ダートグレード競走 農林水産大臣賞典

第18回兵庫チャンピオンシップ(重賞Ⅱ)

レース結果

第18回 兵庫チャンピオンシップ(勝ち馬:タガノディグオ)

六甲盃写真

レース概要

第18回『兵庫チャンピオンシップ(JpnⅡ)』が5月4日、絶好の競馬日和のなか行われ、JRAからの遠征馬タガノディグオが5番手追走から差し切って快勝。昨年に続いて5着までJRAが独占して幕を閉じた。同馬は初重賞制覇。鞍上の川島信二騎手は同レース2勝目で、兵庫のダートグレードは3勝目。管理する宮調教師は、兵庫のグレード初制覇となった。『菊水賞』の1着~3着までが揃って回避した今年の『兵庫CS』。この時点でJRAに馬場を貸すだけのレースが確定する。人気を集めたのはJRAのリゾネーター。デビュー戦は4着だったが、その後は3連勝。本番でも好結果を残す『伏竜ステークス』を勝って参戦する完璧な臨戦過程。すでに勝負付が済んだ馬もいて、断然人気(1.4倍)も十分うなずける。ちなみに新馬戦で敗れた相手は怪物エピカリス。2番人気は牝馬のクイーンマンボ。芝のデビュー戦で敗れたあとダートで2連勝。前走が好時計で勢いを感じさせる。ダートで8戦して3着を外したことがないタガノディグオも堅実さを買われて3番人気に。あとはシゲルコング、ノーブルサターンとJRAが人気を独占した。

スタート出遅れたのはシゲルコング。前走もスタートで立ち遅れて巻き返すようにハナに立ったが、今回は控える形に。逃げたのはノーブルサターン。そして2番手に取り付いたのが地元兵庫のナチュラリー。3番手のインコースにクイーンマンボ。4番にリゾネーターが付けた。普段は追い込みのタガノディグオはスタートを決めて5番手を追走する格好となった。淀みなく流れる展開で正面を通過して行く。この時点で外目を廻るリゾネーターに、軽快さが感じられない。案の定、2コーナーに差しかかったところで前の各馬を追って行くも、取り残されてしまう。それを後方で見ていたタガノディグオがスパートを開始する。「(リゾネーターの)手応えが怪しいので、目標を前に切り替えて追い出しました」と鞍上の川島騎手も人気馬に見切りをつけた。600を切った時点で2番手以下を突き放したノーブルサターン。ペースアップについて行けなくなったナチュラリーは苦しくなり、敢え無く後退。替わってクイーンマンボが進出。タガノディグオもグングン前との差を詰めて行く。リゾネーターは突き放される一方で、完全に圏外に脱落した。早めから勝負に出たノーブルサターンが逃げ込みを図るなか、掴まえに行くクイーンマンボに前走のようなキレ味が感じられない。逆にタガノディグオは徐々に追い詰め、2番手に上がって直線を迎えた。ロングスパートのノーブルサターンは、さすがに最後は脚色が鈍る。そこを力強く一完歩ずつ差を詰めたタガノディグオが遂に先頭に立ち、3/4馬身差をつけてゴールを迎えた。3馬身差でクイーンマンボが3着。さらに9馬身の差があってリゾネーターがようやく4着。それから4馬身差でシゲルコング、3馬身半差でナチュラリーが地方馬最先着の6着だった。

騎乗した川島信二騎手は、この日は同レース以外に2度騎乗していた。「きょうも他のレースに乗らせてもらって、前が残る馬場だと感じていたので、早めの競馬をしようと考えていました。乗せてくださった調教師の先生に感謝しています」と謙虚に律儀に喜びよりも、先に感謝を述べた。これまでも遠征時は、交流戦以外のエキストラ騎乗が多かった川島騎手。今回遠征した騎手の中では園田巧者であるのは間違いなかった。タガノディグオ自身も素直に反応して突き抜けたのだから相当の能力で、相当のダート巧者だ。『兵庫CS』は、これまで多くのダートの猛者たちが、若かりし頃に踏んだ舞台。タガノディグオのこれからの活躍も大いに期待できそうだ。今年もJRAが5着までを独占。この6年間で5度目の不名誉だ。敵前逃亡した地元の有力馬は、ナチュラリーを見倣ってほしい。6着に敗れはしたが、果敢に2番手に取り付く競馬を見せてくれた。未勝利で重賞勝ちしていて、勝ち鞍はその1勝だけだが、その後にJRA遠征を重ね、速さに磨きをかけていた。今回の経験を活かし、6月には大きなタイトルを手にしてくれと、思わず応援する気持ちが湧いてくる。

レース結果

第17回 兵庫チャンピオンシップ(勝ち馬:ケイティブレイブ)

第17回 兵庫チャンピオンシップ写真

レース概要

ゴールデンウィーク真っ只中、好天に恵まれて行われた『第17回兵庫チャンピオンシップ(JpnⅡ)』(以下兵庫CS)は、2番人気のJRAケイティブレイブが兵庫の川原正一騎手の騎乗で楽々逃げ切って勝利。同馬は10戦3勝で、重賞初制覇。川原騎手にとっては第1回(笠松ミツアキサイレンス)以来となる2度目の同レース制覇となった。管理する目野厩舎は、兵庫でのダートグレードは2005年の『兵庫ゴールドトロフィー(JpnⅢ)』をニホンピロサートで優勝して以来の2勝目。 昨年に続き、JRAの5頭はダート2勝以上を挙げているバリバリのオープン馬。中でもデビューからダートで3連勝中、ヒヤシンスSの勝ち馬ゴールドドリームが注目を集めた。ヒヤシンスSを使って臨戦した馬は常に好成績を残してるが、今年の同レースは異様なまでのレベルの高さ。2着馬はのちに伏竜ステークスを勝つストロングバローズ。5着に敗れていたのが、ドバイでUAEダービーを勝ったラニ。結果的にはこのとき4着だったケイティブレイブが、さらにその名を高めることになる。 ほぼ揃った飛び出しだったスタートだが、わずかにゴールドドリームが遅れる。それでも大きな遅れではなく、行き脚がついて3番手の外側まで押し上げた。逆に好スタートを切ったのがケイティブレイブ。ハナを奪うとマイペースに持ち込んで行く。 2番手には地元のエイシンニシパが取り付いた。これは意外な展開。つまり、地元馬が2番手に付けられるほどのスローペースになった。レース後にタケマルビクター(7着)に騎乗した田中学騎手が「地方の馬がかかるぐらいのペースなんて考えられない」とこの時点で上がり勝負ではとても敵わないと観念してしまった。 3番手に外側にゴールドドリーム、その内側にデムーロが騎乗したレガーロ(3番人気)が並ぶ。4番人気のイーストオブザサンがその後ろに続き、さらに後ろで5番人気のグランセブルスが追いかける展開。 もう完全に川原騎手が主導権を握った。2番手のエイシンニシパが強豪相手に自ら競りかけて行けない。3番手のゴールドドリームも動かないとなると、いよいよもって川原ペース。前走で負かしているとはいえ、さすがにこのペースで逃げられれば、どう考えても前が有利。 2週目の向正面で追い上げて行くゴールドドリームだったが、3コーナーで1馬身差までに詰めるのがやっとだった。余裕で待ち構えていたケイティは、追い出すとあっさり差が広がって行く。4コーナーで2馬身、直線に入って4馬身、5馬身とその差がみるみる広がって行く。 とうとう最後は7馬身の差がついた。ケイティブレイブが大本命馬を向こうに回し、堂々逃げ切ってヒヤシンスSの借りを返した。一度負かした相手にぶっちぎられたゴールドドリームは2着は確保。スタートとペースと小回りに苦しんだ結果で、広い馬場で巻き返しは当然あろう。それでも、今回は完敗を認めざるを得ない。 3着争いが接戦で、レガーロが粘っていたが最後はグランセブルスの追い込みが届いた。レガーロはやや距離が長かったかも知れない。最後までよく粘った地元のエイシンニシパは、5着争いでわずかにイーストオブザサンに敗れ、結局6着。それでも次の兵庫ダービーに向けて、大きな収穫得たことだろう。 さぁ、これから始まるのが3歳ダート戦線。6月19日の『ユニコーンステークス(GⅢ)』(東京競馬場)→7月13日の『ジャパンダートダービー(JpnⅠ)』(大井競馬場)とダートの猛者覇を競う。まずは一歩リードと言えるケイティブレイブだが、当然ゴールドドリームの反撃はある。ラニは海外遠征でこの争いは不参加かも知れないが、ストロングバローズも主役候補の一頭だ。 毎年、3歳ダートグレードの初戦である『兵庫CS』は、その年の勢力図の書き始め。ワクワクさせられる一方で、地元馬が久しく加わっていないのを寂しく思う。去年は全馬が1870mを初距離で迎えた地元勢。今年は出走した4頭のうち、3頭が経験していて、その内2頭が勝ち鞍もあった。重賞へ向けての路線整備が甘かったものが、徐々に解消されつつある。このことが、いつかは3歳ダート戦線の勢力図に兵庫の馬が加わることに繋がってくれないかと期待する。

レース結果

第16回 兵庫チャンピオンシップ(勝ち馬:クロスクリーガー)

第16回 兵庫チャンピオンシップ写真

レース概要

3歳ダートグレード戦線初戦の『兵庫チャンピオンシップ(JpnⅡ)』は、JRA馬クロスクリーガーが2着のリアファル(JRA)に9馬身差をつけて逃げ切り勝ち。力の違いをまざまざと見せつける圧勝劇となり ました。同馬は初重賞制覇。庄野靖志厩舎は同レース初優勝。鞍上の岩田騎手は’07年フェラーリピサ、’11年エーシンブラン以来、3度目の優勝を飾った。3着にもJRAのポムフィリア。そして4着に 地元馬コパノジョージ、5着にインディウムが食い込んだが、やはり今年もJRA勢の壁は厚かった。7戦7勝の菊水賞馬で、回避が伝えられていた地元兵庫のインディウム(牡3・田中範雄厩舎)の急遽の参戦で 注目度が高まり、俄然園田競馬場は活気づいた。過去10年ではJRA勢が全勝。ワン・ツーフィニッシュが9回、3着までの独占が6回。4年前からJRAの出走頭数が5頭になると、初年度は除外馬も出て 掲示板を占められることはなかったが、その後の3年間は完全に5頭に掲示板を独占されてしまい、馬場を貸すだけという状況が続いていた。インディウムの参戦は、その牙城を崩すに違いないと、園田ファン や関係者は胸を熱くした。しかし、そこに立ちはだかるクロスクリーガーの強さはケタ違いだった。前日に行われた『兵庫大賞典』の新聞記事を読んで、クロスクリーガーに騎乗する岩田騎手は「外枠はゲート で滑るので、気を付けて行こうと思いました。でも、ちょっと滑ってしまいましたね(笑)」そんなスタートでもダッシュを利かせてハナに立ちます。前走の『伏竜ステークス』で2着に負かしたリアファルが先 手を奪いに行こうとするのを制して、主導権を握る。3番手に地元のマキシマムカイザー、4番手に『菊水賞』で2着だったコパノジョージが付けて、5番手にインディウムという展開。3番人気のタンジブル はスタートで立ち後れてしまい最後方から。終始余裕の手応えでレースを進めるクロスクリーガー。徹底マークのリアファルとの2頭で、3番手以下を次第に突き放して行きます。「速い流れなので、これは差し 馬の展開になって、ひょっとして上位に食い込むチャンスがあるかも知れない」と奇しくもインディウムの木村健騎手とコパノジョージの田中学騎手は同じことを思った。残り800mの地点で、先ず木村騎手 が動いて行く。それよりも、一歩遅らせて田中騎手も追い出し始める。それでも一向に前との差が詰まらない。一方の岩田騎手の手応えは依然抜群で、持ったままで4コーナーを迎える。つまり、無理に飛ばし て速い流れを作っていたのではなく、マイペース自体が、そもそも他の馬とは違っていたのだ。直線でもその差はさらに広がり、最後は9馬身差の大楽勝。2着にリアファルがそのまま粘り、さらに5馬身差が あって3着に中団で脚をためていたポムフィリアが上がる。コパノジョージが4着に粘って、地方馬最先着。無敗のインディウムは地元馬にも先着を許しての5着で、初めての敗戦を喫した。勝った岩田騎手は 「きょうは前に行った方が有利だと思い、行けそうならハナに行こうと思っていました。馬場にも助けられましたが、強かったですね」と言うものの、馬場の助けなのではなく、断然の能力差がもたらした結果。 負けたリアファルの北村友一騎手も「相手が一枚上だった」と完全に脱帽の様子だった。『日本ダービー』へのプランもあったそうだが、しばらくはダート路線に集中。7月8日の『ジャパンダートダービー (JpnⅠ)』(大井競馬場・2000m)に向かうとのこと。ドバイに遠征したゴールデンバローズがいないのであれば、敵などいないだろう。今年は4着、5着に食い込んだ地元馬。4年連続の掲示板独占を阻止した 活躍はお見事。最後はともに一杯になってバテてしまったが、残るJRA馬2頭には先着を許さなかった。『菊水賞』の着順が逆になり、6月4日の『兵庫ダービー』が楽しみになってきた。そこへ昨年の2歳 王者、牝馬のトーコーヴィーナスの参戦となると、より一層園田の世代王者決定戦が盛り上がる。それにしても岩田騎手の笑顔が晴れやかだった。

昨年の結果

第15回 兵庫チャンピオンシップ(勝ち馬:エキマエ)

第15回 兵庫チャンピオンシップ写真

レース概要

 快晴のもと行われた『第15回兵庫チャンピオンシップ(JpnⅡ)』は、2番人気のエキマエ(牡3・JRA中川厩舎)が優勝。
3連勝で見事に重賞初制覇。中川調教師は、開業以来JRAを含めて初の重賞制覇でもありました。

 好スタートで先手を奪ったのは、ウィリアムズ騎手が騎乗したエスメラルディーナ(1番人気)。それを見ながら2番手に取りついたエキマエ。  「砂をかぶらない位置でレースがしたかった。(こちらが)速ければ行ってしまおうと思ったんですけど、向こうが速かったので2番手からになりました」と戸崎騎手。
 レース間隔が2ヶ月以上空いて、しかもこの馬には初騎乗。「返し馬からいい雰囲気で、気合いも入っていましたし、問題なかったですね。初めて乗せていただいたんですけど、 いい馬でした。力強さを感じました」

 レースが動いたのは2周目の向正面。フジインザスカイが追い上げ、マキャビティも進出を開始。ワンテンポ遅らせてランウェイワルツ(3番人気)も脚を伸ばす展開。
JRA勢が完全に上位を固めて4コーナーに。

 勢いよく大外から追い上げてきたランウェイワルツが直線で抜け出す。完全に決着がついたかと思われたその瞬間、内からエキマエが驚異の差し返しを見せ、 ゴール前でクビ差抜け出して勝利をものにしました。

 「一度かわされたんですけど、渋太く伸び返してくれたんで、さすがだと思いました。スタートも良く、 いいスピードも持ってますので、奥が深い馬だなぁと感じました。競馬が上手なんで、距離が伸びても大丈夫だとは思います」

 3歳馬のダートグレード戦線はこのレースからスタート。そこを制したエキマエには、今後の動向に注目が集まります。2着のランウェイワルツも勝利に等しい内容で、 巻き返しに期待が持てます。3着のエスメラルディーナも距離延長にも十分な対応を見せました。これら3頭とも、ダート路線での活躍に大いに期待ができ、 地方競馬のダートグレード戦線を賑わせてくれることでしょう。