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トリオンフ連覇達成!~兵庫QC~

牝馬重賞『兵庫クイーンカップ』が11月9日に行われ、前年の覇者タガノトリオンフが断然の人気に応えて5馬身差で圧勝。同レース連覇を達成した。騎乗した下原理騎手は、重賞は通算46勝目。同レースは3連覇。管理する新子雅司調教師は15勝目のタイトル獲得。同レースは2年連続制覇。また下原騎手、新子師ともにリーディングを独走しながら、今年は重賞初制覇となった。

 

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◆出走馬
 


①セカンドインパクト 大山真吾騎手 11番人気

 


②モンドリュミエール 田中学騎手 6番人気

 


③タッチデュール(笠松) 鴨宮祥行騎手 12番人気

 


④タガノトリオンフ 下原理騎手 1番人気
 


⑤ベルボーム(笠松) 山下雅之騎手(笠松) 4番人気

 


⑥モズキンボシ 宮下康一騎手 9番人気
 


⑦イスタナ 松本剛志騎手 10番人気

 


⑧アルカナ 川原正一騎手 7番人気

 


⑨スターレーン 板野央騎手 2番人気

 


⑩ユウキエナージー 杉浦健太騎手 3番人気

 


⑪コルヌコピア 保園翔也騎手(浦和) 8番人気

 


 ⑫ラモントルドール(名古屋) 大畑雅章騎手(名古屋) 5番人気

 

そもそもオープン格付けなのが、前年の覇者タガノトリオンフのみで、遠征馬も条件馬が多く、俄然連覇濃厚で一強ムードが高まる。

 

最終的には単勝1.1倍となったタガノトリオンフが断然の支持を得た。

 

2番人気は3歳馬のスターレーン。春は遠征の疲れから馬体減りが目立ち、その後は十分休養に充てた。休み明けは古馬のB1で3着だったが、馬体を戻して立て直しに成功。将来性も買われて期待を寄せられた。

 

3番人気はオープン経験もあるユウキエナージー。笠松のベルボームは条件馬ながら、スピードを期待され4番人気に続いた。

 

 

スタートダッシュを決めたのはタガノトリオンフ。「(逃げると思われたベルボームが)となりで躓いたのが見えたので、思い切って(ハナに)行こうと思いました」と鞍上の下原騎手。最初のコーナーを先頭で迎えた時点で、ほぼ勝負は決まっていた。

 

 

2番手にピッタリマークするのがスターレーン。3番手に名古屋のラモントルドール。モズキンボシが4番手でモンドリュミエールが5番手。逃げられなかったベルボームは中団から。ユウキエナージーや、重賞でも実績のあるアルカナは後方待機策をとった。

 

 

 

スローの上がり勝負に強いタガノトリオンフは、他馬を十分引き付けて自分のペースに持ち込む。実力のあるオープン馬なら、このペースを嫌って早めに仕掛けられるだろうが、格上挑戦の各馬には動いて行く脚がない。

 

向正面から後ろで動きが見られるが、タガノトリオンフは素知らぬ顔で3コーナーを迎える。

 

 

 

このときに「もう大丈夫かな」と下原騎手は勝利を確信していた。

 

4コーナー手前で追い出すと、2番手以下をあっさり突き放してしまう。マークしていたスターレーンは懸命に追って行くが置き去りにされてしまった。

 

 

 

代わって2番手に押し上げたのがモンドリュミエール。そして後方待機策のユウキエナージーとアルカナが追い込んで来るが、2着争いの中に加わるのが精一杯。

 

それを尻目に悠々と独走するタガノトリオンフが、最後は5馬身の差を付けて圧勝。見事連覇を達成した。

 

 

 

2着にユウキエナージー。道中は馬群に包まれ、得意のマクリ脚を使えなかったが、地力でなんとか勝ち馬以外を捌いた。

 

3着のアルカナはお終い勝負に懸けるいつものスタイル。不安視された1700mでも好走したが、やはり速い流れの短距離戦の方が持ち味が活きる。

 

2番人気のスターレーンは6着に沈んだ。ただ、強豪にピッタリ寄り添うような正攻法のレースぶりは立派で、今後に必ず繋がるだろう。巻き返しを期待したい。

 

タガノトリオンフは入線後、力を抜いたところで自ら躓き歩様を乱した。異常を感じ、下原騎手はすぐさま下馬をした。

 

 

診断では骨に異常はなく、軽い捻挫だということが伝えられ、関係者やファンもホッと胸を撫で下ろした。

 

ゆっくり休養をとり、来春に復帰の予定ということだ。

 

「唯一の不安材料は、ぼくが今年重賞に勝っていないことだけ」とおどけて言った下原騎手。ただ、断然人気馬を力通り勝たせるには相当なプレッシャーがあったという。

 

「竹之上さんが(兵庫ゴールドカップの)実況で重賞を勝っていない下原って言ってたのが一番のプレッシャーでした」とインタビュアーにチクリとひと刺ししたが、しっかり期待に応えて重賞を勝ち、わたしの言葉をただの悪口にさせなかった辺りがさすがのトップジョッキーだ。

 

 

 

写真:斎藤寿一
 

文:竹之上次男

本能覚醒!初の1230mでバズーカ王者に!

7年ぶりに復活した1230mの重賞。新設重賞『兵庫ゴールドカップ』が11月1日に行われ、3番人気のバズーカが好位から差し切り優勝。これまで中距離ばかりで重賞5勝を挙げていたが、短距離でも制覇し、初代スプリント王に輝いた。騎乗した田中学騎手は同馬と初コンビを組んで勝利に貢献。通算47勝目のタイトル獲得。管理する田中範雄調教師は、これが区切りの50勝目の重賞勝ちとなった。

 

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◆出走馬
 


①ブルーウィザード 松浦政宏騎手 7番人気

 


②バズーカ 田中学騎手 3番人気

 


③ドリームコンサート 川原正一騎手 5番人気

 


④ランドクイーン 佐藤友則騎手(笠松) 8番人気
 


⑤マークスマン 竹村達也騎手 6番人気

 


⑥ナチュラリー 下原理騎手 4番人気

 


⑦ハタノキセキ 大山真吾騎手 1番人気

 


⑧ナナヨンハーバー 吉村智洋騎手 2番人気

 


⑨カネトシバリアント 大柿一真騎手 11番人気

 


⑩レギス 広瀬航騎手 10番人気

 


⑪ロイヤルトリニティ 小山裕也騎手 12番人気

 


⑫ルミナス 永島太郎騎手 9番人気

 

短距離の絶対王者トウケイタイガーは別路線に回り、主役不在のスプリント重賞となった。

 

重賞実績で言えば、短距離重賞3勝を挙げているランドクイーンが注目されるが、半年ぶりの休み明けで、1230mは意外にも勝ち鞍がないことなどから8番人気と低迷。

 

重賞5勝という実績はNo.1だが、いずれも中距離だったバズーカ。初距離の1230mは不安もあるが気性的には合うタイプ。支持は期待と不安が混じって3番人気。

 

そこで1番人気に支持されたのが、この距離で3戦2勝2着1回、前走オープンで快勝の昇り馬ハタノキセキだった。同じように距離実績と勢いがあるナナヨンハーバーが2番人気。格よりも勢いの支持が上回った。

 

A2からの格上挑戦ながら、1230mの速い流れが合うナチュラリーが4番人気。重賞で2着が4回あるドリームコンサートが5番人気となった。

 

 

ファンから一番近いポジションでスタートが切られる1230m戦。

 

バラついたスタートとなったが、1番枠からブルーウィザードが抜け出していく。2番手にナチュラリーが取り付いて、3番手に若干スタート出負けしたランドクイーンが並びかける。

 

 

1番人気のハタノキセキは、外目を廻りながら4番手で1コーナーを迎えて行った。そのとき好位の内に潜り込んだのがバズーカだった。「意外にいいポジションが取れた」と田中騎手が振り返ったように、速い流れで折り合いもつき、絶好の展開となった。

 

ドリームコンサートが6番手で、その後ろの馬群の中にナナヨンハーバーが続いて行く。
 

 

向正面に入って、ペースが落ち着きそうで落ち着かないのが1230戦。内から外に切り替えたバズーカが前の2頭に並びかけ、それに呼応するようにナチュラリーもペースを上げて行く。

 

こうなると苦しくなるのが逃げていたブルーウィザード。たまらず後退して行く。

 

 

 

後方からハタノキセキとドリームコンサート、ナナヨンハーバーが進出を開始するが、それらの追い上げを待たずして勝負に出たバズーカとナチュラリーが3番手以下を突き放して行く。

 

 

4コーナーでは5馬身ほどの差を付けた前の2頭、マッチレースの様相で直線を迎える。

 

 

残り200で抜け出したのはバズーカ。それでもナチュラリーも内から懸命に抵抗を見せる。

 

残り100m付近で「危ないかなと思った」と田中騎手が言うほどナチュラリーが盛り返したが、もう一度外から力で捻じ伏せたバズーカがクビ差凌いで優勝した。

 

 

 

2馬身半差でドリームコンサートが3着。さらに4馬身差でナナヨンハーバー、5着にマークスマン。ハタノキセキは見せ場なく6着に敗れた。

 

JRAでデビューし、2戦大敗したあと田中範雄厩舎に移籍してきたバズーカ。

 

移籍当初は気性が荒く、調教でも苦労が絶えなかったかったと聞く。3歳の春になってようやく力を発揮し、3歳オープンを勝ったあと名古屋競馬に移籍。東海ダービーを移籍初戦で勝利してすぐさま兵庫に戻ってきた。

 

同厩舎には『兵庫ダービー』を勝ったインディウムがいて、「園田にいてはダービーを勝てない」という田中範師の判断による一戦だけの移籍だった。

 

その後は『MRO金賞』(金沢)、『秋の鞍』(名古屋)、『岐阜金賞』(笠松)と立て続けに他地区の重賞を勝ちまくったバズーカ。

 

しばらく重賞で勝てない時期が続いたが、昨年の『園田金盃』で快勝して、重賞5勝目を挙げていた。

 

いずれも中距離の重賞勝ちだったが、気性面から短距離は歓迎だった。ところが、ここでも同厩舎の短距離馬との兼ね合いもあって、中距離を選択せざるを得なかった。

 

初めての距離だったが、折り合いを欠くことなく、反応も良かったことから、速い流れの1230m戦は同馬の守備範囲というより、ドストライクだったか。

 

このあとは12月7日の『園田金盃』で連覇を目指すことになる。短距離で本能覚醒したが、1870mでまた勝つようなことがあれば、もう手が付けられない。

 

 

 

写真:斎藤寿一

文:竹之上次男

11月号更新、杉浦健太 騎手インタビュー、等

11月号更新しました。(1日2:00)
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クローズアップ 杉浦 健太 騎手
タイトル:”次世代エースは苦悩がお好き。
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コラム 乗峯栄一
タイトル:「旅うまチャレンジ」実施中
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今年も未勝利馬が優勝!~兵庫若駒賞~

今年で10回目を迎えた『兵庫若駒賞』は、昨年に続いて未勝利馬が制覇!7番人気だったトゥリパが堂々逃げ切っての優勝だった。管理する平松徳彦調教師は重賞12勝目。騎乗した吉村智洋騎手は10勝目のタイトル獲得となった。平松師、吉村騎手ともに同レースは初優勝。

 

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◆出走馬


①スターオオクリカラ 笹田知宏騎手 番人気

 


②スウォナーレ 竹村達也 10番人気

 


③フセノラン 宮下康一 2番人気

 


④スーパージェット 永島太郎 6番人気

 


⑤イチノフリオーソ 下原理 4番人気

 


⑥トゥリパ 吉村智洋 7番人気

 


⑦アジノベッピン 中田貴士 12番人気

 


⑧セイヴァーベナ 田中学 3番人気

 


⑨テルタイザン 杉浦健太 8番人気

 


⑩アセロラチャン 廣瀬航 11番人気

 


⑪メイクアラッシュ 大山真吾 5番人気

 


⑫アゼツライト 川原正一 1番人気

 

秋雨前線、さらに台風の影響で長雨となった今秋。久しぶりに雲ひとつない青空の広がる下、飛躍を誓う若駒重賞『兵庫若駒賞』が行われた。

 

デビューから3連勝のアゼツライトが1ヶ月前は大本命候補として挙げられていたが、前走でまさかの3着と敗れ、一転混戦模様となった。それでも同馬の巻き返しに期待するファンは1番人気に押し上げた。

 

そのアゼツライトを鮮やかに差し切ったフセノランが2番人気に。2歳牝馬らしからぬ根性と、鋭い決め脚が武器。連勝で重賞制覇を目論む。

 

3番人気のセイヴァーベナは『園田プリンセスカップ』で1番人気に支持されながら道営勢のスピードに屈し9着と大敗。地元馬同士なら当然見直しが効く。

 

デビュー戦で大差勝ちしたイチノフリオーソが2戦目でも期待を背負い4番人気。過去にも2戦目で同レースを制覇したのが2頭いるのも後押しする。

 

 

2歳戦はスピード重視の流れが一般的だが、どの馬も他の出方を窺うような出脚で、若駒らしからぬ先行争いとなった。

 

抜け出していったのは意外にも、これまで未勝利馬のトゥリパだった。2番手でピッタリマークしたのはセイヴァーベナ。3番手にアゼツライトが付けて、4番手にイチノフリオーソ。フセノランは中団の内側からレースを進めた。

 

 

スローでレースは始まったが、2コーナー付近から、前の2頭がやや3番手以下を突き放すように淀みなく流れて行く。

 

 

アゼツライト、イチノフリオーソは向正面中間では早くもムチが入る。この間にフセノランがインコースを進みながらロスなく前との差を詰めて来た。

 

 

4コーナー手前では、3番手以下に5馬身差を付けたトゥリパとセイヴァーベナ。

 

3番手に外に切り替えたフセノランが上がり、その後ろにアゼツライトが続く展開。イチノフリオーソはこの時点で上位争いから脱落してしまう。

 

直線に入って2番手にいたセイヴァーベナを振り切って、単独ゴールを目指すトゥリパ。

 

 

 

そこへフセノランが2番手に追い上げ、アゼツライトが3番手に上がる。

 

それでも脚色鈍らないトゥリパが、2着以下に2馬身差を付けて、堂々逃げ切って優勝した。

 

 

 

フセノランが2着でアゼツライトが3着。直線失速したセイヴァーベナが4着となった。

 

「元々スタートが良い馬で、きょうも抜群のスタートだったので(ハナに)行けるなら行こうと思いました」と吉村騎手。

 

道中はセイヴァーベナにマークされながら「先頭に立ってフワフワするところがあったので、かえって(マークされて)良かったかも知れません」と気を抜かずにレースができたことが勝因のひとつと分析した。

 

 

2年連続未勝利馬が勝利した『兵庫若駒賞』だったが、昨年のこのコーナーで「(未勝利馬の重賞勝ちは)必然と言っていい事象で、このままの番組体系なら、また起こりうることだろうと思う」と記していたが、すぐさま翌年に同じ事が起きるとは…。

 

掘り下げて言うのは昨年までとして、同馬のオーナーは元調教師の橋本忠男氏。

 

今年の春に調教師を引退したばかりの“新米”馬主だ。

 

愛弟子の吉村騎手が今年の『新春賞』で恩師の花道を飾ったが、今度は馬主となった恩師に初の重賞をプレゼントした。

 

「プレゼントしてもらってるというより、こちらがプレゼントしてもらってる方です」と謙遜する弟子を、隣で照れくさそうに頷きながら、最後は大きな拍手を送った橋本忠男氏だった。

 

 

 

写真:斎藤寿一

 

文:竹之上次男

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