第53回兵庫大賞典(重賞Ⅰ)

レース結果

第53回 兵庫大賞典(勝ち馬:サウスウインド)

六甲盃写真

レース概要

伝統の春の頂上決戦『兵庫大賞典』が行われ、1番人気に支持されたサウスウインドが逃げ切って優勝。春の頂点に立った。同馬は4勝目のタイトル。鞍上の赤岡修次騎手(高知)は、園田の重賞は3勝目。管理する山口浩幸調教師は、同レース初勝利で、重賞は通算5勝目となった。重賞勝ち馬7頭が集う空前の好メンバー。『兵庫大賞典』はまさに頂上決戦に相応しい顔ぶれで行われた。単勝オッズも混戦を極め、3倍台で3頭が並んだが、最終的にはサウスウインド(重賞3勝)が1番人気に。2番人気に牝馬のタガノトリオンフ(重賞1勝)、3番人気にインディウムが続いた(重賞3勝)。4番人気には重賞未勝利ながらもアサクサセーラ。折からの前残りの馬場もあって、逃げる同馬にファンから大きな期待が寄せられた。バズーカ(重賞5勝)、エーシンクリアー(重賞8勝)、ハルイチバン(重賞2勝)、アクロマティック(重賞3勝)といった各馬が伏兵視されたが、いずれも一時代を築いたツワモノ。本命級の力を有していることは、園田ファンなら誰でも知っている。

アサクサセーラが逃げると思われていたが、サウスウインドの赤岡騎手が果敢にハナに立った。「ここへ来る前は控える競馬をしようと思ってましたけど、きょうのレースの傾向を見ると、ハナを切った馬がずっと勝ってたし、枠も内だったので」と赤岡騎手が振り返ったように、直前の作戦変更だった。控えざるを得なかったアサクサセーラが2番手に、3番手にタガノトリオンフ。そのあとにハルイチバン、エーシンクリアー。インディウムとバズーカは中団で折り合いに専念する。「自分のペースで、ちょっと速くなってもいいかなと思って逃げていました」とスローの上がり勝負ではなく、持久力勝負も持ち込むために、淀みのない流れを作っていく。こうなると、2番手以下の各馬はなし崩しに脚を使わされてしまう。追いかけていたアサクサセーラとタガノトリオンフは次第に遅れをとり、3コーナーでは完全に突き放されてしまう。そこへ追い上げて来たのがエーシンクリアー。上がり勝負には強くないが、しぶとさ比べには自信を持つ。騎乗しているのもスタミナ自慢の吉村騎手だから息ももつ。バズーカ、エイシンホクトセイなども迫って来る。インディウムも差を詰めにかかるが、伸び脚がひと息だ。直線に向いて逃げ込みを図るサウスウインド、ただ一頭迫るエーシンクリアー。あとは離されてバズーカ、その内から人気薄のエイシンホクトセイが並びかける。最後は半馬身差まで詰められたが、サウスウインドが押し切って勝利。エーシンクリアーの6年連続重賞勝利はお預けとなった。その後ろの3馬身半差に11番人気のエイシンホクトセイが食い込んだ。そのため、3連単では15万円台の大波乱となった。4着、5着には出遅れながら追い上げたバレーナボスとアクロマティック。バズーカは最後は脚が上がって6着。2、3番手に付けていたアサクサが7着、タガノが8着。インディウムがなんと11着。短距離路線からの距離延長で、終始ムキになってしまい、息の入る走りができなかったそうだ。

サウスウインドは、これで現時点で、中距離では王者に君臨したことになる。短距離では5月3日にトウケイタイガーが『かきつばた記念』でダートグレード制覇を成し遂げた!おそらく両者が対戦することはないだろうが、それぞれの路線で大いに活躍してもらいたい。4年ぶりにナイターで行われた『兵庫大賞典』は、好メンバーだったことも手伝って大盛況だった。この日の売り上げは5億2612万8200円。一週間前に記録した数字を1億以上も超えるナイターレコードだった。最近の売り上げは好調で、天井知らずの勢いだ。ただ、今回はメイン以外はほとんどが下級条件。最下級のC3が4鞍。ひとつ上のクラスのC2も4鞍。JRAで言えば、未勝利と500万下で8鞍組まれたことになる。距離も1400mが10鞍で、あとはメインの1870mと1230mがひと鞍ずつとバリエーションに乏しかった。売り上げが伸びて注目度が高まり、そこへ来場者が多く望める祝日のナイター開催。ファンの皆さんをおもてなしするには余りにも残念な番組作りだったと感じた。それでも、そんなことを忘れさせてくれるぐらい、アツいレースを展開するのが園田のウリではあるが…。

レース結果

第52回 兵庫大賞典(勝ち馬:エーシンクリアー)

第52回 兵庫大賞典写真

レース概要

5月5日、ゴールデンウィーク開催の掉尾を飾る古馬王者決定戦『第52回兵庫大賞典』は、3番人気のエーシンクリアーが9馬身差の大差をつけて逃げ切り。一昨年3着、昨年2着の鬱憤を晴らすのに十分な圧勝劇となった。同馬は重賞7勝目。鞍上の田中学騎手は同レース3勝目だが、サラブレッドでは初勝利。通算39勝目の重賞勝ち。橋本忠明調教師は同レースは初制覇、重賞3勝目となった。 スローペースで逃げ切り圧勝というのは、前日に行われた『兵庫チャンピオンシップ』(ケイティブレイブが7馬身差で1着)同様だ。 メンバーは、現在兵庫在籍の上位メンバーが揃い、まさに春の王者決定戦に相応しい顔ぶれとなった。 1番人気は出走馬中、唯一今年の重賞勝ち馬である⑩アクロマティック。『新春賞』と名古屋の『梅見月杯』を制し、ダートグレードの『名古屋大賞典』では離されながらも5着を確保して、実績で1歩リードしている。 2番人気には④バズーカ。昨年の『兵庫ゴールドトロフィー』に出走が叶わす、短距離路線から中距離路線に目を向けてきた。前走でアクロマティック、エーシンクリアーを除いた当面の相手を一蹴して、勢いで一気の制圧を狙う。 遠征帰りの⑥エーシンクリアーが3番人気。佐賀の『はがくれ大賞典』で3連覇の偉業を懸けたが、3着に敗れていた。やや衰えを感じさせながらも、過去の実績では群を抜いている。 『六甲盃』で惜しくも2着に敗れた⑪バレーナボスが4番人気。船橋の『マリーンカップ(JpnⅢ)』で3着に食い込んだダブル⑫ファンタジーが5番人気。重賞で4着が3回ある①メイショウヨウコウが6番人気で続いた。 メイショウヨウコウが少し立ち後れたスタート。他はマズマズのスタート。出遅れ常連バレーナボスも悪くない。人気の3頭も良いスタートを切って前のグループを形成していく。その中からエーシンクリアーがダッシュをきかせてハナに立って行った。実に37戦目で、2度目の逃げの手だ。クロマティックは3番手の外側に付け、バズーカ(高知・赤岡騎手)は7番手まで控えた。 正面に入って来てペースはかなり落ち着いた。田中騎手が完全に主導権を握った。 こうなると後続は早めに動かなければ、前に残られてしまう。遅くとも2コーナーから仕掛けて行かなくてはならない。アクロマティック、バズーカも追い上げ体勢に入る。ところが、ここでエーシンクリアーも密かにペースアップ。 向正面では必死に追う下原騎手のアクロマティックと赤岡騎手のバズーカの反応が鈍いように見えた。だが、実のところはそうではなく、エーシンクリアーも同じようにスピードアップして後続との差を詰めさせなかったのだ。 3コーナーでは3馬身、4コーナーでは4馬身の差。完全に独走状態で直線を迎える。普通なら後ろを振り返り手綱を緩めるところだが、最後まで必死に追う田中騎手。その差はさらに広がって、最後は9馬身の大差となった。 熾烈な2着争いは、一旦2番手に上がったバズーカを、内から差し返してアックロマティックが意地で2着を確保した。 出遅れながらも4着にメイショウヨウコウ、5着にバレーナボスが入線した。 エーシンクリアーのこの日の強さは格別だった。3コーナーで反応が悪くなるズブさが、生涯2度目の逃げの手がかき消したのか、全く見られなかった。それどころか、後続を寄せ付けなかったこの時点で勝利を確信できるものだった。 同馬はこれで2歳から5年連続で重賞勝ちという記録を打ち立てた。得意のはずだった佐賀で3着になったことで、衰えも感じられていたが見事な復活劇だ。 そして、昨年から今年にかけて腰痛で半年間戦列を離れていた田中騎手にとって、約一年ぶりの重賞でのお立ち台。笑顔が弾けた。

レース結果

第51回 兵庫大賞典(勝ち馬:タガノジンガロ)

第51回 兵庫大賞典写真

レース概要

Jダートグレード勝ち馬タガノジンガロ(牡8・新子厩舎)が貫録を見せ、春の王者決定戦『兵庫大賞典』を制しました。これで同馬は『かきつばた記念(JpnⅢ)』(名古屋競馬場)、『姫山菊花賞』に続く重賞3勝目 。木村騎手は地方通算60勝目(他にJRA1勝)の重賞。新子雅司調教師は6勝目のタイトルとなった。やはり地元戦では力が違った。先手を奪ってハナに立つと、そのまま逃げ切ってあっさり勝利を手にした。 「スタートだけを気を付けて、何が起ころうとも絶対に落ちないようにと心がけました(笑)」と騎乗した木村騎手。園田競馬場の1700m、1870m戦では、外枠の馬がゲートで滑るようなスタートになるこ とが多い。「砂厚が薄く、上滑りするような格好になる」というのが騎手たちの見解。そのため、外枠に入ると必要以上に気を遣い、対戦相手よりもまずは脚元の馬場との戦いが始まる。断然人気が確定的だっ たタガノジンガロ。望んでいなかった11番枠を引き当て、思わず出た先ほどの木村騎手のコメントだった。気にかけていたスタートは、幸い上手く決めることができた。その勢いでハナに立ってしまう。兵庫 県最強馬が逃げる展開となっては、他馬は手も足も出ない。完全にレースを支配してしまった。しかし、ただ一頭食い下がったのは2番人気のエーシンクリアー。こちらも良いスタートを決めハナを奪いに行く 。ところがジンガロに勢いよく行かれて控えざるを得ない形に。そのとき鞍上の田中学騎手は「もう2着狙いしかないのか…」と思っていた。道中で早めに競りかけて行けば、2着すらなくなってしまう。追い 出しをゆっくりにして、最後の脚をためておきたいというのが騎手の心情。それでもこの日のクリアーの好調ぶりを感じていた田中騎手は、残り800mを過ぎた辺りからゴーサインを出します。この時点で「 2着狙い」の乗り方を捨てて、勝ちに行く。突き放そうとするジンガロに離れずついて行くクリアー。3番手以下は取り残され、大きく離されてしまう。完全にマッチレースの様相と化し、それがゴールまで続 いた。1月の対戦時、ジンガロがクリアーにつけた着差は4馬身。当然ここでも圧勝するだろうと思われていたが、しぶとく食らいつくクリアー。最後は1馬身3/4の着差でゴール。その後ろの3着争いは、大 差遅れてしまったが、8番人気のアランロドが3着を確保した。タガノジンガロの強さが際立つレースになる予想が多かった中、エーシンクリアーも強いと印象付けるレースとなった。レース後、管理する新子 調教師は「思いのほか突き放さすことができなかったのは、ひょっとしたら距離なのかも知れません。今年は一応、中距離路線を中心にレースを選択しようと考えていましたけど、あと1、2走試してみて、木村 騎手の感触を訊きながら路線を決めたいと思います」と今後のローテーションには慎重なコメント。距離的なものもあったのかも知れないが、エーシンクリアーが力を付けているのも事実。兵庫生え抜き馬の成 長は、関係者として非常に嬉しく思うところ。そのクリアーに、とても逆転できるとまでは感じさせなかったタガノジンガロは、やっぱり強い。昨年、年代表馬の称号は得られなかったが、この馬が兵庫No. 1であることは誰もが認めるところ。全国の注目を集めながら、今年も兵庫をけん引する。

昨年の結果

第50回 兵庫大賞典(勝ち馬:オオエライジン)

第50回兵庫大賞典写真

レース概要

 『第50回兵庫大賞典』は、単勝1.1倍の断然人気に支持されたオオエライジン(牡6・寺嶋厩舎)が快勝。 1月3日の『報知オールスターカップ』(川崎競馬場)以来の重賞勝ちとなり、通算10個目のタイトルを手にしました。

 好スタートから3、4番手に付けたオオエライジンは、逃げるスマイルヴィジット、2番手のハルイチバンを見ながら余裕の追走。 勝負どころで仕掛けて行くとスムースに反応。直線で前をアッサリ捉えて、2着のハルイチバンに2馬身半の差を付けて快勝。改めて地元No.1をアピールしました。

 鞍上の下原騎手は「早めに抜け出すと遊ぶ馬ですが、前に行く馬がしっかりしていたので安心でした。併せ馬になるとどこまでも動きますから(笑)」と自信たっぷりの騎乗で、 早い段階で勝利を確信していたようです。

 先日『かきつばた記念』をタガノジンガロが勝ちました。ダートグレード制覇に一歩届かない現状のオオエライジンにとって、先を越された形になりましたが 「対戦するときが楽しみです。いい勝負ができると思います」と直接対決に意欲十分の下原騎手でした。