2012年9月に試行開催がはじまったナイター競馬も7年目に入り、
今年は4月27日から10月26日まで連続27週の開催がきまっている。
夜空をバックにくっきりと浮かびあがる光の舞台装置。
その光の輪のなかで繰り広げられるスリリングなレース。
熱気と興奮。それがナイター競馬の醍醐味であろう。
照明灯に照らされた馬の毛艶は、じつに美しい。照り耀いている。
それらが群れをなして光の舞台を駆けぬける光景はナイターならではの
美しさがあり、迫力に満ちている。
それにナイター開催日はユニークで多彩なイベントが用意されている。
仲間が集まってたのしく飲み、食べ、老いも若きも大いに盛りあがる。
つまりはお祭り気分。
ワクワク、ドキドキが詰まったエンターテインメントがナイター競馬なのである。
6月22日は梅雨のど真ん中だったが、うれしいことに快晴。
30度を超える真夏日になった。
梅雨の中休みということもあって場内は混みあっている。
正面スタンドは東半分がまだ改装中だが、
中央部分は足場が取れて3階フロアに個室が新設された。
以前、ホワイトルームのあったエリアだ。まずはそこからスタートする。
5人用から11人用まで個室は4タイプ、全8部屋が通路の右と左に並んでいる。
つまり、目の前に見える景色でいえば一方は馬場、
もう一方はパドックということになる。
馬場に面した8人部屋のお客さんが気やすく取材に応じてくれた。
京都からやってきた若い調理師さん5人のグループで、個室はきょうがはじめてらしい。
「成績はどうですか」
「第3レース、当てました」
馬連複⑥-⑩、配当1430円を当てたというから幸先はよさそうだ。
「個室の使い心地はどうですか」と訊くと、「レース見やすくて快適ですね。
料金がずっといまのままだともっとええんやけど…」
改装中の足場がじゃまをして現在は馬場全体を見下ろすことができないので
工事中は料金を半額にしている。
この8人部屋、正規料金は8000円なのだが、いまは4000円。
8人で来れば1人500円の負担ですむ。
観覧費にお金をかけるなら、そのぶん馬券に投入したいと考えるのがファン心理だろう。
調理師さんの言いたいこともわからないではないが、
まあ、たまには奮発して快適空間で競馬をたのしんでください。
インフォメーションで訊ねると、4月のオープン以来、
個室は上々の人気でいつもほぼ満室状態。
「もっと個室をふやしてほしい」という声が多いそうだ。
個室ではないが、同じフロアにA指定席(27席)、B指定席(76席)が新しく
設けられていて、新装なった観覧スペースは清潔で快適な空間に生まれ変わった。
企画広報課の橋本久人課長にナイター開催日の入場者数を聞いた。
初日4月27日が2591人、2週目の5月4日は
ゴールデンウィークということもあって6829人ともっとも多く、
3週目以降はほぼ2000人前後で推移している。
「毎年ゴールデンウィークとお盆と年末年始の時期にイベントが多いんですけど、
ナイター競馬でいえば重賞レースがふえたのが今年の特徴です」と橋本課長は言う。
昨年創設された兵庫ゴールドカップ(3歳以上・1230m)が、
今年はナイター重賞に組み入れられている。
夏気分を盛り上げるサンバチームや縁日などのイベントもこれから本番を迎える。
第4レース終了後、1階レーシングスタジオでSKNフラッシュ8による
第5レース予想会があるのでのぞいてみる。
この日の出演は競馬歴6年の神崎まなみ嬢と
今年加入したニューフェイス大井真巳嬢の二人。
第5競走は5頭立てのレースだったが、真巳嬢は5頭のボックス馬券を買うのだそうだ。
10通りの組み合わせで、これならはずす心配はない。
初心者の真巳嬢、まずは馬券を当てることが大事と心得ているようだ。
結果は②エイシンエール③イナクティーレ④シービジョンズの順にゴール板を通過し、
馬連複②③270円。
あとで二人にインタビューすることになるのだが、
真巳嬢のボックス馬券の収支については触れなかった。