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第17回 兵庫チャンピオンシップ:重賞レース枠順確定!

『兵庫チャンピオンシップ』の枠順確定!編集長の見解等、データ情報満載!(2日20:00)

出走馬枠順、過去10年間のレース結果、編集長による攻略法など盛りだくさんの内容です。是非ご覧ください。
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レースは5月4日(水)開催!!

紅一点シュエットが三冠切符!

3歳三冠初戦の『菊水賞』は、なんと10番人気の紅一点シュエットが勝利!波乱の幕開けで新年度の園田競馬がスタートした。同馬は10戦2勝で初の重賞勝ち。鞍上の笹田知宏騎手もデビュー5年目での嬉しい重賞初勝利となった。管理する新子調教師は同レース2勝目で、通算10勝目のタイトル獲得となった。

 

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2歳戦を引っ張ってきたマイタイザンとノブタイザンが同馬主だけに、直接対決は『兵庫ダービー』までお預けというのが早い段階からのスケジュールだった。2頭は北海道に放牧に出され、仕上がりの早い方が『菊水賞』に駒を進めることになっていた。

 

先に帰厩したノブタイザンが向かうことになったが、身体は思ったほどの成長がなかった。能検や最終追い切りの動きもピリッとしない状況で、陣営のトーンは上がらない。一強ムードだった三冠初戦が、一転混戦ムードに変わって行く。

 

両タイザンが休んでいるあいだに力を付けてきた各馬に当然食い差しが動く。中でも3連勝中のエイシンニシパは使われつつレースぶりが成長して、ファンも1番人気に支持した。

 

9戦して3着を外したのが1回だけという堅実派のタケマルビクターが2番人気。ノブタイザンは当日-14kgと大幅馬体減となってさらに不安が募ったが、結局3番人気となった。

 

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未明からの雨で水の浮く不良馬場となった園田競馬場。第1レースから前に行く馬が断然有利にレースを進めている。そんな中、ノブタイザンは出遅れて最後方からの競馬となってしまった。元来スタートの良い方ではないが、この日の馬場を考えれば、致命的と言える発馬だ。

 

逃げ宣言をしていたのは5番人気のビューティ。道悪が得意で、喜んでハナを奪いに行く。ところが、そうはさせじとブルーウィザードが競りかけて来る。結果、2頭がやや速い流れを作った。

 

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好位グループの一角にタケマルビクターが陣取った。内をピッタリ回るロスのない立ち回り。ところがその後ろで同馬を徹底マークしていたのが勝ち馬となるシュエットだった。エイシンニシパは中団でレースを進めた。

 

前の2頭の競り合いは、いかな前が残りやすい馬場とはいえ、当然スタミナが奪われる。最初に動いたのはタケマルビクター。外に切り替えて2頭を捉えに行く。そのあとを獲物を狙うハンターのようにシュエットが続いて行く。エイシンニシパも動き始めるが、前がつかえて一瞬ブレーキをかけるような形となった。これが痛かった。

 

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直線に向いて抜け出したタケマルビクター。その外に馬体を併せるシュエット。エイシンニシパもなんとか詰め寄るが、抜け出した2頭にはとても届きそうにない。残り200m時点から、勝負は2頭に絞られた。

 

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内でベテランの田中が押し切ろうとする。外から初重賞を目指す笹田が懸命に追ってくる。ほとんど並んで迎えたゴール。お互い顔を見合わせたときに、田中から「おめでとう」と笹田に声がかかった。

 

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わずかにハナ差、紅一点のシュエットが捉えきり菊水賞馬に輝いた。

 

3着になんとかエイシンニシパ。道中の不利や位置取りを考えればよく走っている。次は巻き返してくるだろう。

 

ノブタイザンはスタートの後手が命取りとなった。ただそれだけではなく、大幅馬体減や動きの悪さにこの馬らしさがまったく窺えなかった。立て直して復権を期待したい。

 

勝ったシュエットは新子厩舎の管理馬。新子厩舎と言えば、2013年のユメノアトサキを思い出す。同馬は『菊水賞』を勝ったあと、牝馬限定の『のじぎく賞』を勝ち、その後に『兵庫ダービー』をも制して、変則三冠を達成していた。

 

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新子師曰く「牝馬にしかできない三冠もあるかなと」と言って目指した路線を見事に有言実行してみせた。同馬と比較すると見劣りは否めないが、並み居る牡馬を蹴散らしたのだから決してフロックではない。何より笹田騎手が完璧なレースで勝利をもぎ取った。全くロスのない素晴らしい騎乗だった。少しでもロスがあれば、前を捉えきれなかっただろう。

 

笹田騎手は以前に完璧に乗ったけど重賞で2着だったことがあった。納得は行くのだろうけど、満足感は得られなかったのではと想像する。「まだ実感がわきません」とインタビューでは語っていたが、高揚感が十分に伝わり、こちらまでも嬉しい気分にさせてくれた。

 

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写真:斎藤寿一

文:竹之上次男

2015年度開催成績

【2015年度開催成績】

園田競馬
開催日数 163日
売得金  444億9342万3900円
昨年度比 113.4%

 

ファンの皆さまのお陰を持ちまして、昨年度を大きく上回る売得金となりました。
ありがとうございます。心より感謝申し上げます。

【クローズアップ更新情報】

【クローズアップ更新情報】昨年、年間212勝、ランキング2位に躍進した下原騎手を取り上げています。

昨年の10月、11月、12月――リーディング争いのもっとも重要な3ヶ月を
破竹の勢いで駆けぬけたのが下原理だった。
きっちり計算したかのように1ヶ月25勝、3ヶ月間のトータル勝ち鞍は75勝。
その結果、21年間の騎手生活(1995年~2015年)でキャリアハイの212勝を挙げ、
初のランキング2位を勝ち獲った。
木村健と田中学が腰痛で離脱したとはいえ、トップ3の牙城を崩し2位に躍進したのは快挙だ。
なんといっても初の200勝超えは称賛に値する。 >>>続きはコチラ

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