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ノブタイザン園田JCを制す!

園田競馬の掉尾を飾る2歳重賞『園田ジュニアカップ』が大晦日に行われ、1番人気に応えてノブタイザンが勝利した。同馬は初重賞勝ち、これで4戦3勝(うち芝で1戦0勝)の成績となった。鞍上の杉浦騎手は重賞2勝目。管理する碇調教師も2勝目。しかし、過去の1勝は他地区で挙げたもので、兵庫では初重賞制覇となった。

 

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レース詳細はコチラ

 

デビューから4連勝で重賞『若駒賞』を制したマイタイザン、同世代最多の5勝を挙げているスマイルプロバイド、デビュー前から評判の高かったノブタイザンが現2歳馬のトップスリー。

 

これらが一堂に会する『園田ジュニアカップ』ならば人気も分散し混戦となっていたはず。ところがここへ駒を進めたのはノブタイザンだけで、あとの2頭は早々に回避を表明していた。

 

実はこの3頭の主戦は、すべて杉浦騎手。彼に身体が三つあれば全馬が顔を揃えたかと言うとそうではなく、マイタイザンはノブタイザンと同馬主(厩舎は別)で、最初から路線を分けて使われていた。スマイルプロバイドは牝馬なので、年明けの1月22日『園田クイーンセレクション』へ照準が合わされた。

 

自ずとノブタイザンに注目と人気が集まるのは当然のことだった。

 

2番人気になったブルーウィザードは、2連勝中で期待がかかるが、同レースと同距離の1700mで、3走前に完敗を喫しているのが気がかり。

 

3番人気はエクスペクトパレス。同馬はノブタイザンとデビュー戦でぶつかり、人気を二分するほどの注目を集めた。しかし気性の悪さを露呈して3着に敗れていた。その後も気性の難しさが付きまとう。

 

リーディングトレーナーをこの時点で確定させていた新子調教師が送るシュエットが4番人気。400kgを切る馬体ながら、渋太さが魅力のハルカカナタが5番人気で続いた。

 

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注目のスタートは揃った飛び出しに見えたが、わずかにノブタイザンが遅れて一瞬最後方になり場内がざわつく。

そんな中、ダッシュを利かせてブルーウィザードがハナに立つ。それを追ってエクスペクトパレスが2番手。ハルカカナタは4番手。ノブタイザンは後ろから4番手に付ける形となった。

 

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ペースが一旦落ち着いた2コーナー、動きを見せる馬はおらず、向正面に入って行く。ここで後方からノブタイザンが進出を開始するが、思ったほどの伸びを引き出せないでいる。

 

人気馬が伸びあぐねているのを見てチャンスと感じたか、アサクサセーラやトウケイヘイゾウの人気薄各馬が先んじて動いて行く。また反応も良かった。

 

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3コーナーで満を持して逃げ込みを図るブルーウィザードが追い出しにかかる。エクスペクトパレスも2番手で必死に食らいついて行く。

 

ノブタイザンはようやくエンジンがかかったが、それでも4コーナー手前ではまだ5番手。大ピンチのまま直線を迎える。

 

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ブルーウィザードが2番手にいたエクスペクトパレスをまずは突き放す。そこへノブタイザンがやって来るのだが、思ったほどの勢いがない。

 

なんとか2番手に上がったところへアサクサセーラが加わってくる。その瞬間スイッチが入ったか、ビュンとひと伸びを見せて、粘るブルーウィザードをゴール寸前に捉えきった。

 

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スタートで後手に回り、道中も反応が鈍い。直線もあっさりとは言い難かったが、最後は決めてしまうのだから、やっぱりなかなかの役者だ。

 

「ヒヤヒヤしました。嬉しいよりもホッとしました」と口にするものの、表情は極めて明るかった。

 

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2着のブルーウィザードはデビュー当初から大事に使われ、今回も1ヶ月以上間隔があった。完敗した1700m戦で2着と奮闘したのだから、成長力と厩舎陣営の努力が実った結果と言える。今後も重賞戦線で注目される1頭になるだろう。

 

3着には10番人気のアサクサセーラ。こちらは逆に使われて力を少しずつつけてきた。メンバー中最多の16戦目のキャリアを活かし重賞でも結果を残した。まだ未勝利で勝ち切れないが、初勝利も近い。

 

エクスペクトパレスは気性面から来るスタミナロスがやはり課題。最後の追い比べで見劣り4着となった。今後は折り合いがつきやすい短距離路線に絞るか、このままクラシック路線を歩むのか、選択が迫られる。

 

思えば2歳戦は杉浦騎手のひとり舞台だった。ノブタイザン(3勝)、マイタイザン(4勝)、スマイルプロバイド(5勝)とオープン馬3頭の主戦を務め、これだけで12勝も稼いだ。

 

初重賞制覇も達成、JRA初遠征も経験し、充実しきった一年であったに違いない。

 

これらを擁して3歳クラシック戦線で中心的存在になっていくのだが、今後は目標が絞られていくので、使い分けが難しくなる。騎乗馬の選択に頭を悩ますことにもなるだろう。

 

いやが上にも彼の判断に注目が集まる。プレッシャーもあるだろうが、注目される存在になったことを誇りに思ってもらいたい。

 

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写真:斎藤寿一

文:竹之上次男

謹賀新年

謹んで新年のお慶びを申し上げます

2016年も園田競馬をよろしくお願いします。

1番人気レーザーバレット快勝!~兵庫GT~

ダートグレード競走、短距離戦の掉尾を飾る『兵庫ゴールドトロフィー(JpnⅢ)』が12月24日に園田競馬場で行われ、1番人気に支持されたレーザーバレットが中団から差し切り快勝。同馬これで、浦和の『オーバルスプリント(JpnⅢ)』に続く重賞2勝目。管理する萩原調教師は園田でのダートグレードレースは初勝利。騎乗した戸崎圭太騎手は同レース初勝利で、兵庫のダートグレード完全制覇となった。

 

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レース結果

 

過去14年連続JRA勢が優勝しており、地方馬の優勝はこれまでないレース。そのため、8年前からハンデ戦になりその差が埋まるのかと思われたが、逆に高重量を背負ってJRA馬が勝ち続け、力の違いがより一層明白となってしまっている。

 

今年のトップハンデは、上限となる59.5kgのドリームバレンチノ(3番人気)。一昨年は59kgを背負って4馬身差の圧勝。昨年はJpnⅠも勝ったが今年は未勝利。やや見込まれた感もなくはないが、重賞で2着が2回あり、衰えは感じられない。

 

次が57kgのレーザーバレット。浦和の『オーバルスプリント(JpnⅢ)』(1400m)で初タイトル。前走『JBCスプリント(JpnⅠ)』(1200m)で前残りの展開ながら、追い込んで4着と地力を示した。得意の1400mで決め手が更に活きる。ファンは1番人気に推した。

 

2番人気は3歳馬のアキトクレッセント。ダッシュ力があり、ハナを切れば初の古馬戦も楽しみな馬。春はノンコノユメと差のないレースをしており、休み明けでも53kgという斤量、鞍上武豊騎手というのも手伝って、多くの支持を集めた。

 

4番人気がホッカイドウ競馬のポアゾンブラック。園田でデビューして無傷の5連勝で『菊水賞』を勝った素質馬。その後にJRAに移籍してオープンまで上り詰めた。ダートグレード勝ちはないが、2着が3回。ハンデは56kgとなった。

 

地元では前走、JRAからの移籍初戦を快勝したドリームコンサートが52kgで5番人気。同じく移籍後2戦目のエイシンゴージャスは、5月にJRA『栗東ステークス』を勝っている実力馬。54kgの斤量を課せられて6番人気に。兵庫生え抜きニホンカイセーラは51kgで9番人気。

 

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スタートはややバラついた。スピード自慢のアキトクレッセントは後手に回ってしまい最後方からとなった。

 

ハナを切ったのは大井のルックスザットキル。2番手にドリームコンサートが付けて、3番手にポアゾンブラック。ドリームバレンチノは中団外目。レーザーバレットは馬群の真っただ中を進む。

 

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向正面で動いたのはポアゾンブラック。3年半ぶりにコンビ復活!兵庫所属時代に主戦を務めた松浦政宏騎手に戻った手綱が積極的な指示を出す。

 

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59.5kgのドリームバレンチノもここで動いて前に並びかける。レーザーバレットはこの間も、まだ中団馬群の中。

 

直線入り口では、ドリームバレンチノが先頭に替わって押切りを計る態勢。内でポアゾンブラックも懸命に盛り返して懸命に粘る。

 

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しかし、決め手が違った。「内ですきまを縫いながら走って来ました(笑)」と鞍上の戸崎騎手が言うように、終始馬群の中で怯まず、外にも出さず、先に抜け出したドリームバレンチノの内から伸びて楽々とレーザーバレットが差し切った。

 

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3着にポアゾンブラックが粘って地方馬最先着。ドリームコンサートもしぶとく食い下がってクビ差の4着と惜しい内容だった。

 

さらに3馬身差で兵庫生え抜きニホンカイセーラが5着に食い込む健闘を見せた。

 

結果的にポアゾンブラックは早や仕掛けだったかも知れないが、動いた瞬間、園田ファンの胸は躍ったのではないか。着を拾う乗り方よりも、勝ちに行く姿勢に感動を覚えた。そしてレース後、現在ホッカイドウ競馬が冬季休催中ということもあり、このまま兵庫に所属してレースをすることが発表された。

 

トップハンデのドリームバレンチノにしても、あそこは動かざる得ないところで、勝ち馬を褒めるしかないレースぶり。

 

4着のドリームバレンチノはこのメンバー相手に4着は立派のひと言。今後ダートグレード戦線で楽しみだし、園田では敵なしになる可能性もある。

 

5着のニホンカイセーラも立派で、やはり1400mは走る。遠征は苦手だが、来年のさらなる成長を楽しみにしたい。

 

エイシンゴージャスはハナを奪えず、いいところなく9着に敗退。2番人気アキトクレッセントもスタートで後手に回った時点で終わっていたかも知れないが、差しに回って8着。巻き返す余地は十分にあるだろう。

 

勝ったレーザーバレットは重賞2勝目。7歳になって初めて重賞勝ちを収めた遅咲きの出世だが、ダート界はフレッシュさよりもキャリアが大きくものを言う。

 

次走は高知の『黒船賞』を目指して調整される。来年はダートグレードの短距離路線で中心的存在になっていくだろう。

 

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忘れてはならないことがひとつある。佐賀の『サマーチャンピオン』で、このレーザーバレットに先着したタガノジンガロがいたことを。

 

もし生きてここに出ていれば…。と思うが、何事にもタラレバは禁物で、また強い兵庫県馬の出現を期待しよう。

 

タガノジンガロやオオエライジンの思い出が、霞んでしまうような馬の出現を。

 

写真:斎藤寿一
文:竹之上次男

兵庫ゴールドトロフィー:重賞レース枠順確定!

『兵庫ゴールドトロフィー』の枠順確定!編集長の見解等、データ情報満載!(24日15:50)

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