【ブロック交流重走】

第14回兵庫クイーンカップ(重賞Ⅰ)

レース結果

第13回 兵庫クイーンカップ(勝ち馬:タガノトリオンフ)

第13回 兵庫クイーンカップ写真

レース概要

11月10日、牝馬限定『兵庫クイーンカップ』は2番人気のタガノトリオンフが優勝して、自身初の重賞制覇を成し遂げた。騎乗した下原騎手は今年はなんと7勝目の重賞勝ちで通算45勝目。管理する新子調教師も今年の7勝目で、通算14勝目のタイトル獲得となった。実績面、状態面からもトーコーヴィーナスで仕方がないと思われていた『兵庫クイーンカップ』は、まさかの結果となった。

好スタートを切ったトーコーヴィーナスが注文通りハナに立つ。そこへ並びかけたのは12番人気のサンジョ(笠松)だった。これを見てタガノトリオンフの下原騎手は「(力を認める相手でも)さすがに楽逃げにはさせたくなかったので、2番手でマークしに行きました」とピッタリ寄り添います。ペースも決して速いわけではなく、逃げ馬にとってそれほど苦しい展開とは思えませんでした。それでも勝負どころの3コーナー付近の手応えは、完全にタガノトリオンフがまさっていました。「それでも(トーコーは)手応えないところからまた来るので気を抜かずに行きました」と自身の手応えには自信を持ちながらも、相手への警戒も怠りません。迎えた直線ではタガノトリオンフが堂々と抜け出して行きます。食い下がるトーコーヴィーナスでしたが、完全に突き放されてしまう。最後は2馬身半差をつけてタガノトリオンフが快勝!下原騎手は渾身のガッツポーズでゴールの瞬間を迎えました。「もう大丈夫だろうと思って出てしまいました(笑)。今回は気楽な立場で乗れたのも良かったんだと思います。それと新子先生が強気なコメントをしていたので信じて乗りました」終わってみればリーディングコンビだったか――。というのは、もう当たり前になりすぎて、レース前に口に出してしまうほどになっている。それほどまでにこのコンビで勝ちまくっているのだ。

さて、誰もが勝利を疑わなかったトーコーヴィーナスだったが、まさかの敗戦を喫してしまった。ところが、陣営は想定内だったようだ。管理する吉行調教師は「この馬は園田でレースをするときは気を抜いてしまうところがある。相手のペースに合わせてしまうところがあって、力を発揮しない。だから他地区で強いメンバーとやったら気を抜かずにいいレースができる」とのこと。実際に前走の『レディプレリュード(JpnⅡ)』では、ジーワン馬のホワイトフーガと同着の2着だった。吉行師の言葉通りなら、次走の『クイーン賞(JpnⅢ)』(船橋・1800m)で実力発揮なるのであろう。うん、その言葉を信じよう!

レース結果

第12回 兵庫クイーンカップ(勝ち馬:エーシンサルサ)

第12回 兵庫クイーンカップ写真

レース概要

秋の女王決定戦『兵庫クイーンカップ』は、夏の『兵庫サマークイーン賞』でも女王に輝いたエーシンサルサが、秋も快勝!両レースの同年制覇は、2012年のロッソトウショウ(金沢)以来2頭目。重賞は通算5勝目となった。管理する橋本忠男調教師は同レースは4年ぶり2度目の制覇で、重賞48勝目。騎乗した下原騎手は重賞ハンターの異名を取るが、意外にも今年の初重賞勝ち。同レースも初制覇で、通算では37勝目。交流重賞が盛り上がる条件は、他地区の馬が強いこと。地元馬との対決姿勢が高まり、応援にも熱が入る。金沢から3頭、名古屋から2頭が参戦。中でも金沢の先行馬2頭がなかなかの実力。セイカフォルトゥナ(3番人気)はJRA在籍時に1000万クラスを勝利。準オープンでもハナを切るほどのスピードが武器。金沢に移籍初戦となった前走は惨敗。ただ、スタートで後手に回ってしまったことが敗因で、度外視できる。エトワールドロゼ(5番人気)は、8月の『読売レディス杯』(金沢)で今回2番人気に支持されたリノワール以下を封じ込めている。生粋の金沢っ子で、過去23戦して掲示板をハズしたのはたった4回という堅実派。迎え撃つ地元勢は、エーシンサルサが1番人気。夏の『兵庫サマークイーン賞』を連覇して、秋の女王も狙う。2番人気リノワールは積極的な遠征で力を付け、地元でタイトル奪取に期待がかかる。4番人気はトーコーニーケ。昨年の代表馬がようやく上昇ムード。復権を懸け、陣営は万全の仕上げで臨む。昨年1番人気で5着に敗れたオーケストラピットが、一年経って立派なオープン馬に成長を遂げた。

抜群のスタートはエーシンサルサだ。しかし、先行馬が揃った今回のメンバーではハナに立てず、結局6番手まで下げる。気がかりだったスタートを無難に決めたセイカフォルトゥナがダッシュを利かせて先頭に立つ。外からエトワールドロゼが2番手に上がって、金沢勢がペースを握ろうとする。そこへ地元馬で唯一割って入ったのがスマイルヴィジット。3頭ひしめき合ったが、エトワールが控えて3番手に。トーコーニーケは絶好位の4番手のインコース。末脚にかけるリノワールは中団の後ろ。昨年3着だったアランロド(7番人気)はもっと前での競馬を試みたが、他馬が思った以上に速く、結局いつものように後方待機。オーケストラピットは最後方のからの競馬となった。この日の馬場は完全に前が有利。逃げた馬はここまで9レース消化して、全て連対していた。ハナは奪ったセイカフォルトゥナには有利な馬場だが、やや速い流れ。それをつつく格好で並びかけて来たのがトーコーニーケ。相手を潰して、自らは抜け出そうとする積極的に勝ちに行くレースぶり。この間に徐々に差を詰めるエーシンサルサ。リノワールも一緒になって上がって行く。しぶとく粘るセイカフォルトゥナに、迫って行くトーコーニーケだったが、直線に入ってその末脚が鈍る。リノワールも追い上げる脚の勢いが失せる。ここで、エーシンサルサが溜めていた末脚を爆発させる!さらに外からは、一旦最後方に下がったアランロドが伸び脚を発揮する。粘るセイカを最後の最後、クビ差捉えてエーシンサルサが差し切り優勝。逃げたセイカが2着を確保し、鋭い差し脚を見せたアランロドが昨年に続いて3着となった。4着は格下からの挑戦、アグネスチャンスが食い込んだ。これは馬場の内を終始ロスなく立ち回ったのが功を奏した。ニシノイーグルが5着だったが、復活と言えるほどの内容ではなかった。オーケストラピットは、良いところなく6着。逃げ馬をつついたトーコーニーケは7着に沈んだ。

エーシンサルサは、これで重賞5勝目。牝馬限定戦は4勝目。牡馬相手に勝ったのは一度だけだが、その昨年の『摂津盃』が57kgのトップハンデを背負いながら、6馬身差をつけるほど、べらぼうに強かった。そのころと比べると、まだ物足りない気がするが、それでも最後の末脚は際立っていた。次は12月3日の『園田金盃』(ファン投票&記者選抜)になるが、暮れの大一番で牡馬をも蹴散らし、真の王者となることができるかどうかに注目が集まりそうだ。このレースの2日前に亡くなったタガノジンガロとの対戦が楽しみだったが、残念だが夢と消えた。ジンガロの分まで、これからの園田を盛り上げてもらおう。

昨年の結果

第11回 兵庫クイーンカップ(勝ち馬:ラヴフェアリー)

第11回 兵庫クイーンカップ

レース概要

北陸・東海・近畿地区の秋の女王決定戦『兵庫クイーンカップ』は、地元馬ラヴフェアリーが堅実駆けからの脱却で見事に勝利。同馬にとっての初重賞制覇を成し遂げました。
管理する野田忍調教師は9年ぶり2度目のタイトルゲット。騎乗した松浦政宏騎手は14勝目の重賞勝ちとなりました。春から夏にかけて圧倒的な強さを発揮したエーシンサルサが休養に入り、 ダートグレード戦線で活躍する名古屋のピッチシフターは『JBCレディスクラシック』へ向かった。出てくれば本命候補だった各馬の参戦がなくなり、混戦模様の女王決定戦。そんな中、 1番人気に支持されたのはオーケストラピット。オープンへの格上挑戦でも、強烈なマクリで4連勝した内容は圧巻で、好レースを期待させるものがある。2番人気はエーシンスパイシー。 8連勝で臨んだA2クラス(準オープン)で一度壁にぶち当たる。しかし、休みを挟んでA2、A1(オープン)と連勝。スケールアップしてこの秋を迎えていました。

昨年の覇者、笠松のタッチデュールが3番人気。その勝利から更に4勝を積み重ねるも、消化したレースは26戦。加えて大井、盛岡を経ての遠征にはさすがに上がり目を感じづらい状況でした。 結果を言えばこの3頭は4、5、6着となって、伏兵視されていた3頭が上位を固めることに。勝ったラヴフェアリー(6番人気)は後ろから4番手のポジションでレースを進め、向正面で早めの 進出に出る。「スローペースだったので早めに動いて行こうと思いました」と松浦政宏騎手。このときその後ろにいたオーケストラピットも動いて行くが付いて行けない。

ここがオープンとの違いか!マクリ切ることができず5、6番手まで押し上げるのがやっとの状況。逃げていたエーシンスパイシーを3番手でマークしていたデンコウチャレンジ(4番人気)は、 ラヴフェアリーが動いたことで待つか行くかの判断を迫られる。鞍上の田野騎手は外からの追い上げにタイミングを合わせて行きながら、一旦呼吸を置いて少し待ったような動き。 レース後「行き切った方が良かったかなぁ…」と呟きながら何度も何度もリプレイを観ていた若者に、明るい未来を感じられた。

直線で抜けたデンコウに、「コーナーでは置かれるんよ」と野田忍調教師が言うように、一度突き放されていたラヴフェアリー。再びエンジンに火が灯ったかのように、もうひと伸びを見せる。 ゴールでは4分の3馬身だけ抜け出して、嬉しい初タイトルとなったのです。中団からソツなく内をすくって差を詰めたアランロド(7番人気)が3着に。大健闘の内容にも「いやぁ、悔しい…。 直線は外に出したらもっと伸びるのは分かってたんですけど、最後は内しかなくて…」と振り返る40歳で再デビューした宮下騎手の表情は、勝負師そのもの。
本当に11年ものブランクがあったのか!?記念撮影では同厩舎のアランロドも加わる異例の2頭の口取り。関係者には堪えらない喜びとなったことでしょう。

4着のエーシンスパイシーはスタート前に、ゲートをこじ開けて飛び出してしまった。馬体には影響なかったものの精神的に何かを狂わせたかも知れない。5着のオーケストラピットは オープンの壁を痛感しただろうけど、最後の末脚は見事で次は躍進が期待できるでしょう。6着のタッチデュールは、やっぱり使いすぎだよなぁと思わせる。力はあるのに…。