイシンニシパ(1位) 吉村智洋騎手 1番人気

 


⑦マークスマン(4位) 竹村達也騎手 9番人気
 


 ⑧サウスウインド(5位) 赤岡修次騎手(高知) 2番人気

 


⑨ノブタイザン(10位) 渡瀬和幸騎手 10番人気

 


⑩ミッレミリア(7位) 大山真吾騎手 4番人気

 


⑪エーシンクリアー(17位・記者選抜) 永島太郎騎手 5番人気

 


⑫インディウム(20位) 下原理騎手 7番人気

 

ファン投票10位以内から短距離路線に向かう3頭が回避したが、残る7頭が全て出走。ファンの期待に応えたラインナップとなった。

 

堂々1位のエイシンニシパが人気も1番。勝てば今年の重賞4勝目となり、古馬中距離界の頂点に立つことになる。

 

それに続くのがサウスウインド。2年連続2着と苦杯をなめて来たが、3年目の悲願達成となるか?

 

『姫山菊花賞』では出遅れて敗れたが、逃げれば強いマイタイザンが3番人気。今年一番の成長株ミッレミリアが4番人気、6年連続重賞勝ちがかかるエーシンクリアーが5番人気となった。

 

 

マイタイザンの杉浦騎手が『姫山菊花賞』の悪夢を振り払うかのような気合いを見せてハナに立った。

 

休み明けのトーコーヴィーナスがそこへ並びかけて行ったが競り合うことなくすぐさま控えた。

 

サウスウインドは3番手の絶好ポジションを取り、その内側にエイシンニシパが潜り込んでいく。
 


 

あとはマークスマンとエイシンクリアーが続いて、ミッレミリア、インディウムは中団に構える展開となった。

 

 

 

気合いをつけた分、ややかかる仕草を見せるマイタイザンを、宥めながらペースを作る杉浦騎手。決して遅い流れではないが、速くもないペース。

 

「マイタイザンの楽逃げが一番怖いなと思っていたので自分からペースを上げて行かないと思って」と赤岡騎手が振り返ったように、向正面から前を捉えに行くサウスウインド。

 

このスパートにエイシンニシパがついて行けず遅れをとってしまう。
 

 


 

4コーナーで遂にマイタイザンを捉えたサウスウインド。あとは後方からの追撃を封じるだけだが、その後方からは中団にいたミッレミリアが脚を伸ばしてきた。

 

直線に向いて抜け出したサウスウインド。マイタイザンも必死に食い下がる。そこへミッレミリアが急接近。エイシンニシパは離された4番手となった。

 

 

最後の気力を振り絞って粘るサウスウインドに、ミッレミリアが鋭く迫って来る。

 

 

その猛追をクビ差で振り切ってサウスウインドが悲願の金盃制覇を成し遂げた。

 

 

3着にマイタイザン、エイシンニシパは4着に敗れた。

 

自ら前を捉えに行き、後続の追撃も振り切ったのだからサウスウインドは強かった。

 

「マイタイザンとエイシンニシパをやっつけてる分でこっちも力を使うんで、他の馬に差されたらしょうがないと思っていました。でもあそこまで粘って、ホント頑張ってくれました」と讃える赤岡騎手からは安堵の笑みがこぼれた。

 

 

さらに「今年は兵庫大賞典を獲ったので、何としても金盃も獲って、馬主さんの目指す年代表馬になりたいと思っていたので最後は気合いが入りました」と。

 

 

兵庫の春秋古馬頂上決戦となる『兵庫大賞典』と『園田金盃』を同一年度に勝った馬は、サラブレッド導入後2008年のアルドラゴン以来9年ぶり2頭目の快挙。確かに年代表馬級の活躍と言える。

 

ただ、今年はダートグレードの『かきつばた記念』を含む短距離重賞4勝のトウケイタイガーが最有力候補で、果たして届くかどうか…。

 

それでも中距離ではNo.1であることは十分すぎるほどアピールした。

 

年明け1月3日の『新春賞』は、今回のメンバーの再戦となる。ハンデ戦だけに斤量は最重量になるかも知れないが、それこそ“王者の資格”なのだ。

 

 

写真:斎藤寿一

 

文:竹之上次男

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