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クローズアップ ホースマン達の勝負に懸ける熱き想い

座談会「さらば、平成」後編

 

クローズアップ

 
竹之上 新子のリーディングは新時代の到来を感じさせるものがあります。
    そして翌28年、最近のことになりますが
    下原騎手が初リーディングを獲った。
    これは十分予測できたこと?
 
木村  まあ、コース取りとか上手いですからね。
    やっぱり園田ではコース取りが大事やと思うし。
 
三野  (下原は)レースは上手いんやけどもうちょっと何か、
    あとひと味スパイス的なものがね。
    彼も全国リーディングになってるんやけど、
    もうひと皮むけたらなと思う。
 
木村  調教師から見たら、やっぱ上手いし、そつなく乗ってくれますよ。
    そういう点ではありがたい。 
竹之上 平成29年には耐震補強工事があり、30年12月に完成。
    三野さん、ファンエリアがきれいになりましたね。
 
三野  お客さんの反応がいいのはもちろんなんやけど、
    なかにはJRAよりきれいで居心地がええという声を聞く。
 
北防  施設が真新しいから当然、印象はいいよね。
 

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平成30年~ 令和に期待するもの

竹之上 というわけで平成の園田史を振り返ってきて、
    ようやく平成30年にたどり着きました。
    下原騎手が2年連続リーディングを獲って、昨年は吉村騎手が獲りました。
    吉村の時代になっていくのでしょうか。
 
木村  騎乗技術はまあまああるとしても、
    もうちょっと自覚を持ってほしいですね。
    全国リーディングを獲ったわけやし、注目されるんやから言動は大事。
 
北防  タケちゃんが元気でおったら絶対(彼は)リーディングは獲れない。
 
三野  木村が降りたことによって、技術的にはまだまだかもしれないけど
    タイプ的には同じようなアグレッシブな乗り方。
    あのパフォーマンスがファンや関係者にアピールしてる。
    あれだけ乗ってくれたら納得できるという側面があると思う。
 
北防  タケちゃんの全力プレーは凄かったからな。
    この人はなにするにしたって全力やから。
    乗ってるときも食うときも呑むときも…
    肥えるのも全力やがな(笑)
 
竹之上 だからこそトップになれたし誰からも好かれたんやと思う。
 
北防  タケちゃんみたいな乗り役が出てきてほしいな。
 
竹之上 さて、平成31年の今年は田子ノ浦部屋が来た。
    これまた大きな出来事で、相撲部屋とのコラボによって
    園田競馬の今後の発展に生かしていきたいという思いがあります。
 
木村  うちの近所の人も稽古を見にきて喜んでましたもんね。
 
北防  相撲ファンが競馬にも興味を持ってもらえる、
    その第一歩になってほしいよね。
 

クローズアップ

 

竹之上 ざっと駈け足で平成を振り返ってきましたが、
    新しい令和の時代にそれぞれがどのような未来を期待しているのか
    最後にお聞きしたいと思います。
 
北防  うちとしてはネット販売で便利になったのはええんやけど、
    新聞が売れないのがね。
    競馬場にお客さんが来てくれんことには話にならない。
    とにかくお客さんが一人でも二人でもふえてほしいですよね。
    だから相撲部屋なんかすごい集客効果がある。
 
三野  集客はできてるんやけど、そのお客さんが馬券につながることが大事。
    芸人さんやタレントを呼んでイベントをやるじゃないですか。
    ぼくが考えるのは、ああいうときにタレントに会うのを目的に
    来てるファンを取りこんで、
    一緒に馬券をやりませんかという策を考えていきたい。
    1回でも馬券を楽しんで面白いなと思ったお客さんはリピーターになるんやわ。
 
北防  そういう現場誘致の企画に力を入れてほしいと思うけど、
    いまはもう紙媒体の時代じゃない。
    ただ競馬場が発展してくれたらいいと思ってます。
 
竹之上 調教師の立場でどうですか。令和に期待するもの…。
 
木村  やっぱり強い馬をつくる、それが一番じゃないですか。
    強い馬でアピールする。だから、この前もジンギね…
    第2のオオエライジンになるかなって仲間と話してた。
 
三野  お客さんをふやすにはやっぱ強い馬。
    騎手はうちには全国トップの騎手がいっぱいいる。
    あと強い馬さえおったら…。
 
竹之上 スターホースづくりね。
    それが今後の重要な点だと思いますが、そのあたり、
    新しい令和の時代に期待し、
    新たな園田をアピールできればと思っています。
    長時間ありがとうございました。

 
 

文 :大山健輔
写真:斎藤寿一

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