9Rが終わった7時すぎ、陽が沈んだあとの馬場は照明でくっきりと浮かび上がっている。
9R、10Rと田中学がつづけて勝ち、11Rは第53回兵庫大賞典。
パドックを見終わった観客がいっせいにゾロゾロとスタンドに戻ってきた。
さすが本日のメイン重賞、注目度がちがう。
メインスタンドの半分が改修工事中ということでオーロラビジョン前は立ち見客であふれている。
このレース、人気を集めたのは重賞3勝馬サウスウインド(高知の赤岡修次)と
牝馬のタガノトリオンフ(下原理)、一昨年の兵庫ダービー馬インディウム(木村健)。
それぞれ単勝3倍台で人気を分け合った。
JRAのGⅠレースさながら、ファンファーレがなると拍手が起こり、
レースが始まり出走馬がスタンド前を通過すると大歓声が沸き上がった。
スタートを決めたサウスウインドが終始先頭をキープし、1870mを堂々と逃げ切った。
2着に入ったのは重賞8勝の古豪、橋本忠明厩舎のエーシンクリアー(吉村智洋)。
ひと月程前、この連載ページで橋本師を取材したということもあり、
追い詰めるエーシンクリアーへ思わず声を上げて応援したが半馬身及ばなかった。
レースが終わって競馬場を出ると、バス乗降場のロータリーの正面に青い灯が輝いていた。
昼間とはちがい、そこだけきらびやかな夜の化粧に彩られている。
園田の風物詩、その金ナイターはこれからが絶好のシーズンをむかえる。
風薫る季節にはじまり、夏の盛りをすぎて秋風がそよぐころまで(今年は10月20日まで)、
きらびやかな光に包まれて、競馬ファンを熱くする夜の野外劇はつづく。