第46回兵庫ゴールドトロフィー(JPNⅢ)

レース結果

第45回 園田ジュニアカップ(勝ち馬:マジックカーペット)

第45回 園田ジュニアカップ写真

レース概要

2016年の掉尾を飾る重賞、2歳王者決定戦の『園田ジュニアカップ』は、1番人気のマジックカーペットが中団から差し切って優勝。3戦無敗の2歳王者となった。管理する田中範雄調教師は重賞47勝目。同レースは2014年インディウムで勝って以来の6勝目。騎乗した田中学騎手は重賞42勝目。同レース5勝目となった。2戦2勝で重賞勝ちのあるナンネッタが早々と戦線離脱。好素質馬ホープクリスエスも追い切り後に不安が発生して回避。やや小粒な印象が否めなかった。ところがふたを開けてみれば、既成勢力の『兵庫若駒賞』勝ちナチュラリー、デビューから3連勝したブレイヴコール。それらに加えて新馬戦圧勝のあと、休み明けのレースでも圧勝したマジックカーペット、重賞2勝の兄を持つイオタイザンも参戦して、なかなかの好メンバーが集った。

スタートで出遅れてしまったのは、1番人気に支持されたマジックカーペット。それでもすぐさま中団馬群に取り付く。逃げを打ったのはブレイヴコールだった。ナチュラリーが2番手に付け、イオタイザンは前走同様末脚にかける戦法で後方に控えた。ペースは落ちつき、スローで流れて行く。この緩やかなペースを利用して、マジックカーペットの田中騎手は徐々にポジションを上げて行く。勝負どころでは、いつのまにか3番手グループにまで押し上げていた。前走鮮やかなマクリ脚で快勝していたイオタイザンが、向正面から動きを見せて進出を開始していくが、やはり相手強化の今回は思ったように先頭立つことができないでいる。スローな流れは当然、前にいる各馬に有利に働いて、追い上げ各馬にとっては苦しい展開に。逃げていたブレイヴコールが遂に追い出し逃げ込みを図る。2番手で前を睨みながらも、後ろからの追い上げを警戒していたナチュラリーも勝負に出る。ところが、すぐ後ろまで迫っていたマジックカーペットが鋭い反応を見せて、一気に先頭に並びかけて直線を迎える。ナチュラリーはこの時点で脱落。あとはブレイヴコールとマジックカーペットの一騎打ち。3勝馬の意地を見せ懸命に粘るブレイヴを、最後はキッチリ1馬身捉えて、マジックカーペットが差し切って優勝した。ナチュラリーは6馬身離されての3着。イオタイザンは伸びきれず4着に敗れた。

マジックカーペットはデビュー前から素質を見込まれていた期待馬。2戦目の前の能力検査で、ゲートでトラブルを起こし不合格になっていた。そういった不安を抱えながら圧勝した前走で、評価はさらに高まった。これで3戦3勝となり、一躍来年の重賞戦線での主役候補に名乗り上げることになる。スタートの甘さが現在の課題だが、名門田中範雄厩舎が当然解消してくれるだろう。デビューから川原、下原、田中とトップジョッキーばかりに乗り替わっているが、今後どの騎手と歩んで行くのかも楽しみのひとつとなる。

レース結果

第44回 園田ジュニアカップ(勝ち馬:ノブタイザン)

第44回 園田ジュニアカップ写真

レース概要

デビューから4連勝で重賞『若駒賞』を制したマイタイザン、同世代最多の5勝を挙げているスマイルプロバイド、デビュー前から評判の高かったノブタイザンが現2歳馬のトップスリー。これらが一堂に会する『園田ジュニアカップ』ならば人気も分散し混戦となっていたはず。ところがここへ駒を進めたのはノブタイザンだけで、あとの2頭は早々に回避を表明していた。実はこの3頭の主戦は、すべて杉浦騎手。彼に身体が三つあれば全馬が顔を揃えたかと言うとそうではなく、マイタイザンはノブタイザンと同馬主(厩舎は別)で、最初から路線を分けて使われていた。スマイルプロバイドは牝馬なので、年明けの1月22日『園田クイーンセレクション』へ照準が合わされた。自ずとノブタイザンに注目と人気が集まるのは当然のことだった。2番人気になったブルーウィザードは、2連勝中で期待がかかるが、同レースと同距離の1700mで、3走前に完敗を喫しているのが気がかり。3番人気はエクスペクトパレス。同馬はノブタイザンとデビュー戦でぶつかり、人気を二分するほどの注目を集めた。しかし気性の悪さを露呈して3着に敗れていた。その後も気性の難しさが付きまとう。リーディングトレーナーをこの時点で確定させていた新子調教師が送るシュエットが4番人気。400kgを切る馬体ながら、渋太さが魅力のハルカカナタが5番人気で続いた。

注目のスタートは揃った飛び出しに見えたが、わずかにノブタイザンが遅れて一瞬最後方になり場内がざわつく。そんな中、ダッシュを利かせてブルーウィザードがハナに立つ。それを追ってエクスペクトパレスが2番手。ハルカカナタは4番手。ノブタイザンは後ろから4番手に付ける形となった。ペースが一旦落ち着いた2コーナー、動きを見せる馬はおらず、向正面に入って行く。ここで後方からノブタイザンが進出を開始するが、思ったほどの伸びを引き出せないでいる。人気馬が伸びあぐねているのを見てチャンスと感じたか、アサクサセーラやトウケイヘイゾウの人気薄各馬が先んじて動いて行く。また反応も良かった。3コーナーで満を持して逃げ込みを図るブルーウィザードが追い出しにかかる。エクスペクトパレスも2番手で必死に食らいついて行く。ノブタイザンはようやくエンジンがかかったが、それでも4コーナー手前ではまだ5番手。大ピンチのまま直線を迎える。ブルーウィザードが2番手にいたエクスペクトパレスをまずは突き放す。そこへノブタイザンがやって来るのだが、思ったほどの勢いがない。なんとか2番手に上がったところへアサクサセーラが加わってくる。その瞬間スイッチが入ったか、ビュンとひと伸びを見せて、粘るブルーウィザードをゴール寸前に捉えきった。スタートで後手に回り、道中も反応が鈍い。直線もあっさりとは言い難かったが、最後は決めてしまうのだから、やっぱりなかなかの役者だ。

「ヒヤヒヤしました。嬉しいよりもホッとしました」と口にするものの、表情は極めて明るかった。2着のブルーウィザードはデビュー当初から大事に使われ、今回も1ヶ月以上間隔があった。完敗した1700m戦で2着と奮闘したのだから、成長力と厩舎陣営の努力が実った結果と言える。今後も重賞戦線で注目される1頭になるだろう。3着には10番人気のアサクサセーラ。こちらは逆に使われて力を少しずつつけてきた。メンバー中最多の16戦目のキャリアを活かし重賞でも結果を残した。まだ未勝利で勝ち切れないが、初勝利も近い。エクスペクトパレスは気性面から来るスタミナロスがやはり課題。最後の追い比べで見劣り4着となった。今後は折り合いがつきやすい短距離路線に絞るか、このままクラシック路線を歩むのか、選択が迫られる。思えば2歳戦は杉浦騎手のひとり舞台だった。ノブタイザン(3勝)、マイタイザン(4勝)、スマイルプロバイド(5勝)とオープン馬3頭の主戦を務め、これだけで12勝も稼いだ。初重賞制覇も達成、JRA初遠征も経験し、充実しきった一年であったに違いない。これらを擁して3歳クラシック戦線で中心的存在になっていくのだが、今後は目標が絞られていくので、使い分けが難しくなる。騎乗馬の選択に頭を悩ますことにもなるだろう。 いやが上にも彼の判断に注目が集まる。プレッシャーもあるだろうが、注目される存在になったことを誇りに思ってもらいたい。

昨年の結果

第43回 園田ジュニアカップ(勝ち馬:インディウム)

第43回 園田ジュニアカップ

レース概要

園田競馬2014年を締めくくる重賞レース『園田ジュニアカップ』は、絶対王者として君臨していた7戦6勝トーコーヴィーナスを、デビューからわずか54日目で臨んだインディウムが差し切って勝利しま した。同馬はこれで4戦4勝、重賞は初制覇。管理する田中範雄厩舎は重賞36勝目。鞍上の川原正一騎手は、なんと通算99個目のタイトル。2015年に大台の重賞100勝を目指すことになります。
トーコーヴィーナスが負けたレースは、JRAや他地区の強豪が集う『兵庫ジュニアグランプリ(JpnⅡ)』だけ。しかも逃げた2番人気のウィッシュハピネスを追ってハイペースを作り、同馬を4着に潰してしま うほどプレッシャーを与える走り。さすがに自身も苦しくなって7着に敗れたが、4コーナーで前をカットされる不利も痛かった。続く認定レースでは別定重量で57kg。2歳の牝馬が背負うには、あまりに も重いと誰もが思う酷量。それでも勝ってしまうのだから凄い。重賞レースは他地区との交流重賞『園田プリンセスカップ』と地元デビュー限定の『兵庫若駒賞』を勝っている。今回は地元デビューの限定戦、 王座防衛は間違いないと思ってなんら不思議のないこと。当然のように断然の人気になって単勝1.6倍。しかし3戦3勝の無敗で出走する挑戦者、インディウムにも期待をかけるファンも多く、無敗であるとい うのは強みと、年末独特の夢を求める想いがそうさせるのか、2.5倍と思ったほど突き放されずに続く2番人気。抜群のスタートを切ったトーコーヴィーナス。ダッシュも効かせて2番手以下を少し突き放すよ うにしてペースを上げます。一方、これまでの3戦、いずれもスタートが巧く決まらなかったインディウム。加えて初めて立つ1700mのスタート地点、戸惑いを見せるかと思いきや、これまた見事にスター トを決め、すぐさま3番手に取り付きます。ややペースを落ちた正面スタンド前で、インディウムが2番手まで押し上げる。これまでインディウムの主戦を務めていたからこそ、木村騎手は想定済みとばかりに、 余裕で待ち受ける先頭のトーコーヴィーナス。残り600m付近からこの2頭が動き出すと3、4番手に付けていた3番人気のポッドライジングもついて行けなくなる。こうなると完全にマッチレースの様相に。
手応えに余裕が感じられたトーコーヴィーナスに対し、懸命に追って迫るインディウム。それでも追い比べになると突き放されてしまうのではと思っていたら、執拗に食い下がりを見せる。デビュー戦で2着馬 に4秒4の大差をつけた好素質馬は並ではない。それどころか、直線ではトーコーヴィーナスを掴まえてしまうのですから。最後は1馬身1/4の差をつけて快勝。デビューから54日目、4戦4勝で無敗の2歳 王者が誕生したのです。2着に敗れたものの、3着のポッドライジングには6馬身差をつけているわけで、やはりトーコーヴィーナスも相当強い。スタート後に多少速い脚を使ったことが影響したか、追い出し てから思ったほど伸びず、地元馬に初めて黒星を喫してしまった。それも「相手のペースに合わせたくない」という陣営の思いがあってのことで、悲観する内容ではなさそう。今回は思った以上に相手が強かっ たというだけのこと。勝ったインディウムはデビュー戦もさることながら、その後も9馬身、6馬身と圧勝続き。ただ、強い相手にもまれていない経験不足が、一気の相手強化で面食らうというのはよくあるこ と。それを真っ向勝負で女王を破った能力は只者ではない。トーコーヴィーナス一強と目されていた、明けて3歳となる世代。これで二強。いや、このインディウムより素質は上と田中範雄調教師が言うダイリ ンエンドもいる。デビュー戦で2着馬に2秒1の大差をつけて圧勝。同馬も加わるとなれば、園田の3歳戦線が厚みを増していくことになり、益々楽しみが増える!年の括りに味わったどよめきが、春の期待感 へと変わって行く。