エーシンサルサ、夏の王者に!
2014年08月16日
牝馬ながらに57キロで、それがトップハンデ。
それほど見込まれても、エーシンサルサが『摂津盃』を6馬身ちぎってしまった…。
レース結果はコチラ。
『摂津盃』は園田伝統の真夏のハンデ重賞競走。
いかに勢いがあると言っても、牝馬の重賞しか制していない馬に、古馬の牡馬混合重賞初挑戦で57キロは重すぎる。
しかも、登録の段階では名前があった『かきつばた記念(JpnⅢ)』の勝ち馬タガノジンガロが59キロ。
牝馬は2キロ減と考えれば、サルサはジンガロと同斤量とも取れる。
自身が背負い切れるかどうかは別として、ハンデとは相対的なものなのだから、比較的重いというのは間違いないところ。
それでも全く関係なくサルサは強かった。
「57キロ背負ってるので、(うまくスタート)出ればハナに行こうと思っていました」と木村騎手が振り返ったスタートは抜群の出。
内から大山騎手のマイアヴァロン(53キロ)も競りかけて来たが、それを威圧するように制してハナに立つ。
「道中はリラックスして走ってたので、4コーナーまでこのまま行けば勝てるなという手応えでした」
木村騎手は早い段階で勝利を確信していたようです。
持ったままで直線に向いて6馬身差で圧勝する光景は、斤量の概念を根底から覆すようにも見えました。
この斤量でこの勝ち方。つくづく思うのですが、本当に勝つたびに強くなるエーシンサルサ。
「兵庫県の看板馬になって欲しい馬なので、もっと強くなってくれることを祈っています」
なるほど、木村騎手もまだまだこの馬には奥があると読んでいるようです。
順調に行けば、このあとは当初の予定通り9月15日の『秋桜賞』(名古屋競馬場・1400m)へ向かいます。
管理する橋本忠男調教師は「やっぱり57キロは多少堪えたと思う。ちょっと反応が鈍かったところがあったからね。それでもこの勝ち方やし、心配するほどでもなかったね」と余裕の表情。
さて、馬券対象の2着、3着の争い。
道中では好位のインを進んで脚を溜め、4コーナーで上手く外に出して伸びたサトノフェニックスが2着に食い込んだ。
鞍上の笹田騎手は完璧な競馬。これは大いに褒めてやってほしいところです。
3着にはツルマルホクト。この馬憎いくらいに相手なりに走る。
レース間隔もちょうどよく、これからも目が離せない存在。
同馬が11番人気だったこともあり、断然人気馬が勝ちながら、3連単では4万1520円の好配当となりました。
今年に入って馬が変わったような強さを見せる、兵庫県生え抜きのエーシンサルサ。
どうぞ皆さま、この名前を覚えておいてください。
写真:斎藤寿一
文:竹之上次男