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2022 兵庫ジュニアグランプリ レポート

2022年11月24日(木)

 

◆ダートグレード『第24回兵庫ジュニアグランプリ(JpnⅡ)』(園田1400m) ◆

 

世代最初のダートJpn2競走で、12月の2歳ダート王決定戦「全日本2歳優駿(Jpn1)」のステップレースとしての意味合いも強いレース。

過去23回でJRA勢が19勝と圧倒し、地方馬は05年モエレソーブラッズ(北海道)、09年ラブミーチャン(笠松)、14年ジャジャウマナラシ(浦和)、16年ローズジュレップ(北海道)の4勝。

過去10年でもJRA勢が8勝し、その優勝馬8頭はいずれも3連勝で兵庫ジュニアグランプリを優勝していた。

今年はJRA5頭、北海道2頭、大井1頭の遠征馬8頭を交えての12頭で争われた。

 

 

 

 

 

1番人気はトレド(JRA)、単勝1.5倍の断然人気となった。デビュー戦は中山ダート1800mを2歳レコードで勝利。かなり速い時計が出る不良馬場だったとはいえ、直線の急坂がある中山で逃げて上がり3Fを12.3-12.4-12.4のラップで、ほぼタイムを落とさず駆け抜けたのだから強い。2戦目は左回りの中京で2番手で抑える競馬で最後は7馬身差の完勝。2戦2勝で臨む。

 

2番人気は単勝3.7倍でオマツリオトコ(JRA)。前走ヤマボウシ賞の勝ち時計が標準以上の優秀なもの。ダートはここまで2戦2勝で、芝の函館2歳Sも含めて3戦全てで上がり3F最速という末脚が武器。スタートで出遅れる懸念はあるが、いいポジションにつけられれば好走の期待は高まる。

 

3番人気は単勝7.9倍でマルカラピッド(JRA)。芝の新馬戦こそ大敗したが、未勝利→エーデルワイス賞(Jpn3)とダート替わりで連勝。前走は砂を被って進みが悪く、ずっと押っ付けられながらの追走だったが、直線でしぶとく伸びて勝利した。

 

さらに、エーデルワイス賞で2着に粘ったエコロアイ(JRA)が4番人気(単勝10.9倍)、重賞イノセントカップの優勝馬スペシャルエックス(門別)が5番人気(単勝13.8倍)で続き、6番人気以下は64倍以上となった。

 

 

 

 

前日は1日雨。途中激しい雷雨となり、第7Rは取り止めとなるほどだった。レース当日、天気は回復したものの馬場全周内側に砂が補充され、雨の影響が残って馬場状態「重」でスタートが切られた。

 

スタートはまずまず揃ったが、トレドが6~7完歩目に躓いてバランスを崩し、後方からとなった。

スペシャルエックスが内枠を利して楽にハナに立つと、エコロアイがその外2番手に。序盤少し押っ付け気味だったオマツリオトコは徐々に外に持ち出され4番手を取った。マルカラピッドやデステージョは好位を見る形で1コーナーを迎えた。

 

予期せぬ出来事は1コーナーの入口で起こった。1番人気のトレドが、手前を変える際に左前肢に大ケガを負ってしまい競走中止。将来への期待も大きかった馬、本当に残念なアクシデントとなってしまった。

 

レースは、3コーナーから徐々に前との差を詰めたオマツリオトコが4コーナー出口では楽に先頭へ。そのまま直線で後続を4馬身離して重賞初制覇を成し遂げた。2着は逃げ粘ったスペシャルエックス、3着にはデステージョが中団から追い込み、門別勢が2,3着に食い込んだ。

地元馬は、最先着がジョイブラックの8着と奮わなかった。

 

上位3頭は2番人気→5番人気→6番人気で、三連単は20,840円。

 

 

 

オマツリオトコはこれで4戦3勝、重賞初制覇。

 

<獲得タイトル>
2022 兵庫ジュニアグランプリ(園田)

 

 

横山武史騎手の地方重賞制覇は、昨年の名古屋グランプリ(ヴェルテックス)以来となる2勝目。
兵庫重賞は初制覇。
園田での騎乗は、一昨年2月のJRA交流「夢前川特別」以来2回目だった。

 

 

伊藤圭三調教師は兵庫重賞2勝目。
2017年兵庫ジュニアグランプリをハヤブサマカオーで制して以来。

 

 

レース結果はこちら>>>(NAR 地方競馬情報サイト)

 

 

 

 

◆出走馬

 

1 スターキー(橋本) 長尾翼玖騎手 12番人気

 


2 (門)スペシャルエックス(田中淳司) 田中学騎手 5番人気

 


3 (J)オマツリオトコ(伊藤圭三) 横山武史騎手 2番人気

 

4 ジョイブラック(高本) 廣瀬航騎手 8番人気

 

5 (J)ラブミーモナコ(村山明) 松若風馬騎手 7番人気

 

6 ジョウショートニー(雑賀伸一郎) 井上幹太騎手 11番人気

 

7 (J)マルカラピッド(今野貞一) 小沢大仁騎手 3番人気

 

8 (門)デステージョ(角川秀樹) 吉村智洋騎手 6番人気

 

9 (J)エコロアイ(森秀行) 武豊騎手 4番人気

 

10 バウアーズ(新子) 下原理騎手 9番人気

 

11 (J)トレド(池上昌和) 石川裕紀人騎手 1番人気

 

12 (大)ジンステージ(赤嶺本浩) 東原悠善騎手 10番人気

  

 

 

 

 

 

 

◆レース

 

【スタート】 スタートはまずまず揃ったが、6ジョウショートニーが若干出負け。1番人気11トレドはスタート後6~7完歩目でバランスを崩して、12ジンステージと接触。さらにその後、10バウアーズに前に入られる形でブレーキがかかり、後方からとなった。

 

【1周目スタンド前①】 2スペシャルエックスがすんなりハナを奪い、9エコロアイが2番手ですんなり前の隊列は決まった。5ラブミーモナコの外へ3オマツリオトコが出していく。

 

【1周目スタンド前②】 7マルカラピッドが5番手につけ、その2馬身後ろの中団は12ジンステージ、8デステージョ、10バウアーズ、1スターキーが続いた。

 

【2コーナー】 後ろから3頭目にいた11トレドが1コーナー入り口で左前肢を痛めて競走中止。後方には4ジョイブラック、6ジョウショートニーと続き、馬群全長は約12馬身となった。

 

【向正面】 大きく隊列は変わらないが、5ラブミーモナコがスピードアップについていけずやや後退。代わって3オマツリオトコが3番手に浮上し、中団から8デステージョが馬群の間から早目に追い上げを開始。

 

【3コーナー】 逃げる2スペシャルエックスと2番手9エコロアイの外から、楽な手応えで3オマツリオトコが迫る。8デステージョや中団の7マルカラピッドなどはなかなか前との差を詰められない。

 

【4コーナー】 一気に外からまくり切った3オマツリオトコが4コーナー出口で先頭に立って直線に向かった。

 

【最後の直線①】 残り180m、3オマツリオトコが1馬身抜け、2スペシャルエックスが内ラチ沿いで粘る。勢いの鈍った9エコロアイと5ラブミーモナコの外から8デステージョがジワジワと迫る。その外から7マルカラピッド。

 

【最後の直線②】残り100m、前2頭は大勢ハッキリ。3番手争いが内5ラブミーモナコ、中9エコロアイ、外8デステージョと3頭広がるも、勢いは外の8デステージョ優勢。

 

【最後の直線③】残り50m、3オマツリオトコが一気に突き放す。2スペシャルエックスも3番手を突き放し、8デステージョが3番手に上がって2番手にジワジワ迫る。

 

【最後の直線④】 ゴール直前、最後までしっかり追われた3オマツリオトコはあっという間に4馬身のリードを取った。

 

 

【ゴールイン】 3オマツリオトコが重賞初勝利のゴールイン。2着には2スペシャルエックス(門別)で、3着が8デステージョ(門別)。今年は門別勢が健闘を見せた。

 

 

 

 

「力のある馬だというのは新馬戦の時から分かっていた」と横山武史騎手。

 

「スタートは得意ではないので、そこだけを集中して気を付けた。スムーズに運べれば絶対に良い結果はついてくると自信を持って臨んだ」という言葉の通り、五分のスタートを決めてすんなりと好位外目のポジションを取った。

「内は砂が重い印象があったのでインコースにこだわりすぎず、それプラス、砂を被らない位置にということで外々を回してもいいかなと思った」と冷静に馬場状態を分析し、その通りのレース運びを見せるあたりは昨年G1 5勝と大ブレイクをしたさすがの横山武史騎手だ。

 

勝負所でもいい手応えで好位を回り、4角でゴーサインが出るとあっという間に前の2頭を捉えて抜け出した。
「新馬戦の時も反応良かったですけど、さらに今回反応が良くなっていましたし、こちらが思うよりずっと強い競馬で勝ち切ってくれた」と賛辞を贈った。

 

 

横山武史騎手 優勝インタビュー> (そのだけいば・ひめじけいば 公式YouTubeより)

 

 

オマツリオトコの血統背景についても紹介しておこう。

 

母マツリバヤシは2010年にこのレースに出走し6着。母が勝てなかった重賞タイトルを孝行息子が手にしたことになる。

また、父ヴィットリオドーロの主な勝ち鞍は「4歳以上1000万下」と現役生活は大きな活躍ができなかったが、サイアーとしてイグナシオドーロに続く2頭目のダートグレードホースを送り出した。(昨年で種牡馬を引退し乗馬となっている)

さらに、ヴィットリオドーロの母はダート重賞8勝の名牝プリエミネンス、グランド牧場を代表する一頭だ。
オマツリオトコの母マツリバヤシも、その父スマートボーイ(ダート重賞5勝)もグランド牧場産。

 

まさに牧場ゆかりの血脈が凝縮されたオマツリオトコ。プリエミネンスやスマートボーイを育て上げた伊藤圭三調教師にとっても、その両孫で挙げた勝利は嬉しかったことだろう。

 

 

 

「賢くて強い馬。まだ子供で調教から課題とする部分も多いが、それは成長できる余地があるということ。これからまだまだ楽しみです」と横山武史騎手が評したオマツリオトコ。

来月川崎で行われる全日本2歳優駿(Jpn1)、そして来年の3歳ダート戦線での活躍に大いに期待したい。完走が叶わなかったトレドの分も。

 

 

 

 

 

 

 

 

写真:齋藤寿一
文:三宅きみひと

2022 楠賞 レポート

2022年11月2日(水)

 

◆全国交流重賞『第56回楠賞』(園田1400m) ◆

 

元々は「楠賞全日本アラブ優駿」として、3歳のアングロアラブ日本一決定戦として行われていたレース。

「楠賞兵庫アラブ優駿」として行われた2003年を最後にサラブレッドのレース「楠賞」に変わり、条件も古馬のリミテッド競走(兵庫生え抜き馬限定戦)に一新され、2012年まで実施された(園田競馬場でJBC競走が行われた2008年のみ3歳限定重賞)。

 

その後、5年間休止となっていたが、2018年に全国交流の3歳重賞として復活。今年5年目を迎えた。

昨年は、今や兵庫の看板馬となったイグナイターが初めてタイトルを取ったレースで、今年のダートグレード連勝へと繋げた。

今年は、全国からの強豪馬5頭を加えたフルゲート12頭で争われた。

 

 

 

 

1番人気は船橋のリヴィフェイスで単勝2.9倍。ハイレベルな南関東の重賞で2着が2回あるほか、羽田盃8着、東京ダービー6着と南関東の3歳馬の中で上位の力を示していた。夏は休養した後、秋初戦は2着に好走し、一叩きされた今回、念願の重賞初制覇に期待がかかる。

 

2番人気は単勝3.2倍でエコロクラージュ。デビューから無傷の6連勝で園田オータムトロフィーを勝利したが、前走秋の鞍は3着敗戦。初めての名古屋競馬場でレース前から物見が激しかったようで、直線抜け出そうとした時にもソラを使ってしまい初黒星。そこで、楠賞に向けて調教からブリンカーを試し、効果を確かめた上でレースでも着用することなった。

 

3番人気は単勝6.6倍でクリノメガミエース。笠松のぎふ清流カップを逃げ切って勝利し、その後3着、2着と崩れずに好走。前週に兵庫クイーンカップを制し、前日も金沢で重賞を制した金沢の名手吉原寛人騎手を迎えての一戦。

 

4番人気は、平和賞の優勝馬で羽田盃2着の実績があるライアン(単勝7.6倍)。5番人気は、単勝11.2倍で高知の二冠馬ガルボマンボが続き、近走成績が振るわない兵庫ダービー馬バウチェイサーは7番人気に甘んじた。

 

 

 

 

良く晴れて、まさに小春日和といったぽかぽか陽気で気温23℃。昨日降った雨で渋っていた馬場も乾きが早く、良馬場でスタートが切られた。

 

逃げ先行タイプが多く、何が逃げるかに注目が集まったが、廣瀬騎手と初コンビを組むバウチェイサーが外から気合をつけられるとすんなりハナを奪った。エコロクラージュが2番手で、好位インにリヴィフェイスとすんなり隊列は決まった。ライアンとガルボマンボは中団で並び、クリノメガミエースは後方2番手という意外な展開に。

 

2コーナーまでスローペースで進めたバウチェイサーだったが、向正面から徐々にピッチを上げて早くも後続を3馬身近く突き放していく。2番手エコロクラージュは、3~4コーナーで前を射程圏に入れると、直線に向く手前から一気にスパートし、直線半ばで後続を3馬身突き放した。ゴール前で少し遊んでスピードが落ちてしまった分で残り50mから一気に差が詰まったが、船橋のリヴィフェイスをクビ差振り切って優勝を果たした。

エコロクラージュは園田オータムトロフィーに続く重賞2勝目。これで8戦7勝、地元戦では未だ負けなし。

 

初重賞制覇を狙ったリヴィフェイスは3度目の重賞2着。後方待機から直線で大外強襲を見せたクリノメガミエースがクビ+クビ差の3着。高知の二冠馬ガルボマンボが4着で、兵庫ダービー馬バウチェイサーが5着。

 

昨年のイグナイタ―に続き、今年も兵庫勢の勝利。楠賞再開後、兵庫生え抜き馬の優勝は初めて。

 

 

上位3頭は2番人気→1番人気→3番人気で、三連単は3,500円。

 

 

 

エコロクラージュはこれで8戦7勝となり、重賞は2勝目。
前走の秋の鞍は3着に敗れたが、まだ地元では7戦負けなし。

 

<獲得タイトル>
2022 園田オータムトロフィー(園田)
    楠賞(園田)

 

 

 

吉村智洋騎手は重賞39勝目。
先月の兵庫ゴールドカップ(コパノフィーリング)以来の重賞制覇で、今年重賞6勝目。
楠賞は初制覇。

 

 

保利良平調教師は重賞4勝目。今年、園田オータムトロフィー(エクロクラージュ)に続く2勝目。
楠賞は初制覇。

 

 

 

レース結果はこちら>>>(NAR 地方競馬情報サイト)

 

 

 

 

◆出走馬

 

1 (浦)ライアン(小久保智) 田中学騎手 4番人気

 

2 クリノメガミエース(石橋) 吉原寛人騎手 3番人気

 

3 (高)ガルボマンボ(細川忠義) 林謙佑騎手 5番人気

 

4 (船)リヴィフェイス(石井勝男) 本橋孝太騎手 1番人気

 

5 グッドライズ(栗林) 永井孝典騎手 8番人気

 

6 エコロクラージュ(保利平) 吉村智洋騎手 2番人気

 

7 ローグネイション(田中範) 岡部誠騎手 10番人気

 

8 (船)ミゲル(山中尊徳) 下原理騎手 6番人気

 

9 (大)ヒストリックノヴァ(渡辺和雄) 大山真吾騎手 9番人気

 

10 エイシンクエーサー(橋本明) 鴨宮祥行騎手 12番人気

 

11 バウチェイサー(新子) 廣瀬航騎手 7番人気

 

12 ベラジオサキ(栗林) 中田貴士騎手 11番人気

  

 

 

 

 

 

 

◆レース

 

【スタート】 スタートはややバラついた。3ガルボマンボ、4リヴィフェイス、5グッドライズ辺りが好発を切った一方、7ローグネイションと12ベラジオサキがやや出遅れた。

 

【1周目スタンド前①】 外から気合をつけられた11バウチェイサーが楽にハナを奪い、外に切り替えた6エコロクラージュが2番手。3番手インに4リヴィフェイスが付ける。

 

【1周目スタンド前②】 5グッドライズと8ミゲルが好位に上がり、1ライアンと3ガルボマンボは控えて中団。その後ろに9ヒストリックノヴァと10エイシンクエーサーがポジションを取った。

 

【2コーナー】 後方にいた7ローグネイションがやや引っ掛かりながら中団まで押し上げる。2クリノメガミエースが後ろから2頭目で、最後方に12ベラジオサキ。馬群全長10馬身くらいでスローペースの落ち着いた流れとなった。

 

【向正面】 向正面に入ったところから11バウチェイサーが早目にスピードを上げて、2番手の6エコロクラージュとの差を3馬身近く離していく。

 

【3コーナー】 逃げる11バウチェイサーとの差を6エコロクラージュが詰めにかかる。3番手以下も手綱を動かして前との差を詰めようとするが、なかなか差を詰められない。

 

【4コーナー】 11バウチェイサーに6エコロクラージュが並んでいく。3馬身離れた3番手は2頭並走。8ミゲルの内から4リヴィフェイスが上がってくる。その後ろに5グッドライズがいて、3ガルボマンボや1ライアンはまだ中団。2クリノメガミエースはまだ後方3~4番手。

 

【最後の直線①】 残り150m、直線に向く手前からスパートした6エコロクラージュが先頭に立ち、2馬身リード。内ラチ沿いで粘る11バウチェイサーに、外から4リヴィフェイスが迫ってくる。さらに内から1ライアン、外から8ミゲル、2クリノメガミエース、3ガルボマンボと、4番手は4頭が広がって前を追う。

 

【最後の直線②】残り100m、6エコロクラージュが完全に突き抜けた。11バウチェイサーの勢いが鈍り、4リヴィフェイスがグングン迫る。その後ろで、内から1ライアン、外から2クリノメガミエースと3ガルボマンボが追い込んできた。

 

【最後の直線③】残り50m、先頭に立ったあと遊び始めた6エコロクラージュは、鞍上の吉村騎手が激しく叱咤激励するも勢いが鈍ってきた。外から一気に4リヴィフェイスが2番手に上がり、さらに大外から2クリノメガミエースが鋭く伸びる。

 

【最後の直線④】 ゴール直前、6エコロクラージュに追いすがる4リヴィフェイス。2クリノメガミエースも3番手に上がってさらに前に迫る。

 

 

【ゴールイン】後続の追い上げをクビ差凌いだ6エコロクラージュが重賞2勝目のゴールイン。2着には好位追走の4リヴィフェイス(船橋)、さらにクビ差で今回は後方待機だった2クリノメガミエースが3着。3ガルボマンボ(高知)が3馬身離れた4着で、逃げたバウチェイサーは5着。

 

 

 

 

 

 

エコロクラージュが、初黒星を喫した前走の無念を全国交流の舞台で晴らした。

 

保利良平調教師曰く、「(最終追い切りは)僕が今まで管理する中でもバケモノ級の時計が出たのでいい勝負になると思って送り出した」という最高の仕上げでレースに送り出された。

吉村騎手は、「レース前は他場の馬もいるしもう少しごちゃつくかなと思っていて、2列目か3列目になることも想定していた」というが、実際は「理想的な2番手」でレースをすることができた。

 

4コーナーでは、「前は捕まえられるなと思っていたが、前走名古屋での“抜け出してから遊ぶ”という癖が出るんじゃないかという不安の方が大きかった」という。

 

前からソラを使うことはあったが、レースを覚えるにつれその度合いが増しており、前走は勝てるレースを落としてしまった無念の思いが陣営にはあった。

「勝ち続けているうちはなかなか新しいことを試す(ブリンカーをつける)ことは難しいけど、前走負けたことでブリンカーをつけることを進言しました。」(吉村騎手)

 

レースでしかエコロクラージュに乗らない吉村騎手だが、調教ではブリンカーの効果があったことを陣営から聞いており、「後ろをチラッと見た時に離れていたので、これなら抜けてちょこっと遊ぶくらいなら押し切れると信じて一気にスパートした」という一瞬の判断はさすがトップジョッキーだ。

 

直線に向いて、「最高でした」という反応のままにスッと後続を3馬身離し、勝負を決めた。
保利良平調教師は「前走の敗戦が今日に繋がった」とやや目を赤くしながらインタビューに応えた。中間の調整からブリンカー着用を試み、試行錯誤を重ねた陣営の苦労が実った勝利だった。

 

 

 

 

 

 

 

吉村智洋騎手 優勝インタビュー> (そのだけいば・ひめじけいば 公式YouTubeより)

 

保利良平調教師 優勝インタビュー> (そのだけいば・ひめじけいば 公式YouTubeより)

 

 

 

最後の50mで一気に差が詰まりクビ差に迫られたが、前走ほどではなかったにせよ最後はやはり少し遊んだという。まだ完全に不安が解消されたわけではないようだ。

「まだ幼くて教えなければいけないことが一杯ある」(保利平師)ということは、逆に言えば、成長の余地がまだまだあるということに他ならない。

 

 

 

 

全国交流の楠賞の勝利ということで、同じ距離の兵庫ゴールドトロフィー(Jpn3)への出走を期待する声も上がると思われるが、この後、年内は休養に入るという。楠賞に向けてビッシリ仕上げられたため、無理をさせずに一旦リフレッシュさせるという。

また、距離も1400mはやや短いというのが陣営の見解。来年は1700m以上の中距離路線の王道を歩ませたいと考えているようだ。

 

 

今回の楠賞前の段階でエコロクラージュのポイントは442P、B2クラス所属だった。今回の勝利で100Pが加算されてB1クラスに上がったが、長期休養を経ると、来年復帰の際には1つ降級して再びB2からのスタートとなることが予想される。

そのため重賞を使いたくても優先順が下位のため出走できず、しばらくは平場のレースを使わざるを得なくなる。

楽に勝てるところでレースが可能なのは嬉しい半面、競走馬は強い相手と戦い続けることで成長する面もあるため、様々なジレンマを抱えながらの春になるかもしれない。

 

 

 

 

“センスの塊”と吉村騎手が評するまだまだ伸びしろ十分の3歳馬。ジンギやラッキードリーム、シェダルなど一流の古馬たちと混じってレースをするのはまだ先になるだろうが、放牧先の坂路でさらに鍛えこみ一段とパワーアップした姿で、頂上決戦に名乗りをあげる時を楽しみに待ちたい。

 

 

 

 

写真:齋藤寿一
文:三宅きみひと

2022 兵庫クイーンカップ レポート

2022年10月27日(木)

 

 

◆西日本交流重賞『第19回兵庫クイーンカップ』(園田1700m)◆

 

一昨年から西日本交流と変わり、高知・佐賀からも参戦可能となった兵庫クイーンカップ。今年は、名古屋、金沢、高知、佐賀からの1頭ずつ計4頭の遠征馬を加えての12頭で争われた。

 

(4クリノアリエルに騎乗予定だった田中学騎手は、腰痛のため大山真吾騎手に変更となった。)

 

 

 

混戦ムードの中、1番人気の支持を受けたのは、アンティキティラ(高知)で単勝3.2倍。
前走の秋の鞍では、6戦無敗で園田オータムトロフィーを制したエコロクラージュや兵庫ダービー馬バウチェイサーといった兵庫の強豪2頭を破る走りを見せた。ここまで遠征重賞では3戦3勝の3歳牝馬にまずは注目が集まった。

 

2番人気はステラモナークで単勝3.5倍。
3歳時に重賞5勝を挙げた逃げ馬。古馬となってからは大きなタイトルから遠ざかっているが、今年も牡馬相手のA1で好走歴がある。今年一杯での引退が決まっており、このレースか次が引退レースとなる予定。最後にもう一つタイトルを取りたい。

 

3番人気(単勝4.8倍)は、デンコウハピネス。
今年の夏、兵庫サマークイーン賞3着、摂津盃5着、名古屋の秋桜賞4着と、重賞で連続好走を見せていた。A2所属とはいえ、相手なりに堅実な脚を使う馬。今月12日間の開催でなんと41勝を挙げた絶好調の吉村智洋騎手が鞍上ということもあったか、3番人気の支持を受けた。

 

4番人気(単勝5.6倍)に去年のサラブレッド大賞典、加賀友禅賞を制した重賞2勝のベニスビーチ(金沢)。
去年のこのレース4着馬で、今年くろゆり賞(笠松)で2着があるナナカマドカが5番人気(単勝10.0倍)。
また、去年の兵庫サマークイーン賞と兵庫クイーンカップを制し、夏秋クイーンに輝いたシーアフェアリーは連覇を狙っての出走となったが、近走の不振もあって8番人気(単勝27.0倍)に甘んじた。

 

 

 

昼間は気温が上がって20℃。気持ちのいい秋晴れの中、良馬場でレースは行われた。

 

ゲートの飛び出しはほぼ横一線に見えたが、ステラモナークが若干の出負け。しかし、そこから一気に加速してハナを奪った。道中一気にペースが落ちる中、アンティキティラは中団馬群の中でレースを進め、序盤は好位にいたデンコウハピネスは少しずつポジションを下げて差しに構える展開となった。これまで好位でレースをすることが多かったベニスビーチは最後方を追走。

 

向正面から徐々にペースを上げたステラモナークが一旦2馬身のリードを取るも、一気に外を追い上げたデンコウハピネスが4コーナーで馬体を合わせていく。アンティキティラは馬群の中でやや窮屈な展開となっていたが、4コーナーで外に進路ができて追い上げ開始。ベニスビーチも馬群を縫うように1頭また1頭と抜いて前に迫りつつ、直線は大外に持ち出された。

 

最後の直線、一杯になったステラモナークを抜いてデンコウハピネスが先頭に立つと、外からアンティキティラとベニスビーチが追い込み、内からはナナカマドカも伸びて4頭の大激戦。

末脚が勝ったベニスビーチが内の各馬をまとめて差し切って優勝。金沢勢はこのレース3勝目となった。
2着は高知のアンティキティラ。3着にインをロスなく走ったナナカマドカ。デンコウハピネスは4着で、ステラモナークは7着。連覇を狙った名古屋のシーアフェアリーは10着だった。

 

上位3頭は4番人気→1番人気→5番人気の決着で、三連単は9,880円。

 

 

 

ベニスビーチは、重賞3勝目。

 

<獲得タイトル>
2021 サラブレッド大賞典(金沢)
    加賀友禅賞(金沢)
2022 兵庫クイーンカップ(園田)

 

 

吉原寛人騎手は、地方重賞通算124勝目。今年重賞9勝目。
兵庫の重賞は、2020兵庫ゴールドカップ(エイシンエンジョイ)に続く4勝目。

 

 


(中川調教師は当日不在。表彰式には石橋満調教師が代理で参加)

 

中川雅之厩舎は、地方重賞通算24勝目。昨年の加賀友禅賞(ベニスビーチ)以来の重賞制覇。
兵庫での重賞制覇は、2019年の兵庫クイーンカップをヤマミダンスで制して以来2度目。

 

 

 

 

レース結果はこちら>>>(NAR 地方競馬情報サイト)

 

 

 

◆出走馬

 

1 クレモナ(長倉) 井上幹太騎手 7番人気

 

2 ステラモナーク(新子) 下原理騎手 2番人気

 

3 (佐)カルフレグランス(山田徹) 石川慎将騎手 10番人気

 

4 クリノアリエル(橋本) 大山真吾騎手 6番人気

 

5 ナナカマドカ(田中範) 川原正一騎手 5番人気

 

6 (高)アンティキティラ(別府真司) 多田羅誠也騎手 1番人気

 

7 (金)ベニスビーチ(中川雅之) 吉原寛人騎手 4番人気

 

8 イチゴチャン(高馬) 廣瀬航騎手 11番人気

 

9 マハーラーニー(坂本) 竹村達也騎手 9番人気

 

10 メイプルグレイス(大山) 永井孝典騎手 12番人気

 

11 デンコウハピネス(尾林) 吉村智洋騎手 3番人気

 

12 (名)シーアフェアリー(安部幸夫) 岡部誠騎手 8番人気

 

 

 

 

 

 

 

 

◆レース

近3年はナイター重賞として行われた兵庫クイーンカップ、今年は4年ぶりに昼開催での実施。馬場状態「良」でスタートを迎えた。

 

【スタート】 ほんのわずかだけ2ステラモナークが出負けもすぐに挽回。3カルフレグランスと8イチゴチャンが好スタートを決め、他ははほぼ一線の飛び出し。

 

【1周目3コーナー】2ステラモナークが二の脚を使ってハナを主張し、2番手に3カルフレグランスと8イチゴチャン。4番手で6アンティキティラと11デンコウハピネスが並んだ。その後ろの中団に1クレモナと9マハーラーニー。

 

【1周目スタンド前】 12シーアフェアリーが少しかかりながら外から好位へ上がる。5ナナカマドカが中団後ろのインを立ち回り、後方から4クリノアリエル、10メイプルグレイス。7ベニスビーチは一旦最後方まで下げた。

 

【2周目2コーナー~向正面】 2ステラモナークが1~2コーナーでペースを落とし、馬群が7馬身圏内に凝縮した。8イチゴチャンが早くも後退を始める。

 

【2周目3~4コーナー】 逃げる2ステラモナークがペースを上げて後続を突き放しにかかるところに、一旦中団後ろまで下げていた11デンコウハピネスが大外から勢いよく迫っていく。7ベニスビーチは馬群の間を縫うようにポジションを少しずつ上げる。馬群の真ん中でやや窮屈な展開を強いられた6アンティキティラも4角手前で外に進路を見出した。

 

【4コーナー~最後の直線】 2ステラモナークに並んだ11デンコウハピネスは直線に向くところでやや外へ。その間を5ナナカマドカと1クレモナが狙う。6アンティキティラと7ベニスビーチはさらに外から脚を伸ばす。

 

【最後の直線①】2ステラモナークは脚色が鈍り、11デンコウハピネスが先頭に立つ。ここに外から6アンティキティラと7ベニスビーチが迫ってきた。

 

【最後の直線②】残り100m。外で3頭の追い比べ。さらに内から5ナナカマドカも接近して、4頭横一線の大激戦。

 

【最後の直線③】直線入口で先頭に立った11デンコウハピネスの勢いが鈍る。7ベニスビーチが大外から勢いよく差し切っていく。

 

【最後の直線④】7ベニスビーチが鮮やかな末脚で差し切り、2着争いは6アンティキティラと5ナナカマドカの2頭。

 

【ゴールイン】3/4馬身差で7ベニスビーチが優勝のゴールイン。このレース、金沢勢にとって3年ぶりの優勝となった。2着に6アンティキティラ(高知)。クビ差の3着に5ナナカマドカ。11デンコウハピネスは4着で、2番人気の2ステラモナークは7着だった。

 

 

 

 

「いつもはもっと速いんですが、ちょっとトモを滑らせて五分ぐらいのスタートになってしまいました」と吉原騎手。
好位でレースをすることの多い馬が最後方まで下げたのには驚いたが、これは意図してのものだった。
「ごちゃつくと少し嫌がるところがある馬なので、後ろで気分よく走らせた方がいいかなと思った」とのことで、馬の個性をしっかり把握して最善の選択をしたということだろう。

 

 

予想以上に道中のペースが一気に落ちてしまったが、「他の馬がかかっていた」のと対照的に「操縦性のいい馬なので楽に追走できた」ことで末脚がしっかり溜められたことが大きかった。
そして、「勝負所の手応えは痺れた。しっかり反応してくた」ということだが、「なるべく外は回したくなかった」吉原騎手が、見事な進路どりで馬群を縫いながらポジションを押し上げていく手綱捌きはさすがという他ない。これぞ名手という騎乗だった。

 

 

「後ろからでもどこからでも差して来られる馬。ポジションはこだわらず、展開に合わせて乗れるところが強み」と、自在性のある脚質が武器。遠征競馬でもきっちり結果を出したパートナーを吉原騎手は讃えた。

 

 

 

吉原寛人騎手 優勝インタビュー> (そのだけいば・ひめじけいば 公式YouTubeより)

 

 

 

金沢勢の兵庫クイーンカップ優勝は、2012年ロッソトウショウ、2019年ヤマミダンスに続き3度目となった。

 

 

 

まだまだ若い4歳馬。操縦性が高く、自在性のある脚質を武器にこれからもベニスビーチは活躍の場を広げていくことだろう。

 

先月は西日本ダービーを金沢の3歳牝馬スーパーバンタムが制しており、最強牝馬ハクサンアマゾネスもいて、金沢の牝馬には勢いがある。
来年のグランダムジャパン古馬シーズンでは、金沢の牝馬も兵庫勢の前に大きく立ちはだかることだろう。地元牝馬のリベンジにも期待したい。

 

 

 

 

写真:齋藤寿一
文:三宅きみひと

2022 兵庫ゴールドカップ レポート

2022年10月20日(木)

 

◆重賞『第6回兵庫ゴールドカップ』(園田1230m) ◆

 

1年で唯一の1230mを使った重賞「兵庫ゴールドカップ」。2020年から全国交流戦と変わって今年で3年目。今年は他地区から5頭の遠征を含む12頭で争われた。

 

 

 

 

1番人気は単勝3.2倍でコウエイアンカ。強烈な末脚が身上の馬で、今年はサマーチャンピオン(佐賀Jpn3)で2着に好走。前走の園田チャレンジカップは、逃げと内が有利な馬場に泣いての5着。今年1230mでは春に4連勝を飾っており、昨年3着のリベンジを期しての出走となった。

 

差のない2番人気に3.3倍で船橋のコパノフィーリング。昨年のこのレースを3馬身半差で圧勝、南関東勢のレベルの高さを見せつけた。今年、川崎スパーキングスプリントで重賞3勝目。森泰斗騎手からバトンを受けた吉村智洋騎手とのコンビで連覇を目論む。

 

3番人気は6.0倍でオヌシナニモノ。JRAのダート短距離で4勝を挙げた快速馬が、JRAから金沢へ移籍しその初戦がこのレース。先行できるスピードもあり、JRA実績が買われて上位人気に支持された。

 

4番人気は昨年の園田オータムトロフィー優勝馬エイシンビッグボス(7.6倍)で、今回初の1230m戦。5番人気は7連勝中のパールプレミア(8.0倍)で、笹田騎手に替わって初めて鴨宮騎手とのコンビとなった。

金沢スプリントカップで重賞初制覇を果たしたハナブサが6番人気(11.8倍)で、前走園田チャレンジカップ優勝のダノンジャスティス(高知)が7番人気(17.1倍)と、前走重賞を勝った2頭ですら中穴人気に甘んじるほどの好メンバーで混戦ムード。

さらに、去年2着のメイプルグレイトが8番人気(22.4倍)で続き、そのほかは46倍以上となった。

 

 

 

 

 

当週の3日間は薄暮開催。日没から30分以上経過した発走時刻にはすっかり夜の帳が下りていた。よく晴れて気温は20℃、絶好の良馬場でスタートが切られた。

 

スタートはバラつき、ミラクルチューン、ネクストムーブ、スノールナがやや出負け。1番人気のコウエイアンカも、いつものようにスタートは後手を踏んで後方から。

エイシンビッグボスやメイプルグレイトが好スタートを決めた中、逃げ先行馬が揃ったためハナ争い激化も予想されたが、二の脚が圧倒的に速かったコパノフィーリングが難なく逃げに持ち込んだ。ゴール板前では早くも1馬身半抜け出すスピードだった。

 

1コーナー飛び込みでオヌシナニモノが外に膨れてポジションを少し下げた以外はすんなり隊列が決まり、ペースは思ったほどは上がらず。コウエイアンカは、先頭から12馬身差の後方2番手でレースを進める。

 

4コーナーまで楽な手応えだったコパノフィーリングは、吉村騎手からゴーサインが出されるとしっかりと反応。後続を引き離し、最後は2馬身差を保ったまま快勝。兵庫ゴールドカップ連覇を決めた。

 

2着は中団のインをうまく立ち回ったエイシンビッグボス。3着は大接戦となったが、外から急追を見せたコウエイアンカがギリギリハナ差届いた。惜しい4着は3番手を追走していたメイプルグレイト。2番手追走だったパールプレミアが5着。オヌシナニモノは見せ場なく10着だった。

 

 

コパノフィーリングは、2018,19年のナチュラリー以来のとなる同レース連覇達成。

 

上位3頭は2番人気→4番人気→1番人気で、三連単は10,010円。

 

 

 

 

コパノフィーリングは、重賞4勝目。
昨年に続く、兵庫ゴールドカップ連覇。

 

<獲得タイトル>
2021  習志野きらっとスプリント(船橋)
     兵庫ゴールドカップ(園田)
2022
川崎スパーキングスプリント(川崎)
     兵庫ゴールドカップ(園田)

 

 

 

吉村智洋騎手は重賞38勝目。
今年の園田オータムトロフィー(エコロクラージュ)以来の重賞制覇で、今年5勝目。
兵庫ゴールドカップは初制覇。
この勝利が地方通算2900勝のメモリアル勝利となった。

 

 

新井清重調教師(船橋)は重賞7勝目。
兵庫で重賞制覇は昨年の兵庫ゴールドカップに続く2度目。

 

 

 

 

レース結果はこちら>>>(NAR 地方競馬情報サイト)

 

 

 

 

◆出走馬

 

 


1 エイシンビッグボス(橋本)  下原理騎手 4番人気

 


2 (名)ミラクルチューン(榎屋充)  大畑雅章騎手 11番人気

 

3 ネクストムーブ(織田)  永井孝典騎手 12番人気

 

4 メイプルグレイト(大山)  田中学騎手 8番人気

 

5 (高)ダノンジャスティス(別府真司)  上田将司騎手 7番人気

 

6 (名)スノールナ(榎屋)  木之前葵騎手 10番人気

 

7 バルボア(栗林)  竹村達也騎手 9番人気

 

8 (金)オヌシナニモノ(佐藤茂)  吉田晃浩騎手 3番人気

 

9 パールプレミア(新子)  鴨宮祥行騎手 5番人気

 

10 (船)コパノフィーリング(新井清重)  吉村智洋騎手 2番人気

 

11 ハナブサ(森澤)  廣瀬航騎手 6番人気

 

12 コウエイアンカ(保利平)  大山真吾騎手 1番人気

  

 

 

 

 

 

◆レース

 

【スタート】 スタートはややバラついた。1エイシンビッグボス、4メイプルグレイトが好スタート。内では2ミラクルチューンが躓き、3ネクストムーブと6スノールナもやや出負け。12コウエイアンカもいつものように1馬身ほど出遅れて、後方からとなった。

 

【1周目スタンド前】 外から一気に10コパノフィーリングが他馬を凌駕する二の脚を見せて一気にハナへ。9パールプレミアが外に切り替えての2番手で、最内に4メイプルグレイト、その間に7バルボアと8オヌシナニモノ。2番手は4頭が並び、その後ろに1エイシンビッグボス。5ダノンジャスティスは控えて中団となった。

 

【2コーナー~向正面】 2ミラクルチューンと6スノールナが並んで中団の後ろとなり、11ハナブサが後方3番手。1番人気の12コウエイアンカは後ろから2頭目、最後方がやや離れて3ネクストムーブ。

 

【向正面】 逃げ先行タイプが揃った割にはペースは上がらず、馬群全長15馬身くらいで淡々と流れた。10コパノフィーリングの吉村騎手は手綱を動かすことなく後続を引き付けながら3コーナーを迎える。

 

【3~4コーナー】 逃げる10コパノフィーリングは余裕の手応え。2番手の9パールプレミアに鞭が飛び、その内から4メイプルグレイトが並びかけていく。8オヌシナニモノと7バルボアが徐々に後退する中、1エイシンビッグボスがジワジワと上がってきた。12コウエイアンカはスパートに入るがまだ後方2番手。

 

【4コーナー~最後の直線】直線に向く手前で追い出された10コパノフィーリングが2馬身リードを取る。外へ持ち出された4メイプルグレイトが2番手に上がり、内から1エイシンビッグボスが差を詰める。9パールプレミアは4番手に後退。12コウエイアンカは大外へ。

 

【最後の直線①】残り100m、 10コパノフィーリングが3馬身リード。外の4メイプルグレイトに内から1エイシンビッグボスが並びかける。大外から12コウエイアンカが豪脚を見せて5番手まで上がってくるが、先頭とはまだ8馬身の差。

 

【最後の直線②】残り30m、 10コパノフィーリングが悠々先頭。2番手に1エイシンビッグボスが上がった。3番手4メイプルグレイトの外から12コウエイアンカが強襲。

 

【ゴールイン】最後は2馬身差で10コパノフィーリングが兵庫ゴールドカップ連覇のゴール。2着には中団のインをロスなく立ち回った1エイシンビッグボスで、そこから1馬身半差の3着争いは大接戦。12コウエイアンカがわずかハナ差届いて3着。4メイプルグレイトは最後粘れず4着。7連勝中のパールプレミアは5着だった。

 

 

 

 

コパノフィーリングが連覇を果たし、南関東勢がそのレベルの高さを見せつけた。

 

この馬と初めてコンビを組んだ吉村騎手は、新井師から「スタートだけ気を付けて。あとは任せます」との言葉を受けてレースに向かった。

「いつもスタートでモサモサする所があるが、今日はスッと出てくれた」(新井師)ことで、そこから一気に加速し、「できれば行きたいなと思ってはいたが、二の脚が速くてスッとハナに行けました」(吉村騎手)と、1コーナーまでに主導権をガッチリ。

「平均ペースで行けたのでこれなら残るなという手応えは十分あったし、直線も追いつかれないなという感じでした」(吉村騎手)と、まさに完勝の内容だった。

 

「今年はちょっと去年よりいくらか落ちているんじゃないかと思っていた」(新井師)という状態の中での勝利なのだから、地力の高さは相当なものだ。

 

 

 

 

吉村智洋騎手 優勝インタビュー> (そのだけいば・ひめじけいば 公式YouTubeより)

 

新井清重調教師 優勝インタビュー> (そのだけいば・ひめじけいば 公式YouTubeより)

 

 

 

 

 

地元勢は残念ながら勝てなかったが、2着のエイシンビッグボスは初の1230m戦にしっかり対応してみせた。まだまだ伸びゆく4歳馬、今後の選択肢が広がった。

 

コウエイアンカはどうしても展開に左右されてしまう面があり、仕方のない敗戦。
この週は火・水曜と直線での外伸びが目立っていたが、木曜になってその傾向がなくなってしまっていた。さらに、意外にも先行争いが落ち着いてしまったことが災いしたが、3着まで追い上げた鬼脚はさすがと言っていいだろう。

 

 

 

吉村騎手が「天性のスピードを兼ね備えているのでまだまだ活躍できる馬」と評したコパノフィーリング。

その次走は、中1週で11/3(木祝)のJBCスプリント(盛岡ダ1200m)を使うプランがあるという。

「間隔は詰まっているが、改めてオーナーと相談します」(新井師)とのことだが、出走すれば、兵庫のイグナイターとの激突も楽しみとなる。

 

 

全国交流となって3年目。初年度は地元のエイシンエンジョイが制したが、ここ2年は南関東勢が立ちはだかる結果となった。

来年こそは、地元馬のリベンジに期待したい。

 

 

 

 

写真:齋藤寿一
文:三宅きみひと

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