石堂響(いしどう ひびき)
1999年6月29日生まれ 大阪府寝屋川市出身
2018年4月17日デビュー。
地方通算 500戦43勝
競馬実況も得意という異色の新人!
乗っても、過去の新人記録を塗り替える破格の活躍を見せている。
「もう、もう残念でならないですわァ」
そう言って、石堂は駄々をこねる子どものように悔しさを表現する。
あと一歩、最後の最後で大物を取り逃がした釣り人の心境だったろう。
佐賀ラウンド(9月)での2戦を1着、3着と好成績でまとめ、
園田でも3着、2着でポイントを上積みした。
あとは東日本地区の最終戦の結果次第で当否が決定するという状況だったのだが…。
「序盤は勝てなかったんで今年は無理かなという流れだったんですけど、
佐賀で成績がよかったんで欲がでましたね。だって勝っちゃったから…」。
進出できないことに納得いかないといった悔しがりようだ。
デビュー1年目の今年、すでに43勝(11月22日現在)をあげている。
1年目の騎手では前年に記録をだした永井孝典(33勝)を抜いてレコードを更新。
満足のいく1年目だったことは間違いない。
「先生(長南調教師)からは、とりあえずハナを切れと言われてた。
それがうまくいってるんだと思います。
ここまで勝たせてもらったし、YJSもまあまあいい感じできてたから、
デビュー1年目はいい年やったかなと。
テレビにも出れたし、年末は中山で乗れるわと(笑)。
そしたら、こういう結果になってしまって…」
彼のいうテレビとは今夏に放送された『探偵!ナイトスクープ』に
依頼者として出演したことをさす。
石堂がまだ子どもだったころ、駄菓子屋で買った占いカード付きの菓子に
「キミはいつか騎手になるかも…」と書いてあった。
そのことを憶えていて、騎手になった今年
「あの菓子メーカーの社長にお礼が言いたい」という依頼文をだした。
これが採用されてのテレビ出演である。
もうひとつ、フジテレビ系の競馬番組にも出演したそうだが、
新人騎手がこんなふうに多方面に顔を出すことは珍しい。
「チャンスがあれば、どんどん行けって先生も言ってくれてます」と石堂は言う。
長南師の理解と協力があってのテレビ出演なのである。
ご存じの方もいると思うが、彼は多才なマルチ人間である。
特技の競馬実況は知る人ぞ知る玄人はだしの腕前。
「将来は竹之上さんと園田のマイクで喋りたい」なんてチャチャをいれる茶目っ気ぶりだ。
頭の回転のよさとタレント資質、ネアカ(根っから明るい)で
物おじしない態度は園田で異彩を放っている。
「来年もう一度YJSに挑戦し今年の悔しさをぶつけたい」という思いは強い。
しかし一方で「YJSにエントリーできないぐらい(園田で)勝ち鞍が伸びて、
逆に悔しいと言えるようにしたい」とも。
めざすは今年の成績以上!
自らハードルを高くして、自分自身に期待をかけている。
出演した『探偵!ナイトスクープ』の再放送が大晦日にあるようで、
「年末、園田競馬は盛り上がってますけど、テレビは石堂で!」。
ちゃっかり自己アピールを忘れなかった。