【ブロック交流重賞】日刊スポーツ賞

第54回六甲盃(重賞Ⅰ)

レース結果

第54回 六甲盃(勝ち馬カツゲキキトキト)

六甲盃写真

レース概要

東海・北陸・近畿地区交流重賞『六甲盃』が3月2日に行われ、名古屋からの遠征馬カツゲキキトキトが噂にたがわぬ強さで快勝!7馬身差をつけて他を圧倒した。同馬はこれで重賞9勝目。意外にも東海地区以外では初めてのタイトルとなった。管理する錦見勇夫調教師は、今年の1月に『園田クイーンセレクション』を妹のカツゲキマドンナで制していて、兵庫では通算重賞4勝目。騎乗した大畑雅章は兵庫で初の重賞勝ちとなった。

1ヶ月ほど前からカツゲキキトキトが『六甲盃』参戦予定と話題に上り始めた。ダートグレードの『名古屋グランプリ』3着、『佐賀記念』4着で、今や東海地区のみならず、地方を代表する活躍を見せている同馬の存在は大きく、地元勢が敵前逃亡して出走馬が揃わないのではと心配されるほどだった。ところがふたを開けてみると12頭フルゲート。地元園田としても総力を挙げての迎撃態勢となった。カツゲキキトキトと同世代の4歳馬エイシンニシパは、昨年の9月に一度対戦して、4馬身差を付けられて完敗している。半年経って、お互いに成長を遂げてその差がどこまで詰められるか注目された。昨年重賞3勝を挙げ、兵庫を代表する活躍を見せていたアクロマティックが参戦。久々の1400mだった前走でも3着したように、実力は兵庫でも屈指。距離延長でさらに前進可能であるという大方の見解となった。オープン特別を逃げ切って連勝中のアサクサセーラも成長著しく、キトキトの前でレースを進めて、ひと泡吹かせる作戦だ。

ときに出遅れることのあるカツゲキキトキト。注目されたスタートは、無難に出て先行グループに取り付いて行く。ハナに立つこともできたが、気合いを見せて先頭に立ったのはアサクサセーラだった。すぐさま控えて外に切り替えるカツゲキキトキト。そこへ外からエイシンニシパが並びかける。兵庫勢の包囲網に遭い、馬群に閉じ込められるかも知れないと思われたが、抜け出して2番手に取り付いた。3番手にエイシンイーストとエイシンニシパ。アクロマティックは中団に構えた。「ハナに立つことも考えてました」と鞍上の大畑騎手が言っていたが、アサクサに行かせてその外に2番手で十分に折り合った。大畑騎手自身も「思った以上に折り合った」と振り返った。もうこの時点で勝負は決まっていたと言ってもいいぐらいだった。長距離特有の超スローペースで、上がり勝負に活路を見出そうとするアサクサセーラの木村騎手。それを徹底マークでピッタリ張り付くキトキト。他の各馬も動きを見せないまま、馬場を一周し、2周目へと向かって行く。残り800mを過ぎた辺りからアサクサセーラがペースアップ。それに楽々ついていくキトキト。ところがエイシンニシパは、ここでついて行けなくなり、早くも脱落してしまう。アクロマティックが3番手に押し上げて前を追うが、それでも大きく離されてしまった。4コーナーを迎える前の2頭だが、手応えの差は歴然としていた。直線でもグンとひと伸びを見せたカツゲキキトキトが、あっという間に差を広げて行く。最後は7馬身の差をつけて悠々ゴールを迎えた。アサクサセーラが2着を粘り、さらに4馬身差でアクロマティックが続いた。兵庫のトップクラスを赤子扱いにして、ちぎって捨てた。

映像でしか強さを知ることができなかったが、カツゲキキトキトを間近で感じて、やっぱり強いと改めて思った。近隣地区の生え抜きの馬が、中央勢にも怯まず五分に渡り合っている。しかもその強さを目の当たりにしたことで、勝手に抱いていた親近感がさらに強まった。次走は地元名古屋の『名古屋大賞典』に照準を合わせている。多くの園田ファンも応援に加わり、念願のダートグレード制覇へ後押しとなればと思う。

レース結果

第53回 六甲盃(勝ち馬ベルライン)

六甲盃写真

レース概要

園田競馬場で唯一2400mで行われる重賞レース『六甲盃』。今年の覇者は名古屋からの遠征馬ベルライン。遠征馬の勝利は5年ぶり、管理する角田輝也調教師は10年前の制覇以来、同レース2勝目。騎乗した丸野勝虎騎手は、2008年『園田ユーズカップ』以来、園田で2度目の重賞勝ちとなった。 ハルイチバンの3連覇なるかどうかが、最大の注目だった。兵庫県競馬では、アラブ時代にさかのぼっても、フェイトスターしか達成していない同一重賞3連覇(95年~97年摂津盃)。サラブレッドでは初の快挙となるが、果たしてその記録は枠順発表直前に夢と消えたのだった。 右前脚に不安が生じ、ハルイチバン回避の報せが六甲盃の2日前、園田競馬第1レースのパドック解説中に伝わった。 3連覇を達成しようが他馬が阻止しようが、ハルイチバンがいてこそ話題になる。残念だがしかたがない。とはいえ、出走メンバーは興味深い顔ぶれとなった。 1番人気に支持されたのは、B1クラスからの挑戦となるステージインパクト。格下ながら、JRAから移籍後6連勝。しかもレースごとに強さを増し、レース内容はオープンでも十分通用すると思わせるものだった。初のオープン挑戦が重賞となったが、ファンは期待を寄せた。 前走でハルイチバンを5馬身以上ちぎったバレーナボスが2番人気。出遅れ癖が解消され、スタートが決まり出した。となれば、武器である鋭い決め脚の確実性が高まる。折り合いにも注文がつかないので、長丁場は持って来い。 リーディングトレーナー新子厩舎とリーディングジョッキー下原騎手とのコンビで臨むタガノプリンス。JRAからの移籍後は準オープンで2着、1着。オープンに昇級した初戦が重賞だが、やはりリーディングコンビの信頼度は絶大で、3番人気に支持された。 笠松からの遠征馬クワイアーソウルが4番人気。管理する尾島調教師は、騎手時代マルヨフェニックスでこのレースを制していて、トレーナーとしても勝利を期待されての出走となった。 5番人気は名古屋のベルライン。JRA時代は短距離馬で、地方に移籍後長い距離にも対応している。ただ、さらなる距離延長がプラスに働くとは思えないでいた。 ほぼ揃ったスタートで幕を開けた六甲盃。バレーナボスは、今回も良いスタートを切った。もう本物だ。 逃げたのは12歳馬のダイナミックグロウ。2番手に木村と初コンビを組むキングブラーボ。3番手の内側にベルライン、その外にステージインパクトが付けた。クワイアーソウルとタガノプリンスがそのあとに続き、バレーナボスは後ろから3、4頭目あたりに取り付いた。 2400mはスローになりがちで、残り800mまで動かない上がり勝負になるケースがほとんど。今回も早めに動く馬は見当たらず、結局残り800mまで静かに進んで行く。 動いて行ったのは中団にいたメイショウヨウコウ。早めに外に出してマクリを決めたかったが、内に閉じ込められていて、思うように動けず勝負どころを迎えていた。そのために前を行く各馬にも余裕があり、なかなか差を詰められないでいる。 バレーナボスは外から動いて行き、3コーナーでは一気に3番手グループまで進出する。 ここで押し出されるように先頭に立ったのがキングブラーボ。そこへ外からステージインパクトが並びかける。さらに外からバレーナボスも接近する形となった。 4コーナーを迎える場面、内で脚を溜めていたベルラインが巧く捌き先頭の外に馬体を併せて行く。 先頭で直線を迎えたキングブラーボが押し切らんとするところを、遂に捉えたベルライン。さらに外から追い上げてきたバレーナボスの追撃ををも振り切り、ベルラインが先頭でゴールを駆け抜け優勝した。 バレーナボスが2着、キングブラーボが3着。笠松のクワイアーソウルが4着、1番人気のステージインパクトは直線、伸びを欠いて5着に敗れた。 勝ったベルラインは6歳牝馬。牝馬がこのレースを制したのは、サラブレッド導入後初めてのこと。2400mの重賞で牝馬が勝つこと自体初めてのこととなった。 この週の園田の馬場は、内が軽い印象があり、好位の内で脚を溜めている馬が直線伸びて来るシーンが多く見られていた。それを知っていたかのような丸野騎手のレース運び。理想の流れで『六甲盃』を制したのだ。 ところが、実はそうではなく「ハナを奪うつもりが、躓いて控える形になってしまいました」と偶然の位置取りだったと丸野騎手は振り返った。 とはいえ、馬群に怯むことなく、折り合いも付き、最後の直線勝負でもスタミナを切らせなかったのだから立派。 管理する角田調教師は、10年前に勝利していて、昨年は2着だった。そして今年もまた勝利と、さすが昨年の全国リーディングトレーナー、しっかりと結果を残して行った。 逆に、2着に負けたバレーナボスは、終始外を回らされるロスが響いた格好。それでも最後はクビ差まで詰めてきたのだから、内容は一番強いと言える。スタートを確実に決められるようになってきたのだから、今後の重賞戦線でも当然主役級の活躍が期待できるだろう。 ステージインパクトは格上挑戦で、初オープンが初重賞。そして2400mも堪えたか。それでも差のない5着ならば悲観することもない。次こそ楽しみになってくる。 年度最終の重賞が終わり、古馬たちは次の狙いに照準を合わせる。そして春の大目標は5月5日の『兵庫大賞典』となる。 ここにはアクロマティック、サウスウインド、エーシンクリアーなども加わわって、ゴールデンウィークシリーズを興奮のうちに締めくくってくれるだろう。

レース結果

第52回 六甲盃(勝ち馬ハルイチバン)

六甲盃写真

レース概要

園田競馬場で唯一2400mで行われるレースが『六甲盃』。昨年は5番人気の伏兵としてこのレースを制していたハルイチバン(牡5・平松厩舎)が、今年は1番人気の支持に応えて見事に連覇を達成してみせま した。今年は名古屋から2頭の遠征馬を迎えて、フルゲートの12頭立て。一昨年の覇者エリモアラルマ、昨年の『新春賞』を勝ち、このレースでも3着だったニシノイーグルは、完全復活ならない状況。 今年『新春賞』を勝ったエーシンスパイシー、オープンで堅実なアランロドは牝馬ということもあって、俄然ディフェンディングチャンピオンのハルイチバンに注目が集まる。スタートは全馬互角。ハナに行こ うと思えば行けたハルイチバンは、敢えて控える競馬。2番人気のエーシンスパイシーがハナに立つ展開で、2番手に重賞初挑戦のマッハタイザン。ハルイチバンは3番手に付ける。ビービーガザリアス、グロ リアスカフェの名古屋からの遠征2頭がその後ろに取り付き、アランロドとブルースイショウは中団。ニシノイーグル、エリモアラルマは後方という位置取りで落ち着いた。最初はやや縦長の展開も、懸命にペ ースを落としてスローな展開に持ち込もうとするエーシンスパイシーの川原騎手。その後は、1230mを使っての臨戦となったシルクシンフォニーが、道中折り合いを欠いてポジションが変わったぐらいで、 ほとんど同じような隊列でレースが進む。いよいよ勝負が動き出す残り半マイル。マッハタイザンが先頭に並びかけて、さらに外からハルイチバンも並びかける。こうなると逃げるエーシンも苦しいが、なんと か気力で盛り返す。この間に、中5日というキツいローテーションで臨んできた名古屋のビービーガザリアスもジワジワ詰め寄ってきた。同じように切れる脚はないが渋太い脚が特色のブルースイショウも食ら いついてくる。そして直線勝負。先に仕掛けたマッハが脱落。抜け出したのは、やはりハルイチバン。もう一度食い下がろうとしたエーシンだったが、さすがに苦しくなり後退してしまう。そこへビービー、ブ ルーが差を詰めて来る。それでもさすがの昨年覇者。距離適性が高い、つまり他馬の追撃を振り切るスタミナが十分残っている。2着に1馬身差だが着差以上の強さを見せて貫録の勝利。同レース史上初の連覇 達成となったのです。道中ロスなく、終始内側で脚をためていたビービーガザリアス(6番人気)が2着を確保。ブルースイショウ(10番人気)がアタマ差の3着となり、断然の1番人気(1.7倍)が勝っていながら、 3連単では27万3390円という高額配当となりました。短距離路線ではタガノジンガロ、トーコーニーケ、エーシンサルサなどタレント揃いの今年の兵庫県競馬。今回出走したメンバーが臨む中・長距離路線 では完全に世代交代がなされ、ハルイチバン時代が到来しようとしています。5月5日に行われる『兵庫大賞典』では、ハルイチバンが当然主役候補として注目を集めることでしょう。しかし、実はそれほど安 閑としていられない状況になっているのです。このレースの前日、準オープンを勝って10連勝を達成したエーシンプレジャーというライバル馬が出現したのです。準オープンとは言え、2走続けて2着馬を大 差ぶっちぎっての勝利だけに、すでにオープン馬の資質があるというのは誰の目にも明らか。2頭の激突が、いまから楽しみでならない。

昨年の結果

第51回 六甲盃(勝ち馬ハルイチバン)

レース概要

春一番が未だに吹かぬ3月6日。先手必勝とばかりに逃げを打って、2400mのゴールを一陣の風となって、永島騎手とハルイチバンが駆け抜けた。永島騎手は昨年代打騎乗で重賞2勝。今年もやってのけて “代打の神様の異名”も。新春賞に続いて1番人気に支持されたホクセツサンデーは、2着は確保するも4馬身差と完敗…。追い込みのニシノイーグルは、逃げ馬に粘られる展開では苦しくて3着がやっと。 昨年の覇者エリモアラルマはいいところなく7着に敗れた。