園田金盃 (重賞Ⅱ) 12/01 園田競馬charge advanced

第60回園田金盃(重賞Ⅱ)

レース結果

第59回 園田金盃(勝ち馬:バズーカ)

第59回 園田金盃写真

レース概要

年代表馬の行方を占う重要な一戦、『第59回園田金盃』は、その有力候補となる各馬が三強を形成する中、勝ったのは5番人気の伏兵バズーカだった。同馬は3歳時、他地区ばかりで挙げた重賞勝利以来の5勝目のタイトル。鞍上の木村騎手は同レース8年ぶり3度目の制覇で、地方通算重賞69勝目(他にJRAで1勝)。管理する田中範雄調教師は、同レース5年ぶり3度目の優勝。通算46勝目のタイトルゲットとなった。今年は稀に見る混戦となった年代表馬争い。この時点での重賞勝ちは、今年3勝しているのがアクロマティックとサウスウインド。2勝を挙げているのがエーシンクリアー。この3頭のうち、どの馬が勝っても代表馬を大きく手繰り寄せることになる。単勝オッズはエーシンクリアー2.7倍、サウスウインド3.1倍、アクロマティック3.4倍となり、ファンも三強ムードに仕立て上げた。当然、この中から勝ち馬が出て、年代表馬争いに決着がつくかと思われたが、競馬はやっぱり分からない…。

スタートを決めたのは、4番人気のレッドダニエルだった。前走でオープンに昇級した初戦で見事逃げ切ったレースの再現を図った。そこへエーシンクリアー、サウスウインドが並びかけて、一瞬の競り合いが展開される。少し離れてバズーカが4番手のポジション。アクロマティックは8番手となった。一旦ペースが落ちる正面スタンド前、各馬は末脚勝負に懸けるためここはジッと我慢のしどころ。それぞれ折り合いに専念する。ピッチが上がっていったのは向正面中間付近、レッドダニエルがここで後退して行く。エーシンクリアー、サウスウインドが抜け出していくが、手応えでまさったのはサウスウインドだった。サウスウインドがの赤岡騎手は後ろの動きを警戒しながら追い出すタイミングを計る。ところが後ろから迫って来るはずのアクロマティックが来ない。迫って来たのは木村騎手のバズーカだった。先頭に立って迎えたサウスウインドを、外から強襲するバズーカ。最後は一撃必殺の攻撃力で、バズーカがサウスウインドを仕留めた。エーシンクリアーが3着、追い込んだバレーナボスが4着。アクロマティックは5着止まりだった。

レース後「めっちゃ嬉しい」を連発した木村騎手。実は先週の段階では、出るかどうかも微妙な態勢だった。「普段はうるさい馬なのに、きょうは大人しくて…。これがどう出るかなと思ってたけど、いやぁハマりました(笑)」腰が限界で、次に動けなくなったときが最後だと常々語る木村騎手。「これで気持ち良く(騎手を)辞められます」と冗談めかしてインタビューで言ったが、半ば本気の発言なのだ。「腰がめげるまで」全力騎乗を続けると言う木村騎手。そんな無理をせず腰を大事にしてほしいと思うが、この人の辞書には「手加減」という文字がないのだからしかたがない。とにかく我々はめげないでと祈るしかない。

バズーカはJRA(2戦0勝)からの移籍当初、やんちゃでどうしようもなかったそうだ。それをスタッフ一丸となり、重賞馬に育て上げ、さらに古馬の頂上決戦までも制したのだから、陣営にとってもこの勝利はこの上なく嬉しいものとなった。勢いを取り戻した同馬の今後の重賞戦線での活躍が楽しみだ。さてさて、年代表馬の行方はどうなるのか…。12月7日、船橋の『クイーン賞(JpnⅢ)』に出走するトーコーヴィーナスが好走すれば決まりだろうが、凡走すればまたまた混沌と…。選考委員のひとりとして悩ましいところだが、楽しみなところでもある。

レース結果

第58回 園田金盃(勝ち馬:エーシンサルサ)

第58回 園田金盃写真

レース概要

ファン投票&記者選抜『園田金盃』が12月3日に行われ、2番人気の支持を受けた牝馬のエーシンサルサが逃げ切って快勝。夏、秋の牝馬重賞に続き、年末の大一番を制して真の王者に輝いた。エーシンサルサは、今年の重賞3勝目。通算6勝目のタイトル。橋本忠男調教師は49勝目、下原騎手は38勝目の重賞勝ちとなった。ファン投票1位で、レースでも1番人気に支持されたのはエーシンクリアー。今年は佐賀の『はがくれ大賞典』、『姫山菊花賞』と重賞2勝。それ以外に遠征を含めて重賞で2着2回、4着2回と堅実な結果を残してきた。ファン投票3位はエーシンサルサ(2番人気)。『兵庫サマークイーン賞』、『兵庫クイーンカップ』と夏秋の女王に輝き、今回は真の王者を目指す。3番人気に支持されたのはメイショウヨウコウ。こちらは記者選抜での出走。ファン投票では第22位だったが、上位馬の回避が相次ぎ、9番目での出走。重賞で4着2回。タイトルは目の前だ。4番人気はエイシンホクトセイ。ファン投票では24位。門別や南関東で活躍した実力馬。園田で重賞経験はまだないが、底が割れていないだけに不気味さ漂う。ミステリアスな部分が支持を集めた。ファン投票6位で、5番人気はトーコーニーケ。前年の覇者で年代表馬。重賞勝ちは1年間遠ざかっているが、完全復活を求めるファンの声は当然多い。6番人気はJRAの岩田康誠騎手が乗るユニフィケーション(ファン投票15位)。『摂津盃』では1番人気に支持されるほどの期待を集めたが10着。その後も結果が出ていないが、ファンが改めて大舞台へ押し上げた。その『摂津盃』を勝ったのが11歳馬のダイナミックグロウ。上積みこそないが元気一杯。ファン投票で9位になるほど人気も高い。レースでは7番人気に。アランロドが8番人気。重賞で常に堅実な末脚を披露して、勝ちこ鞍こそないが掲示板は一度も外していない。ファン投票でも13位にランクインしている。9番人気サウスウインドには、ホッカイドウ競馬の五十嵐冬樹騎手を起用してきた。同馬の初勝利をアシストした騎手で、あとひと押しがきかない現状を打破するためのコンビ復活。10番人気のオーケストラピットは、記者選抜で選ばれた。それでも実力的には重賞で常に惜しいレースが続いており、決して侮れない。勝負どころでの反応が鈍る不器用さを克服したいところ。しんがり人気は3年前の覇者で、新春賞連覇の実績があるニシノイーグル。復活待望久しいが、ファン投票17位で、いまだに根強い人気を誇る。ファンや記者のアツい想いを乗せて、いよいよ決戦のファンファーレ。

抜群の好スタートを切ったのはエーシンサルサ。元々発馬の悪い馬で、一番気を遣う場面でもあったが、それを楽々クリアしたことで陣営もホッとしたことだろう。もうこの時点で勝負あったと言えるのかも知れない。トーコーニーケがそれを追いかける形で2番手。エーシンクリアーが押して3番手までポジションを上げる。サウスウインドが4番手の内側で、その外にハナを奪えなかったダイナミックグロウ。さらに外にエイシンホクトセイが付ける。馬群が切れて、ユニフィケーションが中団に位置し、並ぶようにしてメイショウヨウコウ。出遅れたオーケストラピットが後ろから3番手になり、アランロド、ニシノイーグルは例によって末脚勝負で後方待機策。向正面で始まったレースは、正面に入るころにペースが落ち着き、1コーナーに差しかかるころにはさらにペースが落ちた。こうなると完全にエーシンサルサのペース。かと言って、後続各馬はいつまでも楽な展開にはさせられない。ここで動いて行ったのが岩田騎手のユニフィケーション。勝負どころと睨んで進出を開始する。後方にいたオーケストラピットも、ガラッと開いた内をすくって差を詰める。メイショウヨウコウもここで差を詰めにかからないといけないが、思ったほどの反応がないでいる。3コーナーでトーコーニーケが先頭に並ぶ。エイシンホクトセイもこれに迫り、ユニフィケーションも襲いかかる。内からはサウスウインドが詰め寄ったところで、エーシンクリアーは一旦行き場をなくして6番手に下がってしまう。追い込み勢もすぐ後ろまで迫って来ている。一瞬ピンチに思えたエーシンサルサだったが、直線に向いたところであっさり後続を突き放す。スタミナ配分が完璧だったのだ。余力十分で、最後は2馬身差の逃げ切り完勝。逆につついて行ったニーケが失速。内をすくったサウスウインドが2着に上がる。出遅れながら長くいい脚を使ったオーケストラピットが3着に食い込んだ。エーシンクリアーは最後に差を詰めて4着。4コーナーで進路を塞がれたのが痛かった。5着には、お終いキッチリ伸びるアランロドが入った。

勝ったエーシンサルはこれで今年の重賞3勝目。牡馬陣を一蹴したことで評価が高まり、年代表馬の座も見えてきた。「これを一番狙ってましたから」と平井オーナーが言われたように、大きく近づいた。ただ、代表馬の座が決まった訳ではない。3歳馬のトーコーヴィーナスは、3歳牝馬限定ながら重賞4勝。南関東の強豪相手に重賞で2着2回。賞金では2463万8000円とサルサをのそれ(1559万1000円)を大きく上回る。そして忘れてはならないのがタガノジンガロ。園田金盃ファン投票期間中(結果は2位)に、大井で亡くなるという悲劇に見舞われた。『兵庫大賞典』、笠松の『サマーカップ』と重賞2勝。ダートグレードで2着1回、3着1回、5着1回。賞金は2015万円。間違いなく、一番強いところで闘ってきたのはタガノジンガロだ。規定では12月31日現在で兵庫県競馬に在籍しているかどうかが選考する第一基準。一昨年のオオエライジンも、大晦日の電撃移籍で選考対象から外された。それでもジンガロの場合、移籍したのではなく亡くなったのだ。何もかも四角四面に捉えてもらいたくないものだ。ジンガロが選考対象になったならば、果たしてどの馬が代表馬となるのだろう?票は割れるように思える。ともかく、エーシンサルサは最有力候補となった。一度調子が下降した牝馬がよく立ち直った。しかも重賞を3勝もするのだから恐れ入る。このあとは『新春賞』に駒を進めることになる。しかしここはハンデ戦だ。「あんまり(斤量が)重すぎたら回避するで」と言った橋本忠男調教師の表情は、出走できないぐらいの評価をしてくれること待ち望んでいるかのようだった。

昨年の結果

第57回 園田金盃(勝ち馬:トーコーニーケ)

園田金盃金盃出走馬のファン投票結果

レース概要

アラブ時代から受け継がれる師走の大一番『園田金盃』は、3歳牝馬のトーコーニーケが好発からハナを奪い、そのまま逃げ切って快勝しました。2年前からファン投票&記者選抜で実施され、今年で3年目。 グランプリ的な要素が加わり、より一層重みも増してきている。ファン投票第1位、レースでも1番人気に支持されたハルイチバン。『姫山菊花賞』は3着だった末脚自慢のシルクシンフォニー。兵庫ダービーを勝ち、 3歳の頂点に立ったトーコーガイア。世代別牝馬重賞シリーズ『GRANDAME-JAPAN』で総合優勝の3歳牝馬トーコーニーケ。JRA岩田騎手が騎乗するブルースイショウ。『兵庫クイーンカップ』で初タイトルをものにした ラヴフェアリー、オープン連勝で絶好調のタガノバロットが記者選抜で出走。逃げて結果を残してきたハルイチバン。一方トーコーポセイドンも逃げて重賞を制している。トーコーニーケ、タガノバロット、ラヴフェアリーも先行脚質。  注目されたハナ争いは、トーコーニーケが見事なスタートダッシュを決めて制します。 2番手にはトーコーポセイドン、その後ろにタガノバロット。ハルイチバンはハナを奪えず4番手、ラヴフェアリーが5番手を追走する形。 トーコーガイアは中団の後ろで末脚にかける戦法。さらに後ろにシルクシンフォニー、ニシノイーグルが続き、ブルースイショウは最後方から。6月の『関東オークス(JpnⅡ)』でJRAや地方他地区の強豪相手に2着と 好走したトーコーニーケ。あのときと同じ得意の不良馬場。ペースを握ってレースを引っ張ります。同馬主同厩舎のトーコーポセイドンが2番手につけたことで、他馬の動きを封じるガード役のような陣形が出来上がる。 「ポセイドンが2番手だったので、安心してレースができました」と川原騎手。 道中プレッシャーを与えられることもなく、気持ち良く逃げられたことが大きな勝因となったようです。

 勝負どころの3コーナーを迎えたところでタガノバロットが後退して脱落。代わってラヴフェアリーが差を詰める。ハルイチバンも内を突いて接近して、2番手が3頭並ぶ格好に。後方からはトーコーガイア、 ニシノイーグルも脚を伸ばしてくる。 いかに道中で楽をしていても、ニーケにとってこれまでとは違う古馬の一線級の追い上げが待つ。ここから踏ん張り切れるかどうかがカギ。  追い出しにかかって逃げ込みを図る。迫ってくる古馬陣、それでもやはり前半の貯金が活きて、逃げ脚は衰えない。

直線に向いて2馬身ほどの差に。外からラヴフェアリーが、内からはハルイチバンが追い上げるが、もうこの時点で勝負あり。最後は1馬身半差に詰められたが、余裕を持って逃げ切り、トーコーニーケが快勝した。 ラヴフェアリーが2番手を粘るところへ、1番人気の意地で追い上げたハルイチバンが並んで、結局2着は2頭の同着に。 前に行った各馬で決した流れで、追い込み組からはシルクシンフォニーが4着に浮上。2年前の同レース勝ち馬、ニシノイーグルが5着に食い込み、チラリと復活の気配を感じさせた。

岩田騎手のブルースイショウが6着で、トーコーガイアは精彩を欠き7着に敗れてしまった。3歳馬の『園田金盃』制覇は、3年前のホクセツサンデー以来、サラブレッド導入後2頭目(2000年は3歳馬のみ)。 3歳牝馬の制覇となると、アラブ時代の1990年シバノアマゾネス以来24年ぶりの快挙。※年齢表記は現行のもの  これで同馬は重賞5勝目。鞍上の川原騎手は笠松時代から含めて通算98勝目の重賞勝ち。 管理する吉行調教師は、今年の重賞はなんと10勝目となったのです。 世代王者を決める『兵庫ダービー』では僚馬のトーコーガイアに譲ったが(同馬は不出走)、ガイアの重賞2勝に対し、5つのタイトルは完全に凌駕するもので、さらに『関東オークス』2着はローカル重賞勝ち以上の価値がある。 最優秀3歳の表彰は間違いないところか。

年代表馬のタイトルも見えてくる戦績で、ダートグレード勝ちのタガノジンガロに劣るかも知れないが、例年なら間違いなく代表馬級の活躍。 古馬になってからのさらなる活躍が楽しみになってきた。さて気になる次走は、1月3日の『新春賞』を予定しているとのこと。これまた楽しみ♪