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タガノジンガロ、秋初戦を快勝!ハルイチバンも健闘!

さすがダートグレードレースの勝ち馬。重賞の『姫山菊花賞』(園田競馬場・1700m)を問題なく圧勝してみせたタガノジンガロ(牡7・新子厩舎)。

 

レース結果はコチラ

 

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第54回『姫山菊花賞』は他地区との交流重賞。しかし、今年は出走を予定していた遠征馬が全て回避。残念ながら地元馬のみで行われました。

 

注目されたのはタガノジンガロとハルイチバン(牡4・平松厩舎)の初対決。

 

ハルイチバンは今年の春に『六甲盃』を勝って重賞初制覇。

 

5月の『兵庫大賞典』は亡くなったオオエライジンの後塵を拝したが、それ以外はいずれも逃げ切り勝ち。秋初戦を快勝のあと、上積み十分でここへ臨みました。

 

一方のタガノジンガロは真夏の『サマーチャンピオン(JpnⅢ)』(佐賀競馬場・1400m)を3着のあと、オーナー牧場で一旦クールダウン。秋初戦がこのレース。

 

それでも状態は良好で「2走前の園田で勝ったとき以上のデキ。この状態で『サマーチャンピオン』に出ていれば、もっと違った結果になったと思う」と新子調教師が語るほど、こちらも順調。

 

オッズはタガノジンガロが最終的には1.1倍で1番人気。ハルイチバンが4.7倍で2番人気。

 

「スピードがあるから自然にハナに立つと思う」と平松調教師が言うように、ハルイチバンが先頭で、それを追うタガノジンガロというのが大方の展開予想でした。

 

しかし、蓋を開けてみると、ジンガロに騎乗した木村騎手はスタートから気合いを付けて飛び出し、遂にはハナに立ってしまいました。

 

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「自分のペースで走らせたかったので」と木村騎手。相手のペースに合わせて遅い流れで折り合いを欠くより、気持ち良く走らせたいという思いがハナに立たせたのです。

 

久しぶりにハナを譲る形になったハルイチバン。それでも折り合いを欠く様子もなく、無理なく2番手を追走。

 

3、4番人気のウェーブオーキッド、シルクシンフォニーは後方で脚をためて、お終い勝負にかけるいつもの戦法。

 

マイペースで逃げるジンガロは2馬身ほどの差を保ったまま3コーナーを迎えます。

 

鞍上の田中騎手が懸命に押して並びかけるハルイチバンは、なかなか差を詰められない。そこへ後方から脚を伸ばすシルクシンフォニーとウェーブオーキッドが迫る。

 

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直線で木村騎手が追い出すと、2番手以下の差がさらに広がる。粘らんとする田中騎手に、シルクがジワジワ詰め寄ってくる残り200m。

 

最後は5馬身の差となり、左手を高々と上げて余裕で勝利をアピールする木村騎手とタガノジンガロ。

 

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2着は、結局ハルイチバンがこらえ切り、シルクシンフォニーが1馬身半の差で3着。さらに4馬身差でウェーブオーキッドが4着となりました。

 

『姫山菊花賞』はJBCの指定競走。望めば『JBCスプリント』、『JBCクラシック』のどちらかに出走可能(優先出走権はないが、選定にあたってその成績が重要視される)。

 

しかし、オーナーサイドに話を訊くと「左回りが厳しい」との見方をしている模様。「5月の『さきたま杯』(浦和競馬場)で7着だったとき、かなり内にササってレースにならなかった。右回りなら喜んで行くんですけど…」とのことでした。

 

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その経緯から、次走は京都競馬場の『みやこステークス(GⅢ)』(11月9日・1800m)となるようです。

 

新子調教師は「年末の『兵庫ゴールドトロフィー(JpnⅢ)』(園田競馬場・1400m)を見据えて考えれば、強い相手と戦っていたいと思い、右回りでちょうどレース間隔もいいここに決めました。距離も中央時代に勝っていますし、問題ないでしょう。ここで良いレースができれば次がさらに楽しみになりますからね」とかなり期待を持っての出走です。

 

今後のプランから考えて、やはり地元戦では躓いてはいられないことは明白で、調整台的な感覚で臨んだこのレース。他陣営が勝てるはずもなかった。

 

『みやこステークス』でも好走の予感は大ありで、是非とも注目してもらいたいところです。

 

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一方、2着に負けたハルイチバン。逃げたときは【7-2-1-0】の好成績。逆に先頭でレースをしなかったときは【3-5-1-6】と極端に成績が落ちていたこれまででした。

 

そんな中、強力な相手に力で捻じ伏せられるような形でハナを譲りながらも、しっかり2着を粘ったあたりに、精神面の強さと確かな成長を感じさせました。

 

次走は『園田金盃』を目標に調整される。今シーズンは県内相手に戦い、来年はいよいよ他地区への遠征も考えてローテーションが決められていく。

 

兵庫生え抜きの同馬にかけるファンの期待は大きく、この一戦での成長がさらにその期待を膨らませることになったのです。

 

写真:斎藤寿一
文:竹之上次男

 

木村騎手、SJT2014第1ステージ突破!

10月6日(月)に盛岡競馬場で行われた『スーパージョッキーズトライアル(SJT)2014』第1ステージ。

 

兵庫県代表として参戦した木村健騎手は3着(13P)、13着(1P)の成績で、合計14Pで総合7位(1位と7P差)となり、第1ステージを突破。

 

最終決戦となる10月23日(木)の第2ステージ(名古屋競馬場)へ駒を進めました。

 

上位との差はわずかで、総合優勝のチャンス十分!

 

逆転して地方騎手代表で、世界の舞台に立つことができるのか注目です!!

 

※STJとは、今年は東京競馬場で11月29、30日に開催される『ワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)』に向かうための、地方騎手代表選定競走。各地区のトップジョッキーが選ばれ、計4戦をポイント制で競い、総合優勝者がWSJSに進出できる。

 

木村騎手が復帰!【レース結果を追加】

腰痛で9月10日の騎乗を最後に戦列を離れていた木村健騎手が、10月1日から復帰!

 

1日(水)は6鞍。2日(木)はフル騎乗の8鞍に騎乗する。

 

◆10月1日(水) 園田競馬3日目
4R ③チキリガム     1着
5R ⑥サトノバイタル   2着
7R ⑧アーリーボーイ   3着
9R ①マジカルドラゴン  1着
10R ⑩エナエビス     1着
11R ⑦ローゼロッセ    5着

 

◆10月2日(木) 園田競馬4日目
1R ⑦スタートナウ    4着
2R ⑤バトルミュートゥス 7着
3R ⑨ワイエムポーター  1着
7R ⑧サクセスブリッツ  6着
8R ③ヒカルジュピター  6着
9R ⑪リカティール    4着
10R ⑩クリノチョモラーリ 1着
11R ⑩ビナファイブ    6着

 

※10月3日(金)の騎乗馬は、10月1日に決定

小谷騎手、嬉しい初重賞制覇!

市場取引価格3150万円という、超破格の牝馬トーコーヴィーナス(牝2・吉行厩舎)が『園田プリンセスカップ』(9月18日)を3戦無敗で制しました。

 

成績はコチラ

 

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主戦ジョッキーで、このレースでも手綱を取る予定だった木村健騎手(39歳)が、前週に腰を痛めて騎乗変更。

 

レースの週になっても完治せず、乗り替わりに。

 

そこで白羽の矢が立ったのが、普段は調教で同馬に跨っていた小谷周平騎手(28歳)でした。

 

リーディング全国トップの木村騎手からの乗り替わりで、注目を集める無敗馬に騎乗。

 

重賞レースで勝ち鞍のない騎手がその大役を任されるわけですから、想像するだけでプレッシャーに押し潰されそうになる画が浮かぶ。

 

「苦しかったです…」小谷騎手は素直にその気持ちを表彰台で吐露しました。

 

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「この馬が一番強いということを信じてたので、積極的な競馬をしようと何度も心に言い聞かせて乗りました」

 

その言葉通りスタートから気合いをつけてハナに立ちます。

 

そこへ人気を分け合ったショウリ(田中学騎手)がピッタリ2番手に付けてプレッシャーを与え続けます。

 

当面の相手と思われる馬に徹底マークされる形で、決して良い流れとは言えません。

 

「人間はあたふたしてたんですけど、馬はドシッとしていて、まだ遊んでました(笑)」

 

それが証明されたのが4コーナー、プレッシャーを与えていたはずのショウリが逆に突き放されてしまいます。

 

人気の2頭が前で競り合う流れは、差し馬の格好の餌食。

 

後ろからグングン迫ってくる遠征各馬。外から笠松のティープリーズが、内からは道営のユメノヒトが…。

 

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しかし、ここからがトーコーヴィーナスの強さ。

 

完全に差し馬有利の展開でも、最後にもうひと踏ん張りがきく。

 

3/4馬身の差でティープリーズ以下を退けて、デビューから3連勝。そして初の重賞制覇を成し遂げました。

 

必死で追って迎えたゴール。下を向きながら左手を真っ直ぐ家族が見守るところへ向ける。

 

かつて味わったことのないとてつもないプレッシャーから解放された瞬間でした。

 

「悔しい想いばっかりだったので、ゴール板を過ぎたときは、もう涙が止まらなかったです…」

 

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あどけない表情からは想像できない、2男2女の父という小谷騎手。

 

「お父さん泣いているの?」と無邪気に聞くこどもたちに「泣いてるよぉ」と涙を隠さなかった優しいお父さん。

 

笑顔で迎えた奥様のお腹には、なんと5人目のお子さんが宿っていました!

 

「正直、こどもたちと嫁さんと記念写真を撮るのが、結婚してからのひとつの目標だったので…。何とか10年経って…ホントに良かったです」と声を詰まらせながら応える小谷騎手。こどもたちにはとても逞しく映ったことでしょう。それは彼らのキラキラした目に十分感じられるのでした。

 

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トーコーヴィーナスは、期待通りの活躍で3戦3勝、無敗のまま重賞を制覇。

 

母は桜花賞3着馬のホーネットピアス。

 

「春に同じ舞台に立つことができれば」と管理する吉行師は夢を語ります。

 

それが決して夢物語ではなかったと、皆が驚く日が来ることを期待せずにいはいられません。

 

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写真:斎藤寿一

文:竹之上次男

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