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クローズアップ ホースマン達の勝負に懸ける熱き想い

エキサイター、快進撃!

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「エキサイターのバネに惚れた」

デビュー戦から地元で4連勝、果敢に挑んだJRAの芝で好走3着と
レースを重ねるたびに大物ぶりを発揮しているエキサイター。
その名のとおり見る者をエキサイトさせる注目度ナンバーワン2歳馬である。
 
10月17日、予想どおり圧倒的人気(単勝オッズ1.1倍)を背負って
出走した第12回兵庫若駒賞。
はじめて多頭数(12頭)のレースに出走したエキサイターは
持ち前のスタミナと粘り強い競馬でファンの支持に応えた。
 
レースはいつもどおりの出遅れ気味のスタートだったが、
「いい位置取りだった。1角までに中団まで行けたので、
あとは馬が走ってくれたら大丈夫だと。
いつでも外に出せると見ていた」と、
長南調教師は危なげない前半を振りかえる。
 
向正面から3角までは5番手をキープ、4角をまわって先頭に立ち、
直線に入ると邪魔されないよう大外に持ちだして
後続を引き離し3馬身差でゴールした。
 
「3、4角までに射程距離まで詰めてたので
直線向いたときは一気に抜けると…」。
 
レースを終えた当日の取材だったので、
勝った喜びと興奮で長南師の口は終始なめらかである。
 
園田では負け知らずで初重賞を制覇。
ひさびさに見る大物感ただよう逸材でスターホース誕生を予感させる。
 
「そうですね。やっと、出たかもしれないですね…」
 
慎重な口ぶりだが、胸に秘めた期待度の大きさが感じられる。
 
「これまで少頭数のレースしか出てなかったので強さが目立たなかったかもしれない。
(4戦目で1400mを)1分29秒9が出たときに走れたという感じが持てました」

 

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セリ市でエキサイターを見たときの第一印象は「わぁ、デカ!」だったという。
 
「(4日間のセリ市で)1200頭ぐらいいるんですけど、
デカい馬はみんな買わないんです。
競走馬にならないとか、中央なんかだと3歳の秋まで出てこないのがいるんでね。
ただ、パッと見たときにすごくいい馬だな、と感じた。
バネが良かった。馬体はデカいけどバネがちがうなと思いました。
走る姿は450kgの馬が走ってるようで500kgを超えてる馬には見えなかった」
 
軽快な脚のさばきを見て、化けるかもしれない、そう感じた。
馬の良し悪しを見分ける鑑定眼は人それぞれに重要視するポイントがあり、
目利きの個性があらわれるようだが、「バネに惚れた」というのも
一つの重要なポイントであろう。
 
「躯全体のバネですね。それと四本の脚がうまく連結しているかどうか、
歯車のように。
前と後ろがバラけているか連結しているかを見分けるのが大事なんです。
ちょっと走らせてみて、ポンポンポンと後脚で跳ね返るかどうか。
それは口で説明してもわからないです」
 
机を指で叩いて、その感覚を教えてくれたが素人にわかるはずもない。
しなやかな筋肉を支える骨格の丈夫さが、強靭なバネを生みだすということなのだろう。
 
「スター誕生みたいなもので、『この子、売れるな』と言っても
『どこが!?』って言われる。
だから、それは人それぞれの見方、ぼくの好みの馬だったんですね」
 
デカすぎて見栄えのしない馬体と、平凡と思える血統をもつエキサイターは
こうして長南厩舎にやってきたのである。
 

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“走る牛”と呼ばれて…

入厩後のエキサイターとの日々は、体重増との闘いだったようだ。
その昔「大きいことはいいことだ!」と謳った
チョコレートのCMソングがあったが、大きくなると困ることだってある。
競走馬の世界がそうだ。体重が560kgを超えたことから、
これ以上大きくなると走らないと判断し、北海道の育成牧場に移した。
坂路コースのある施設で鍛え、体重減をめざしたのである。
 
11月、12月を牧場ですごし、年明けまであまりいい具合ではなかったようだが、
その後、週を追うごとにいいタイムが出始めた。
結果、お腹まわりの脂肪が取れてシャープな馬体に生まれ変わったという。
 
デビューからここまでを振り返って「メチャクチャ順調です」と長南師は言う。
 
「馬によっては大事に使うのもありなんですけど、
(エキサイターは)大事に使ったら逆に走らないと思うんですよ。
(デビュー戦の)820mを走ったあとにラクさせようと思い、
休めながらケアしたら次の追い切り、まったく動かなかった。
これはいかんと慌てて調教をバシバシやった。
以来、レースを使ったあとも緩めてないんですけど、それでも体重はふえてくる」

 

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