2月号更新、橋本調教師インタビュー等
2017年02月1日
2月号更新しました。
(1日10:00)
クローズアップ 橋本忠男調教師
タイトル:事業をやり終えた、満ちたりた男の顔。
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コラム 青木るえか
タイトル:長南調教師表彰のニュース。
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2017年01月21日
1月19日に行われた第18回『園田クイーンセレクション』(1400m)は、名古屋競馬からの遠征馬カツゲキマドンナが優勝!同馬にとって、初の重賞勝ち。騎乗したのは名古屋の女性騎手、木之前葵騎手。園田での初勝利が重賞制覇。管理する錦見勇夫調教師は、兵庫重賞は3勝目(‘05姫山菊花賞、’06園田フレンドリーカップに続く)となった。
ここ3年は地元勢が優勝して来た『園田クイーンセレクション』。今年も成績から見て、地元優位は揺るがないとの見方が強かった。中でもスターレーンに注目が集まった。
レベルの高いホッカイドウ競馬デビューで、移籍初戦を快勝したしたあと重賞の『若駒賞』でハナ差の2着と惜しいレースぶり。前走も1700mで2着だったが、距離短縮されて巻き返しに期待が高まり1番人気に支持された。今回の鞍上は高知の赤岡騎手。
そのスターレーンを前走で破ったアナザードアも当然注目される。こちらもホッカイドウ競馬出身で、前走が移籍初戦だったが見事に9番人気の低評価を覆して勝利していた。連勝の可能性十分で差のない2番人気に。
3番人気に笠松からの遠征馬ハリアー。これまで15戦のキャリアを誇り、強力メンバーと闘ってきた強みもある。ただ、使い詰めで中8日の連闘策がどう出るか?
ローランドアイが4番人気。前走が4ヶ月ぶりのレースで3着と好走。デビュー当初から素質は買われていて、叩いた上積みを見込んで支持を集めた。
木之前葵騎手が乗るカツゲキマドンナが5番人気。兄が重賞8勝のカツゲキキトキトだが、一線級では頭打ちの現状。葵ちゃん人気が先行しているように思えた。
揃った飛び出しを見せた各馬。その中から抜け出してきたのは7番人気のチョウキャプテン。永島騎手が外枠から果敢に攻めてハナを奪う。
スターレーンが寄り添うように2番手に取り付いた。その後ろにカツゲキマドンナ。ハリアー、セカンドインパクトらが好位グループ。
外の各馬が内に進路を取り、アナザードアは前が塞がって下がらざるを得なくなった。ローランドアイもややポジションを悪くしてしまった。
この日の馬場は前に行く各馬にとって有利な馬場状況。ハナを奪ったチョウキャプテンがいいペースに持ち込んでレースを進める。
それをガッチリマークするスターレーン。前走で早めに抜け出したところで馬が気を抜き、アナザードアに敗れていたので、赤岡騎手も直線までとにかく我慢する構え。
3コーナー手前でペースアップしたチョウキャプテン。そこへスターレーン、カツゲキマドンナも並びかけて4番手以下の各馬を突き放していく。
直線を迎えて満を持して追い出しにかかるスターレーン。内でしぶとく食い下がるチョウキャプテン。そこへ迫って来たのがカツゲキマドンナ。
抜け出したスターレーンが押し切ったかと思われたゴール前、一完歩ずつ差を詰めるカツゲキマドンナが並ぶ。
最後はカツゲキマドンナがわずかにハナ差捉えきって優勝した。
スターレーンは『若駒賞』に続いて重賞でハナ差に泣いた。
3着はチョウキャプテンが粘り、ローランドアイがしぶとい伸び脚を見せ4着。アナザードアは位置取りを悪くしたスタート後の時点で勝負あったか、結局しんがり負けを喫してしまった。
勝ったカツゲキマドンナは、デビューから12戦目で初重賞制覇。重賞8勝の兄カツゲキキトキトも、デビュー当初はひ弱な面が目立ち、重賞勝ちまで11戦を要していた。
これで偉大な兄に一歩近づいた妹。鞍上の木之前騎手と共に、今後はスターダムにのし上がるのか注目される。
木之前葵騎手は、デビューから4年目。昨年70勝を挙げる大活躍で、NAR優秀女性騎手賞を2年連続で受賞している。今年に入って地方通算200勝を達成。重賞もこれで5勝目となった。
決して愛らしい容姿だけではなく、それ以上に注目されていい実力の持ち主なのだ。
「追い切りはわたしが行ったんですけど、すごい手応えが良かったです。前走で失敗があったので、その失敗を踏まえてイメージができていて、自信はややありました」と木之前葵騎手は内心、勝算ありとみていた。
「徐々に幼さが抜けて来て、段々乗りやすくなってきましたし、(今後が)とても楽しみです」と笑顔を弾けさせた。
表彰式はいつも以上にファンが集まり、木之前騎手の言葉ひとつひとつを聴き逃すまいと、熱心に耳を傾けていた。
次にこのコンビで園田に参戦するのは5月25日の『のじぎく賞』になるだろう。そのときどのうような成長を遂げて姿を現すのか楽しみだ。また、それを凌駕するほどの地元馬の頑張りにも期待したい。
写真:斎藤寿一
文:竹之上次男
2017年01月11日
平成28年優秀馬選考会が行われ、選考委員15名の投票でそれぞれの最優秀馬を選出。その中から代表馬を決定しました。
選考結果は次の通りです。
※昨年の年齢で表記しています。
◆年代表馬 最優秀牝馬
トーコーヴィーナス(牝4・吉行龍穂厩舎)
馬主:森田藤治
戦績:12戦【5-4-1-2】
重賞:読売レディス杯(金沢) 1着
秋桜賞(笠松) 1着
レディスプレリュード(大井・JpnⅡ) 2着
『GRANDAME-JAPAN2016』古馬シーズン総合優勝
◆最優秀2歳馬
マジックカーペット(牡2・田中範雄厩舎)
馬主:(株)グリーンファーム
戦績:3戦【3-0-0-0】
重賞:園田ジュニアカップ 1着
◆最優秀3歳馬
ノブタイザン(牡3・新井隆太厩舎)
馬主:平野正行
戦績:5戦【1-1-0-3】
重賞:兵庫ダービー 1着
◆最優秀4歳以上馬
エーシンクリアー(牡6・橋本忠明厩舎)
馬主:平井克彦
戦績:9戦【2-3-3-1】
重賞:兵庫大賞典 1着
イヌワシ賞(金沢) 1着
◇特別優秀馬
アクロマティック(セ6・新子雅司厩舎)
馬主:野田善己
戦績:9戦【4-2-1-2】
重賞:梅見月杯(名古屋) 1着
名港盃(名古屋) 1着
エイシンニシパ(牡3・橋本忠男厩舎)
馬主:平井宏承
戦績:12戦【5-3-2-2】
重賞:MRO金賞(金沢) 1着
岐阜金賞(笠松) 1着
ランドクイーン(牝5・盛本信春厩舎)
馬主:山口敦広
戦績:12戦【4-2-0-6】
重賞:園田FCスプリント 1着
園田チャレンジカップ 1着
表彰式は1月19日(木)6レース終了後、園田競馬場西ウイナーズサークルで行われます。
2017年01月7日
2017年の幕開けとなる伝統のハンデ重賞『新春賞』は、明け4歳馬のエイシンニシパがハナ差の大接戦を制して優勝。管理する橋本忠男調教師は、翌日の4日が勇退式。その花道を飾る劇的な幕切れとなった。同馬はこれで他地区を含めて重賞3勝目で、園田では初制覇。吉村騎手はこれが重賞8勝目。橋本忠男師は、同レース2度目の制覇で通算52勝目のタイトル。見事な有終の美となった。
◆出走馬
前年に代表馬争いを繰り広げた三強と言われたアクロマティック、エーシンクリアー、サウスウインド、さらに最強牝馬のトーコーヴィーナスが揃って回避した新春賞。
それでも、その三強を『園田金盃』で破ったバズーカがトップハンデで出走。トーコーヴィーナスを『兵庫クイーンカップ』で降したタガノトリオンフも参戦。明け4歳馬からは、同世代で最も活躍が顕著だったエイシンニシパが出走して、新春を飾るなかなかの好メンバーが出揃った。
年末年始シリーズの終盤戦の1月3日、当初は馬場の内側が重たい状況が続き、差し馬台頭の場面が多く見られた。それも次第に変化して行き、この日の馬場は前残りが目立ち始めていた。
注目を集めた先行争いは、レッドダニエルがいつものように好スタートを切って、ハナを奪い切った。同じく逃げたかったアサクサセーラも悪くないスタートだったが、出脚で負けて2番手に控えざるを得なくなった。
タガノトリオンフが3番手のインで脚をためる、鞍上の下原理騎手が最も得意とする作戦。その外側にエイシンニシパが付ける展開。バズーカは中団からレースを進めて行く形となった。
レースが動き出したのは残り800m付近。レース前、橋本忠男調教師は吉村騎手に「4コーナーで先頭に立て!」と伝えた。その言葉を守るべく動き出したエイシンニシパと吉村騎手。
前にいる3頭の脚色がわずかに乱れる。まず逃げていたレッドダニエルが後退した。
ここで先頭に立ったアサクサセーラに外から並びかけるエイシンニシパ。
内にいたタガノトリオンフは先に外から動かれて、一旦控えて外に切り替えるというロスが生じてしまった。これが勝負を分ける。
師の言葉通り、遂に4コーナーで先頭に立ったエイシンニシパと吉村騎手。外からは下原騎手のタガノトリオンフが迫って来る。
橋本忠男師はさらに「直線は必死になって追え」とも付け加えていた。
吉村騎手のダイナミックなフォームは、木村騎手と並び称されるほど定評がある。トリオンフが迫って来たとき、その動きがさらに躍動する。
最後はハナ差、ほんのわずかの差でエイシンニシパが先頭でゴールを駆け抜けていた。
普段はビッグマウスで知られる吉村騎手。レース前も「負けるところないでしょ」と不遜とも思える口調で語る。
しかし、その心の内は穏やかではなく「デキも凄く良かったですし、負けるとこないっていうより、負けちゃいけないな…」とプレッシャーに押しつぶされそうになっていました。
ハナ差のゴールも「ダービーのときみたいにまた負けたんかなぁと思って…」とネガティヴな感情しか湧いてこない。そんな自分の思いをかき消すようなビッグマウスだったのだろう。
晴れて有終の美を飾った橋本忠男師は、翌日の勇退式で「30年、いろんな苦しいことがありましたが、きのうの新春賞で全部吹っ飛びました」と晴れやかな笑顔を見せた。
子弟の絆に心温まり、観ていて気持ちの良い新年の幕開けとなった。
写真:斎藤寿一
文:竹之上次男