2017年09月1日
9月号更新しました。(1日9:00)
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クローズアップ 永島 太郎 騎手
タイトル:変わらぬ”競馬愛”を貫く〜勝負魂を燃やしつづけて。
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コラム 乗峯栄一
タイトル:真夏のジャスティス連休
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2017年09月1日
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クローズアップ 永島 太郎 騎手
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コラム 乗峯栄一
タイトル:真夏のジャスティス連休
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2017年08月19日
伝統ある真夏のハンデ重賞『第49回摂津盃』が8月18日に行われ、2番人気の支持を受けたマイタイザンが堂々逃げ切って優勝。同馬にとって、2歳から続く3年連続の重賞勝ちとなった。騎乗した杉浦健太騎手は、通算5勝目のタイトル。管理する新井隆太調教師は重賞4勝目を挙げた。
◆出走馬
サウスウインドやエーシンクリアーの出走はなかったが、それ以外の中距離路線を歩む強豪が出揃った今年の『摂津盃』。ハンデは57キロから53キロと、それほど大きな差はないが、それぞれを比較すると有利不利が入り混じる。
トップハンデは57キロのエイシンニシパ。管理する橋本忠明師は「59キロを背負わされるようなら、回避するかも」と漏らしていたが、蓋を開けてみればこの斤量。見込みから2キロ軽くなって恵まれたように思える。
そのニシパに前走、同斤量でクビ差の接戦を演じていたウインオベロンは54キロに設定。これだけを捕えるとかなり有利だ。
重賞を含む4連勝でもっとも勢いを感じさせるのがトランヴェール。こちらは57キロで連勝中ながら、56キロの斤量に。57キロ以上は当然課せられると思われていただけに、有利に感じる。
前走、オープンで初勝利を飾ったミッレミリアは当時と同じく54キロ。その前走で負かしたエイシンホクトセイは56キロから53キロに。この両者だけを見ると断然ミッレミリアは不利。エイシンホクトセイは5月の『兵庫大賞典』を56キロで3着だったことを考えると、断然有利と言える。
同じく53キロに設定されたオープン初挑戦のマルカライン、牝馬のタガノトリオンフなどは決して恵まれたとは言えない斤量だ。
55キロのマイタイザンだけが、斤量の話でほとんど話題に上がらず、一番有利不利がなかった斤量。
ゴール前の大接戦を考えて設定されるハンデ戦という観点ではないような気がするが、微妙に予想を悩ませ、楽しませた要素のひとつではあった。
スタートの良し悪しがハッキリする1700m戦。明らかに煽って立ち後れてしまったのが、1番人気に支持されたトランヴェールだった。
逆に好スタートを決めたのがマイタイザン。すぐに迎える3コーナーにダッシュ良く飛び出しハナを奪い切った。
2番手にタガノトリオンフが付け、ベルサリエーレ、バズーカ、エイシンニシパと好位を形成。ミッレミリア、ウインオベロンは中団を進み、スタートで後手に回ったトランヴェールは後方待機となった。
前日の馬場は差し馬の伸びが目立ち、前有利だったこれまでの傾向からかなり変化を見せていた。ところが当日の明け方、突然の雷雨が園田を襲い、一瞬に不良馬場へと変えた。
ナイター競馬が始まるころには少しずつ回復を見せ、この時点では重馬場の発表。それでも前が有利なレースが続いていた。
好スタートのマイタイザンは他馬を引き付けるのではなく、自分のペースに徹してレースを進めて行く。
追いかけて行く馬たちも決して楽ではない展開で、好位を追走したベルサリエーレ、バズーカが脱落して行った。
それでも必死で食い下がったのがタガノトリオンフ。エイシンニシパはコースロスをを避けるため内に切れ込み徐々に差を詰めて行く。
そこへ後方からトランヴェールを進出を開始、3コーナーでは4番手までポジションを上げた。
しかし、その間にもペースが落ちないマイタイザンはリードを広げて4コーナーに向かって行く。
内をすくってエイシンニシパが2番手に上がって直線を迎えた。
タガノトリオンフが3番手を死守するところへ、ウインオベロンが迫る。向正面で追い上げたトランヴェールの脚はいっぱいとなってしまった…。
逃げ脚衰えないマイタイザンは他馬を寄せ付けない。そのまま3馬身半の差を付けて堂々と逃げ切って真夏の王者に輝いた!
エイシンニシパがトップハンデの意地を見せ2着に。3着争いは接戦となったがタガノトリオンフがしぶとく粘って確保した。マイタイザンを追いかけながらの3着を粘ったのは立派だ。
差のない4着にウインオベロン、エイシンホクトセイが5着に続き、トランヴェールは出遅れが響いて6着に敗れた。
1番枠で「いい枠を引き当てた」と思い、朝の豪雨で「逃げしかない」とハラを決めた杉浦騎手。
前日と前々日の2日間の騎乗停止があり、その鬱憤を晴らすかのような圧倒撃。ウイニングランで再び正面スタンドに帰って来たマイタイザンと杉浦騎手に大きな歓声が沸き上がり、何度も右手を挙げてファンの声援に応えた。
メンバ中、唯一の兵庫生え抜きだったマイタイザン。思えば、昨年も生え抜きのエナエビスの勝利だった。
デビューから見続ける馬の成長と活躍は観ていて誇らしい。これからは他地区でのタイトル獲得も楽しみだ。
逃げ馬から、控える競馬も覚えてモデルチェンジを試みたが、再び元の逃げ馬に活路を見出したマイタイザン。
常にマークされる苦しい立場だが、それでもなお他馬を封じ込める強い逃げ馬へとグレードアップすることを期待する!
写真:斎藤寿一
文:竹之上次男
2017年08月1日
8月号更新しました。(1日4:00)
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クローズアップ 広瀬 航 騎手
タイトル:苦節15年を乗り越え、見えてきたもの。
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コラム 青木るえか
タイトル:トシとってくると夏がこたえる
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2017年07月31日
第10回目となった今年の『兵庫サマークイーン賞』は、昨年の勝ち馬ディアマルコ(高知)が今年も優勝。見事に同レース連覇達成です。同馬にとっての重賞6勝目。管理する那俄性哲也調教師は兵庫で3度目の重賞勝ち(いずれもディアマルコ)。初コンビを組んだ永森大智騎手は、高知で初重賞制覇となりました。
遠征馬が強力だ!というのが今年のメンバーの印象。
昨年の覇者、高知のディアマルコが連覇を懸けて再来。
元兵庫所属で、現在は南関東でオープンを張るプリンセスバリュー。
去年は重賞6勝を挙げ、佐賀のダービー馬に輝いたドンプリムローズ。
今年の『のじぎく賞』を豪快に差し切ったアペリラルビー。
南関東で中堅クラスでスピードを磨くマテリアメディカというラインナップ。
迎え撃つ兵庫勢は旗頭になるはずだったトーコーヴィーナスが、前走の疲れなどがあり回避が決定。
昨年3着だったタガノトリオンフが地元の筆頭候補。しかし、それ以外は格下からの挑戦が多くあり、力量的に厳しいと言わざるを得なかった。
当然、最初の印象通り遠征馬が上位を独占しそうだ…。
スタートは全馬遅れることなくきれいに揃った。その中から抜け出して行ったのがディアマルコだった。
「最低でも2番手と思っていましたけど、自分のペースでハナに行けそうだったので行きました」と永森騎手。
プリンセスバリューが2番手に取り付き、タガノトリオンフは3番手のインコースを進む。
ドンプリムローズ、マテリアメディカと好位を形成。アペリラルビーは例によって後方待機策をとった。
ディアマルコの逃げで、淀みなくレースは流れて行く。
当面の相手とされる各馬が好位でマークスするなか、マイペースで運んで行く。
残り800を切ったあたりから、ドンプリムローズがフェイントをかけるように前に並びかける。
それに応じてペースが速まり、タガノトリオンフが若干遅れをとってしまう。
3コーナーではディアマルコがさらにペースアップ、ここでフェイントを仕掛けたドンプリムローズが後退。
プリンセスバリューが2番手のまま食い下がる。マテリアメディカが3番手に上がり、タガノトリオンフは4番手に下がってしまった。
直線に向いて、完全に他地区の各馬の上位独占態勢。
逃げるディアマルコがさらに突き放して、連覇へ向かってひた走る。
マテリアメディカが内から迫って来たが、プリンセスバリューもしぶとさを発揮して2番手を死守。
それを尻目に、3馬身の差をつけ、昨年以上の強さでディアマルコの逃げ切り勝ち。見事に連覇を達成してみせた。
なお、4着には後方から追い上げたアペリラルビーが食い込み、遠征馬の4着まで独占となってしまった。
地元最先着はタガノトリオンフの5着に終わった。
ディアマルコと永森大智騎手は今回が初コンビだった。
当初、佐原騎手負傷のため、田中学騎手このレースで騎乗する予定だった。そのために前走は高知遠征してまで手綱を取っていた。
ところが田中騎手にトーコーヴィーナスへの騎乗が舞い込み、泣く泣く騎乗を断ることになり、永森騎手が騎乗することになったという経緯。
しかし、そのトーコーヴィーナスの直前の回避で、田中騎手は船橋のマテリアメディカに騎乗するという妙な展開になった。
ただ、この展開は万事円満に進んだととのこと。
「佐原さんにアドバイスをしてもらっていましたが、思った以上にしんどい馬でした(笑)。こちらが指示するまで、馬がリラックスをしすぎるというか…」と反応は決して良くないのだという。
「(リラックスしている分)無駄な力みのないところがこの馬のセールスポイントになるんですね。これだけ強い馬に騎乗させていただいて関係者の皆さまに感謝しています」
さすが、いまや押しも押されもせぬ高知のトップジョッキー、受け答えも如才がない。
意外にも園田の重賞では初勝利で、その金ナイターでも初勝利となった。
「思ったより乗りやすいですね」と印象を語った。
同馬はこれで、園田で4戦3勝2着1回。もちろん高知でも強いが、園田での強さは格別だ。
地方他地区の馬が3着まで独占だった5月の『のじぎく賞』は、兵庫のサラブレッド史上初の出来事だった。
今回はそれを上回る4着まで独占…。
しかし、他地区から強い馬が来るとワクワクさせられる。遠征馬が弱いと面白みに欠ける。
近年は兵庫の馬も他地区で大活躍し、ワン・ツーフィニッシュを何度も決めている。
交流が盛んな時代になったのだから、当然とも言えることかも知れない。
園田巧者が、他地区の馬であって不思議ではない。兵庫勢の中にも高知巧者、大井巧者、左回り巧者、芝巧者が眠っていると思えばいい。
写真:斎藤寿一
文:竹之上次男