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クローズアップ ホースマン達の勝負に懸ける熱き想い

小歓声が競馬場に戻る

 

7ヶ月続いた無観客競馬

新型コロナウイルス感染症により、我々の日常は一変した。

感染のリスクがある“密”の状態は避けるべきとされ、
唾液の飛沫を介して感染が成立してしまうウイルスの性質上、
“大声を出す”ことも避けるべきことの一つとされる時代となってしまった。
このコロナ禍で避けるべきとされる2つが共に起こってしまう競馬場は、
他のスポーツ同様に観客を入場させての興行が難しい状況に陥った。
 
園田競馬場では3/3の開催より無観客競馬が実施され、
半年以上もの間ファンの声援がない状態が続いた。
ただ、他のスポーツと異なり幸運だったのは、
一度も開催中止にならなかったことだ。
プロ野球やJリーグといったスポーツをはじめ、
コンサートやライブなどの音楽イベント、
遊園地などの娯楽施設に至るまで一時期休止となるものが非常に多かった。
 
ひとたび感染者が出るとその周囲の濃厚接触者も含めて検査を施す。
最終的に感染が否定される結果になったとしても、
結果判明までは人の動きが制限されてしまう。
“感染疑い”の段階でも、競馬開催中止となる可能性もあるのだ。
こんな難しい状況の中にあって兵庫県競馬は一度も中止になることなく、
開催が継続できたことは大変幸運だったように思う。

 

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関係者の努力なくして開催継続なし

 騎手や調教師など関係者は、日々の体温測定、
手指消毒の励行、マスクを着用(レース騎乗時以外)
することで感染防止に努めている。
 レース前日に騎手が宿泊する調整ルームには
雑談などができる談話室があるが、
そこに騎手達は集まることなく、
みんな自室で過ごすようにしているという。
また、西脇所属の騎手が利用する移動バスは、
常時窓を開けて換気をし、
マスク着用の上で間隔を空けて着席するなどして、
徹底的な感染防止対策を行っている。
 
開催が継続できている裏側には、
騎手や調教師など関係者一人一人の
「競馬を途切れさせてはならない」という強い思いと、
地道な日々の行動がある。
 
騎手会長を務める小谷周平騎手に無観客競馬が続いた
この7ヶ月間について聞いてみた。
「どこも出掛けていないですね、みんな。
この期間気を付けてやっていたのは、マスク着用、
手洗いやうがい、検温。
(感染防止対策は)みんなどこにも行かない、
もうそれしかないですね。
僕らはレースになったら一生懸命乗るしかないので、
馬に乗っている時には無観客はそれほど気にならなかった。
でも、返し馬とか表彰式の時にお客さんが前に出て見に来てくれると
やっぱり気持ち的に全然違いますからね。
表彰式もないのが一番寂しいですね。
 インターネットを通してしかレースを見てもらえない状況でも、
仕事させてもらっていることに感謝の気持ちを持ってみんなやっていました。
開催が止まることなくレースが続けられていることに感謝しかないです。」
 
 そして、9/30からの入場再開に当たっては、
 「一生懸命馬に乗って、白熱したレースをお客さんに見せられるよう
騎手一人一人頑張りますので、感染対策をしながら競馬場に来てください!」
と小谷騎手会長はファンに向けて話してくれた。

 

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入場再開に向け、競馬場の取り組み

様々な不便を強いられる中で続いてきた無観客競馬は、
9/25についに終止符が打たれ、
約7ヶ月ぶりに園田競馬場にファンが戻ってきた。
 
入場再開に向けて、高松宏文 兵庫県競馬組合副管理者に
競馬場の取り組みなどについて話を聞いた。
 
入場再開に向けての思い、経緯は?
 
 まずは7ヶ月もの間、入場いただけなかった
ファンの皆さんに非常に申し訳ないという気持ちが一番大きいです。
兵庫県においては、緊急事態宣言が明けた後、
5月中旬から1ヶ月間、新型コロナウイルス新規感染者数ゼロの状況が続き、
7月に入ってからも1週間平均10人未満の新規感染者数で推移していました。
また、7月に地方競馬全国協会の本場対応の
「競馬における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」が
策定されたことを受けて、当初8/5の開催から入場再開することで
準備を進めていました。
しかし、その後に感染が拡大したため、
8/5時点の再開を断念せざるを得ませんでした。
その後の新規感染者数の推移を見ていく中で、8/8をピークに下降し、
9月に入ってからは1週間平均10~20人未満の
新規感染者数で推移している状況です。
園田競馬場には、隣の大阪府からも半数程度来客いただいていることから、
兵庫県だけではなく大阪府の新規感染者の状況も見る必要がありました。
現在、その大阪府も9/12以降日々の新規感染者数が100人を
下回る状態が続いており、収束傾向にあるのではとの判断で、
9/30の入場再開を決定しました。
 
入場制限は行わないのか?
 
 兵庫県のイベント開催に当たっては、
「『大声での歓声・声援等が想定されるもの』に該当する競馬は
収容人数の50%以内とする」という方針が決定されました。
 園田競馬場の収容人数は17,482人であるため、
8,741人が50%に当たります。
昨年度の園田競馬場の平均入場者数が2,102人で50%を
大きく下回ることから特に制限は考えていません。
 ただし、今年1/3には昨年度最多となる8,424人が入場していることから、
特に来場者が増える年末年始などの開催においては、
今後検討する必要があると考えています。

 

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