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2017年8月19日

伝統ある真夏のハンデ重賞『第49回摂津盃』が8月18日に行われ、2番人気の支持を受けたマイタイザンが堂々逃げ切って優勝。同馬にとって、2歳から続く3年連続の重賞勝ちとなった。騎乗した杉浦健太騎手は、通算5勝目のタイトル。管理する新井隆太調教師は重賞4勝目を挙げた。

 

レース結果はコチラ>>>

 

 

◆出走馬

 


①マイタイザン 55 杉浦健太騎手

 


②ベルサリエーレ 53 松本幸祐騎手

 


③バレーナボス 53 板野央騎手

 


④ミッレミリア 54 大山真吾騎手

 


⑤マルカライン 53 松浦政宏騎手

 


⑥バズーカ 56.5 赤岡修次騎手(高知)
 


⑦アクロマティック 54 笹田知宏騎手

 


⑧ウインオベロン 54 川原正一騎手
 


⑨タガノトリオンフ 53 下原理騎手

 


⑩トランヴェール 56 永島太郎騎手

 


⑪エイシンホクトセイ 53 吉村智洋騎手

 


⑫エイシンニシパ 57 田中学騎手
 

サウスウインドやエーシンクリアーの出走はなかったが、それ以外の中距離路線を歩む強豪が出揃った今年の『摂津盃』。ハンデは57キロから53キロと、それほど大きな差はないが、それぞれを比較すると有利不利が入り混じる。

 

トップハンデは57キロのエイシンニシパ。管理する橋本忠明師は「59キロを背負わされるようなら、回避するかも」と漏らしていたが、蓋を開けてみればこの斤量。見込みから2キロ軽くなって恵まれたように思える。

 

そのニシパに前走、同斤量でクビ差の接戦を演じていたウインオベロンは54キロに設定。これだけを捕えるとかなり有利だ。

 

重賞を含む4連勝でもっとも勢いを感じさせるのがトランヴェール。こちらは57キロで連勝中ながら、56キロの斤量に。57キロ以上は当然課せられると思われていただけに、有利に感じる。

 

前走、オープンで初勝利を飾ったミッレミリアは当時と同じく54キロ。その前走で負かしたエイシンホクトセイは56キロから53キロに。この両者だけを見ると断然ミッレミリアは不利。エイシンホクトセイは5月の『兵庫大賞典』を56キロで3着だったことを考えると、断然有利と言える。

 

同じく53キロに設定されたオープン初挑戦のマルカライン、牝馬のタガノトリオンフなどは決して恵まれたとは言えない斤量だ。

 

55キロのマイタイザンだけが、斤量の話でほとんど話題に上がらず、一番有利不利がなかった斤量。

 

ゴール前の大接戦を考えて設定されるハンデ戦という観点ではないような気がするが、微妙に予想を悩ませ、楽しませた要素のひとつではあった。

 

 

スタートの良し悪しがハッキリする1700m戦。明らかに煽って立ち後れてしまったのが、1番人気に支持されたトランヴェールだった。

 

逆に好スタートを決めたのがマイタイザン。すぐに迎える3コーナーにダッシュ良く飛び出しハナを奪い切った。

 

2番手にタガノトリオンフが付け、ベルサリエーレ、バズーカ、エイシンニシパと好位を形成。ミッレミリア、ウインオベロンは中団を進み、スタートで後手に回ったトランヴェールは後方待機となった。

 

前日の馬場は差し馬の伸びが目立ち、前有利だったこれまでの傾向からかなり変化を見せていた。ところが当日の明け方、突然の雷雨が園田を襲い、一瞬に不良馬場へと変えた。

 

ナイター競馬が始まるころには少しずつ回復を見せ、この時点では重馬場の発表。それでも前が有利なレースが続いていた。

 

 

 

好スタートのマイタイザンは他馬を引き付けるのではなく、自分のペースに徹してレースを進めて行く。

 

追いかけて行く馬たちも決して楽ではない展開で、好位を追走したベルサリエーレ、バズーカが脱落して行った。

 

 

 

それでも必死で食い下がったのがタガノトリオンフ。エイシンニシパはコースロスをを避けるため内に切れ込み徐々に差を詰めて行く。

 

そこへ後方からトランヴェールを進出を開始、3コーナーでは4番手までポジションを上げた。

 

しかし、その間にもペースが落ちないマイタイザンはリードを広げて4コーナーに向かって行く。

 

内をすくってエイシンニシパが2番手に上がって直線を迎えた。

 

 

タガノトリオンフが3番手を死守するところへ、ウインオベロンが迫る。向正面で追い上げたトランヴェールの脚はいっぱいとなってしまった…。

逃げ脚衰えないマイタイザンは他馬を寄せ付けない。そのまま3馬身半の差を付けて堂々と逃げ切って真夏の王者に輝いた!
 

 

 

 

エイシンニシパがトップハンデの意地を見せ2着に。3着争いは接戦となったがタガノトリオンフがしぶとく粘って確保した。マイタイザンを追いかけながらの3着を粘ったのは立派だ。

 

差のない4着にウインオベロン、エイシンホクトセイが5着に続き、トランヴェールは出遅れが響いて6着に敗れた。

 

1番枠で「いい枠を引き当てた」と思い、朝の豪雨で「逃げしかない」とハラを決めた杉浦騎手。

 

前日と前々日の2日間の騎乗停止があり、その鬱憤を晴らすかのような圧倒撃。ウイニングランで再び正面スタンドに帰って来たマイタイザンと杉浦騎手に大きな歓声が沸き上がり、何度も右手を挙げてファンの声援に応えた。

 

メンバ中、唯一の兵庫生え抜きだったマイタイザン。思えば、昨年も生え抜きのエナエビスの勝利だった。

 

デビューから見続ける馬の成長と活躍は観ていて誇らしい。これからは他地区でのタイトル獲得も楽しみだ。

 

逃げ馬から、控える競馬も覚えてモデルチェンジを試みたが、再び元の逃げ馬に活路を見出したマイタイザン。

 

常にマークされる苦しい立場だが、それでもなお他馬を封じ込める強い逃げ馬へとグレードアップすることを期待する!

 

 

写真:斎藤寿一

 

文:竹之上次男